今年の12月8日~27日まで新国立劇場にて


【バグダッド動物園のベンガルタイガー】


という芝居をやります。


『バグダッド動物園のベンガルタイガー』


「酔ったアメリカ兵がトラを射殺─」2003年にバグダッド動物園で実際に起きた事件に着想を得て書かれた、アメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフによる話題作『バグダッド動物園のベンガルタイガー』が、2015年12月8日(火)より新国立劇場で上演される。2009年に初演され、その年のピュリッツァー賞にノミネート、さらに2011年にはロビン・ウィリアムズ主演でブロードウェイ初演されたことも話題を呼んだ本作だが、今回が日本での初上演となる。

空爆によって破壊されたバグダッド動物園、ベンガルタイガーの檻の前。ふざけあっていた警護のアメリカ兵が、腹をすかせたトラに手を噛みちぎられる。トラは即座に別の兵士に撃ち殺されるが、幽霊となって撃った兵士に取り憑く。取り憑かれた兵士はやがて精神に異常をきたし、自殺。これまた幽霊となり、義手をつけた元相棒に取り憑く。トラの幽霊、アメリカ兵の幽霊、さらにはサダム・フセインの二人の息子の幽霊、殺された女の子の幽霊……幽霊と現実を生きる人間とがないまぜとなり、バグダッドに渦巻く欲望と残虐さがあらわになっていく。

射殺されたトラが幽霊となって街をさまよい歩き、自分を殺した兵士に取り憑く、という荒唐無稽な物語展開でありながら、イラク戦争によって引き起こされた人々の狂気、憎しみ、欲望が深く、かつシュールに描かれるこの作品は、実際のできごとからフィクションの世界へ大きくジャンプし、またそこから現実を照らし出す、そのふり幅の大きさが魅力となっている。


ただいま絶賛稽古中です。

台詞はまだ入ってません、ええ。


骨太な作品になりそうです。


興味あれば是非お越しください。