メジャーリーグへの挑戦を終え、現役を引退します。


アメリカでのテストは球速や回転数、変化量などを測定する機械を導入したものでした。

スピードは93マイル(約149.6キロ)止まりでしたが、テスト後、回転数や変化量のデータを元に

「ウチのプログラムに入れるともっと良くなるし、使える球種も多いから先発として育てたい!だけど、契約とは別で、仮に今回契約とはならなくても必ずどこかで野球を続けて欲しい

とまで言っていただいたチームがあり、認めてもらったことが嬉しい気持ちと「そこまで言うなら契約してくれよ」という2つの気持ちがありました。

そして「日本では野球はやりません」ともお伝えしていました。

テストの翌日、メジャーリーガーの代理人をしている方とお話する機会をいただき、

「この時期はマイナーの選手をカットし終える時期だから、このタイミングでスプリングトレーニングに入り込むのはかなり厳しい」

と聞き「契約とは別」の意味がわかりました。

少しでも期待を込めて3月までオファーの連絡を待っていましたが、連絡はありませんでした。

心していたとはいえ、やはり悔しい…

ですが、僕は今とてもやりきったと思っています。
なにより野球が1番楽しいと感じたまま終えることができて幸せです。


僕の野球人生を振り返ると、改めて誰にも真似できないストーリーだと胸を張って言えます。

大学2年生の秋以降、ケガが重なり一度も登板なく4年生の時に1度目の引退をしました。

就職活動では内定をいただき研修まで参加していました。

高校の時からお世話になっていた福井県の山内整骨院へ、遊びに行ったついでに治療をしてもらうと、それまで上がらなかった肩が上がるようになり、「もしかしたら投げられるかもしれない」とわずかな可能性を信じて復帰を決意。

大学卒業後は2年間も無所属で1人で練習を続ける事となりました。
この期間は試合もなく、ただただ練習。

今思うと我ながらよく続けることができたなと思います。

それほど覚悟を決めていたんだと…

そして昨年、ルートインBCリーグ・埼玉武蔵ヒートベアーズで5年ぶりに復帰!!

150キロを超えるボールを投げれるようになっており、ドラフト候補まで行くも、ドラフトでは指名漏れをして、何かモヤモヤした気持ちのまま2度目の引退を決めました。

引退挨拶をしていく中でアメリカのお話を聞いて選択肢が広がり、メジャーリーグへ挑戦することを決断しました。

この挑戦を機に多くの方に「安河内 駿介」を知ってもらい、「TEAM安河内」が結成されました。

決して1人では成し得なかった挑戦です。

みなさまに野球人生の集大成を作っていただいて、この3カ月は凄く充実していました。

1人でしたが独りではなく、過去にあった2年間の無所属期間とは気持ちの入り方が全く違いました。

3度目の引退は一切モヤモヤがありません。


TEAM安河内のみなさま

結果で応える事ができずに申し訳ありませんでした。

みなさまのたくさんの支援、愛を受けてここまで挑戦させていただいたこと、みなさまの応援が半端じゃない力になったこと。
これは何にも変えることができない大きな財産です。
素晴らしい経験ができました。

一緒に僕の野球人生のストーリーを作ってくださって感謝しかありません。

本当に本当にありがとうございました。


安河内の引退後はどうなっていくのか。
他のアスリートの方もプレーヤーとして終わったあとの人生に不安がある方が多いはず。

今後は1つの情報として発信していきますので、引き続きアメーバオフィシャルブログ「オレが安河内だ。」をよろしくお願いします!!


2019年4月2日
安河内駿介