嘘と言うんじゃないけど、
幼稚園だった娘がまだうまくしゃべる事の出来ない幼児だった息子と
遊んでいたときに、息子が川に落ちて大騒ぎになったことがあった。
頭を打っていないかを調べるために大きな病院の夜間診療に連れて行ったことを、
娘は、覚えていた。
娘が中学生ぐらいになったとき、私のせいで、息子が川に落ちたのだと告白したのだった。
息子は幼すぎてそのときのことは全く覚えてはいなかったけど。
幼稚園ぐらいの子供に悪気や、悪意なんてあるはずがない。
その事を言えずに忘れていない娘が、愛おしかった。
いくら何でも、怒ったりは出来ない事故で終わった。
子供には、そんなに罪なことはないと思う。
アガサクリスティーの小説で、ある資産家の60歳ぐらいの男性が殺害される話があったが、犯人は小学生ぐらいの女の子だった。
バレリーナを夢見ていたのに、似合わないという理由で孫の夢を壊したことと、
資産家が意地悪で、どの子にも嫌われていたことが原因だった。
その小説の結末は悲惨だったけど、子供は、間違った正義感で祖父を殺したけれど、
そこまで嫌われる祖父が悪いのだと思う。
大人が悪いのに、子供が、心を病んでしまうことが、悲劇だった話だと思う。