こぼれゆく夏
2002/05/10



耳元で  いくつかの風が  
今  ささやいて行った
目を閉じて  むせ返るような
夏草の匂いに  呼び起こされた
あの太陽の季節に  騒がしいこの胸

ペダルを漕いで  駆け抜けた
川の淵や  草むらの中
足の裏が  懐かしがってる
泥や砂の  ざらつく肌触り

失っちゃいけないものすら
置き去りになりそうだった
あの少年の頃の自分が
優しく微笑みかける...

時を重ね  大人になって
憶えたことは  数知れないけれど
なぜ...?  こぼれていった  あの輝きに
心が還ってゆく夏


思い出は  いくつもの色を
今  愉しげに纏う
眼を開き  降ってくるような
夏色の夢に 身体をあずけ
あの星空の季節に  躍り出すこの胸

仲間と共に  駆け抜けた
陽射しの下や  雨風の中
肩や背中が  今もなお憶えてる
ずぶ濡れた  シャツの重みを

大切にしたいものすら
泡沫になりそうだった
いま少年の頃の自分が
あの景色を指差す...

時を重ね  大人になって
憶えたものは  数知れないけど
なぜ...?  こぼれていった  あの輝きに
心が還ってゆく夏