なかなかブログに手が回りません。油断していたら、12月はとんでもなく忙しくなってしまいました。先日2日には、文化庁文化交流使の最後の務めであるフォーラムで報告をしました。文化庁長官の宮田さん、そして昨年度の交流使の生田流箏演奏家米川敏子さん、今話題の女性浪曲師の玉川奈々福さんという強烈なメンバーと対談したりと、楽しい会になりました。8日(日曜)15時からは大泉学園のライブハウス、インFで、箏・地唄三味線の竹澤悦子さん、ヴァイオリンの向島ゆり子さん、箏曲家の澤村祐司さんと私(オーボエ・ズルナ・作曲)でライブをやります。小さなお店なので予約で椅子席は埋まってしまい、立ち見なら若干入れます、ということです。鑿心抄という山村暮鳥の詩とヴァイオリン・オーボエ・箏・歌の作品を改訂初演します。またやりますので、次は早めに告知致します。そして、次からがお知らせです。

 

ダンサーとして活躍している花島令さんが、自分のカンパニーを組織して、初めての自分の作品の公演をします。今回、企画段階から関わり、音楽を担当しています。花島さんは、広崎うらんさんのREVO公演で知り合い、また、うらんさんが振付で関わったワタナベブロのシェイクスピアシリーズの振付助手で彼女が参加した芝居の音楽を担当していて、何度かご一緒して来ました。今回彼女は自分は踊らず、構成演出、振付に徹しています。安部公房の「砂の女」を下敷きにして、自我というものの危うさを、ダンスで表現しています。彼女が集めたダンサー4人、貝ケ石奈美さん、鈴木春香さん、後藤海春さん、牟田のどかさんと俳優の石川朝日くん、いずれも素晴らしく、稽古場では目を見張ってしまいます。女性ダンサー4名はいずれも演劇的なダンスを繊細に、微妙に表現し、身体性も驚く高さ。個性もそれぞれ強く、みな一押しです!石川朝日くんも、ダンサーと言っていい身体表現をしています。ほとんどのメンバーが海外で修行し、仕事をしてきていて、ダンスが、人間のとても複雑な状況を表現して伝えるものとして捉え、それを共にアイディアを出しながら練り上げる、という作業をひたすらしています。今時日本でこんなに丁寧に舞台を作るということが、熱意があれば出来るのだなあ、と、新鮮な思い出見ています。目を見張ります!!音楽もかなり実験的で、いつもいろいろな仕事の場で作っているメロディアスな楽曲は一つも作らず、効果音に近い、不思議な音を、いろいろな工夫で音を作ってみて録音しながら、作りました。是非、新しいダンス界のパワーを感じてください!

 

Psyche. (ダンスカンパニー)第一回公演

「あいつの自画像」

12月13日(金)19:00~

12月14日(土)14:30〜 /  18:00〜

12月15日(日)13:30〜 /  16:30〜

会場 SOOO dramatic  (台東区下谷1-11-15  東京メトロ日比谷線入谷駅1・2番出口から徒歩1分、JR山手線鶯谷駅から徒歩6分(会場は昭和通りから一本裏に入った通りに入り口があります)

チケット 前売3000円 当日3500円 ご予約はpsyche.plus.art@gmail.com

インスタ Psyche.plus   ツイッター Psyche.@PlusPsyche

 

もう一つお知らせです。ハーモニーホールふくいにて、新しい室内楽のグループ、トリオAXISのコンサートがあります。これは、昨年まで5年間、ホールのカルテットだったディノカルのヴィオラ奏者の生野正樹さんが組織した弦楽トリオです。ヴァイオリンは広島交響楽団のコンサートマスターである佐久間聡一、チェロがバイエルン歌劇場オケを経てソリスト、室内楽奏者として活躍中の奥泉貴圭。弦楽トリオという、最近はあまり活躍する団体も少ないながら、古典派の傑作が揃う編成に新しい生命を吹き込もうとしています。また弦楽トリオにピアノが加わるピアノ四重奏に、今川裕代さんが参加します。今川さんのピアノも新境地に入った感があり、長く音楽に命をかけている人たちの新しい境地が感じられると思います。笠松泰洋は、生まれて2回目の弦楽トリオを作曲しました。初回は、18歳の春で、2度目の三善晃先生のレッスンで、先生がさらさらと書いたメロディーで、弦楽トリオでロンド形式の曲を作って来なさい、というものでした。あれから41年、やっと弦楽トリオが書けました。昨年の今頃から2ヶ月間、文化庁文化交流使として滞在した南米での経験が強く出た曲で、タイトルは「南の夢」。「タンゴの夢」という第一楽章、「キトの風」という第二楽章、「滅びと再生」という第三楽章から成ります。

 

トリオAXISデビューコンサート

2019年12月13日(金)
開場/18:15
開演/19:00

ハーモニーホールふくい 小ホール

トリオAXIS(ヴァイオリン:佐久間聡一、ヴィオラ:生野正樹、チェロ:奥泉貴圭)
ピアノ:今川裕代
作曲:笠松泰洋

曲目

J.S.バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」から『アリア』
ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調 op.10
笠松泰洋:弦楽トリオのための「南の夢」(新作初演)
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 op.25 

全席指定:3,000円
車いす席:2,400円
※小~大学生:半額

【お問合せ窓口】
ハーモニーホールふくい チケットセンター
E-mail:ticket@hhf-cf.or.jp
Tel: 0776-38-8282 (10:00~17:00)

 

これ以外に、1月明治座三山ひろし特別公演「阪田三吉物語」の音楽を担当しています。また、音楽劇「星の王子さま」が1月31日に水戸芸術館で初日を迎え、東京芸術劇場イースト(2月8〜12日)、兵庫芸術文化センター中ホール(15、16日)で再演されます。何と東京は売り出した途端に完売してしまい、関係者でももうチケットが取れない状況です。水戸と兵庫はまだ若干あるようです。

更に、ウィーンで上演した私のオペラ「人魚姫」の英語版が、ウクライナのリヴィウ歌劇場で上演されることになりました。それが2月12日、という連絡がありました。「星の王子さま」と被り、3月のワタナベプロダクション制作の「十二夜」の稽古中でもあります。行けるのか?自分?とりあえず、指揮者とは何かあったら連絡を取り合う体制になりました。ウィーンで人魚姫役を歌ったナタリアがウクライナ出身の縁で、彼女が人魚姫です。
 

 

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