介護をしてわかったことですが、人は痴呆になり過去のことを忘れても、五感はちっゃんと働くということです。美しい,おいしい、楽しいことには、しっかりと反応するということです。花の好きだった母のためベランダに花を植え、つたないながらも料理を工夫し,出来るだけおいしいものを食べさせることに勤めました。気分のいい時はいっしよに歌を歌い踊ってやると、本当にうれしそうに大声で笑い、喜んでくれました。
よく歌う歌は、しょっしょっしょ日比の日比の学校じゃ、と大きな声で歌い、ヘルパーさんは、学校の先生だったんですかと言っていましたが、学校の先生ではありません。
こんなことを言うとウソのように聞こえるかもしれませんが、介護をしていて余り嫌だと思ったことはなく、むしろ今日はどんなことをしようかと、楽しんでいました。 しかし、私が息子だということはわからず、いつも敬語で、どなたさまでしょうか?とたずねます。あんたの一番下のむすこですよ、といっても、また嘘ばっかり言ってとしんじません。気分のいい時は、とても穏やかで、一時的にも昔の母に戻っていたのには、救われました。ただ便秘になるとだんだん機嫌がわるくなり、今考えると、もう少し何とかしてあげれば良かったのにと思います。引き取るときに、たくさんの薬を持っていましたが、102歳の老人を薬ずけにするのがいやで、薬をのませるのは辞めました。