朝から、病院へ。
途中でお兄ちゃんから連絡がきた。
「お父さんの病室○○○号室になりました。」
なんで?病室変わったのかな?
病室に着くと、お父さんが私に、、
父 「たかと、、たかと、、」
と甥っ子の名前を呼んだ。
私 「え?たかとに会いたい?」
お父さん、うっすら寝た、、なんだったんだろう?夢でも見た?
直ぐ、お父さんはナースコールした。
なんだろ?
看護師さんが来た。
父 「部屋変わったの伝えて、、」
私も看護師さんもハテナが飛ぶ。
私 「大丈夫!もう連絡きたよ!お兄ちゃんとの連携プレーだよ!」
うんうん、うなづいて寝た。
看護師さんも、、ニコっとして引き返した。
お父さん、明らかに行動が変だ。
これがせん妄というやつか?
お父さんがベッドで眠る。
ベッド脇に私は座った。
お父さんを見つめる。
お父さん、ゴメンね。
直ぐ涙が溢れた。
もしかしたら、もう会話のキャッチボール出来ないのかな?
もっと早く、病院へ連れて来るべきだった。
何で、いつもいつも、、私は遅いんだろ。
お父さんを見つめる。頭がぐちゃぐちゃ。
お父さんが目を開けた。
私を見て、、
え??泣いてんの?
面倒くさいやつ、、みたいな顔された笑
私「お父さん、お父さん、ねー、お父さん」
父 「なーに?なーに?」
ただ呼んでみた。
だから、また面倒くさいやつだな、、って顔された。
肺ガンになったから、お父さんの声はしゃがれ声になった。この声が子供みたいに聞こえる。
私は、この声が苦手だった。
お父さんじゃない声。変な声。
昔のお父さんの声が聞きたいよ、、。
ベッドから離れて、向かいの椅子からお父さんを見る。
お父さんは、最近ずっと寝てばかりだった。
これを薬のせいだと思っていたが、亡くなる前の充電らしい。どんどん起きてる時間が短くなる。
なんで、家にいるとき気づかなかったんだろ?
薬で眠てばかりだと思ってた。
お父さんが、目をあけて、、頑張って起き上がろうとする、、私も支える。
父 「トイレ」
今のお父さんはベッドから落ちないように、壁にベッドをくっつけられていて、、そのせいで点滴があると、ベッドと向かい側の隙間を点滴の足が通れない。
私 「お父さん、無理だよ、引っかかる。」
お父さんみたいな人用に、座る便器が病室にあるから、それを勧めた。
それでも、行ける!と行こうとする。
それなら、看護師さん呼ぼう!
父 「早く呼んで」
ナースコールで看護師さんがきたので、状況を伝えると、、今繋いでる心電図は外せないから、我慢してくれ。と、同じ座れる便器を差し出してきた。
お父さんも納得した。
父 「くさいぞ!いいのか?」
私 「家族だから気にならない、恥ずかしいなら部屋出るよ」
お父さんは、首を振った。
お父さんの、オシッコとても黄色い。
お父さん、満足して、また寝る。
グーグーイビキをかいて、、足は投げ出す。
顔だけ見てると、、頬が赤くて、、まだまだ生きてくれそうに見える。
たまに、痛みと戦うので眉間にしわをよせて、、耐える。
また、、涙が溢れた。
一度泣くと止まらない。
タイミング悪い看護師が見えた。
何しにきたか忘れた。
私が泣いてるから、、
「大丈夫ですか?」
と声をかけてくれた。
「はい、、大丈夫です。」
とか言いつつ、全然ダメだ。涙が止まらない。
色んな思いが溢れた。
謝りたいし、感謝を伝えたいし、、怖い。
怖くて怖くて、、仕方ない。
お父さん、また目覚めて私の泣き虫顔見て、、
目を丸くして、、面倒くさい顔した。
一日前は、私にお父さんは言った。
「大丈夫だ。心配するな、、」
今日のお父さんは、言ってくれない。
直ぐ寝る。会話したいよー!!!
イテテ、、イテテ、、とまた起きたから、、背中をマッサージした。
かゆいかゆい、、と首をかくから、かゆみ止めを塗って、軽くマッサージした。
お父さん口角が上がって、笑ってた。
嬉しかった。
私 「お父さん、お風呂入りたいでしょ?家に帰ろうよ!」
お父さんと帰りたかったから、つい言ってしまった。
父 「こんなんで、帰れない、、」
ちゃんと、会話した。笑
しっかりしてた。
お父さんにご飯が来たけど、おかゆを少しだけ食べた。
また、寝た。グーグーイビキをかいて寝た。
寝てる間、スマホで、、また調べる。
あと何日残ってるの?
今はどーゆー状態だろ?
寝たきり、、濃い黄色のオシッコ、、せん妄。
あと、、2.3日から長くて10日。
だめだ、、息がしにくい。
どーしよ!どーしよ!どーしよ!
伝えたいことある。
彼が、今出張で29日に帰ってくる。会わせれない、、。合わせれる?間に合うかな?
間に合っても、会話出来ない?
ずっと考えてた。
でも、誰にも分からない。
それこそ個々の体の違いだ。
お父さんが目を開けた時に聞いた。
私 「彼きたらどーする?」
父 「どーもしん」
前なら、喜んだのにな、、。
面倒なんだな。
トントン、、。
主治医の先生が来た。
「今の状態なんだけど、、カルシウム値が下がった、肝臓ガンは分からないけど、、明日血液検査して、、点滴の薬とか考えましょう」
お父さんが、ハッと起きた。
「どう?調子?」
父 「明日、親族がくる」
先生 「そうか、、明日は沢山笑顔にならないとね」
父 「うん。」
この前の段階では、、
明日親族呼んだと伝えたら、、
父 「葬式だな」
って、軽く言ってた。
私は、動揺した。
私 「みんなお父さんに会いたいだけ」
間違ってはない。
明日は、沢山くるぞー。
日にちをまとめたとも言う。
なぜって、、お父さん疲れちゃうから。
お兄ちゃんが、もーすぐ来るよ。
と伝えたら、、
父 「うーわー、、もー、、寝たいのに、、みっちゃん、、帰れんね」
もう、数週間前のお父さんじゃない。
今までは、ギリギリまで、帰らせなかったのに。
お兄ちゃんきても、もちろん寝てる。
お兄ちゃん優しく、お父さんの手を握った。
なんとなく握ったらしい。
うん。あと何回お父さんに触れれるか分からないもんね。
昨日寝てない、、今日は眠い。
家に帰って、お母さんの仏壇に手を合わせる。
お母さん、お父さんを助けて。
せめて、今年いっぱい、、。
お母さん、お父さんが苦しまないようにしてね。
お母さん、お願い。
お母さん、助けて。辛いよ。
私を一人にしないで。
耐えれない。
耐えれない。
耐えれない。