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 韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、韓国ツアーのキャンセルや出張の自粛など、企業活動への影響が出始めている。



 多くの企業は通常通り業務を続けているが、感染がさらに拡大すれば、両国経済に影響をもたらす可能性がある。(秋田穣)



 JTBには、韓国ツアーの予約客から「このまま実施するのか」などの問い合わせが相次いでおり、旅行をキャンセルする人や、延期する人も出始めているという。韓国旅行時にはマスクを着用し、人混みを避けるよう呼びかけている。



 日本人で韓国を訪れた人の数は日韓関係の悪化を受けてそもそも減少傾向にあり、2012年9月以降、3年近くにわたり、前年同月を下回ってきた。こうした中、MERS問題が加わり、「このままでは、修学旅行などの需要に悪影響が出かねない」(大手旅行会社)との声が出ている。



 韓国に拠点がある企業は、従業員への感染予防に注力し始めた。



 IHIは韓国に自動車部品の工場などがある。現地ではマスクが不足しているため、9日、韓国に出張する際には、マスクを持参するよう指示した。みずほフィナンシャルグループは現地の支店に、マスクや消毒薬などの衛生用品を送った。



 ソニーは、日本などで働く社員に対し、ソウルと周辺都市への出張を自粛するよう呼びかけ、韓国で働く社員には韓国外への渡航を自粛するよう求めた。



 ただ、多くの企業は今のところ、業務自体は通常通り続けており、事態の推移を冷静に見守っている。日本貿易振興機構によると、両国間の貿易に影響は出ていないとしている。