皆様、いつもお世話になっております。

 

本日はビートルズの日だそうです。私が生まれてすぐにジョン・レノンは亡くなりましたのでビートルズはリアルタイムでは見たことはありませんが、ビートルズの曲はリカバーされたり、Yesterdayなどはコーラスで歌ったりもいたしました。今も世界中で愛されているグループではないかと思います。

 

しかし、本日のお題はビートルズとは全く関係がございません。少年ジャンプを長年にわたって騒がせ続けている富樫義博さんについてです。少年ジャンプは集英社により発行されている週刊漫画雑誌ですが、勝利・友情・努力を三本柱にしているとされています。登場する漫画も勧善懲悪ものが多く、努力をすること、友情を育むことを大切にし、そうすれば勝利という成果を手に入れることができるということを謳っている作品がほとんどです。

 

その中で異色を放ったのが富樫義博さんの作品だと思います。別作品の幽遊白書やレベルEでもその傾向はありましたが、HUNTER×HUNTERではその世界観がさらに強調されていると思います。その中で個人的に面白いと思ったのが会長選挙編。HUNTER×HUNTERは主人公がプロのハンターを目指すところ、プロのハンターとして様々な試練を乗り越えていくところを描く作品です。その中でハンター協会の会長が亡くなり、その後継を選挙で選ぶというストーリーがあります。十二支んと呼ばれる理事会のようなものが登場し、様々な政治的工作が行われます。その駆け引きに対し嫌悪感を抱きながらもそれに巻き込まれてしまうという登場人物も存在しました。

 

たかが漫画の世界ではありますが、私はここに日本の実社会の投影を見た気がしております。次の日曜日には東京都知事の選挙が行われる予定ですが、その裏では様々な駆け引きが行われています。政治の世界だけでなく、企業における出世やひいては教育や学校の世界においても様々な政治工作が行われます(山崎豊子さんの『白い巨塔』はその代表作といえるでしょう)。

 

個人的には選挙や出世はその人の能力や理念に共感できるかどうかを基準に行われるのが理想だと思います。しかし、HUNTER×HUNTERでいうところのハンター協会という一流のプロ集団でさえ、能力や実績ではなく、政治的駆け引きが不可欠であるというところが描かれています。もしかしたら、政治的駆け引きさえ能力の一つなのかもしれません。

 

いずれにせよ、努力と友情が勝利を呼ぶというジャンプの世界観に対して富樫義博さんは大きい挑戦をしたことは間違いないでしょうし、努力や友情だけでは勝利は手に入らないという現実の状況を提起しているのは確かだと思います。