スライ,Sly

昨年、ファン待望の初来日公演を果たしてくれたスライ&ザ・ファミリー・ストーン。東京JAZZとブルーノート東京2部の計3公演を行いました。

どうせ観るならワンマン! と決め、東京JAZZは一顧だにしませんでした。多くの人が同じことを思ったらしく、ブルーノート公演はチケット落選者続出。自分も含めて友人、知人でも誰一人当選しませんでした。

ここのところBeyonceのチケットについて情報を拾い続けていますが、スライの時も同じように調べて応募したのに取れませんでしたから、本当にプラチナチケットだったわけです。

しかし、公演後の情報によれば、ブルーノートにははしたなくチケットを手に入れたであろう芸能人やミュージシャンが多数観に来ていたようで、少々憤慨しました。ただでさえブルーノートは席数が少ないのだから、そういうことやられちゃうと…という具合です。

その上、スライの出演時間でいえば、曲数はほぼ同じながらブルーノートよりも東京JAZZの方が長かったのだから、起きた出来事について名状し難いものがありました。今回のビヨンセでいえば、単独公演よりもサマーソニックの方が曲数が多いみたいなものです。そうなったらガッカリしますよね?

件の東京JAZZの映像がコチラ。アルバム『FRESH』から「If You Want Me To Stay」です。


随分と前置きが長くなりましたが、先日日本ではBOUNCE[]海外ニュース[]で、今日のスライ・ストーン[]が大変貧しく酷い生活を送っていることが伝えられました。

上の映像を見ると分かるのですが、スライは演奏中終始うつむきっ放しなのです。近年の他の映像でもいつもそうです。

ちなみに元気なスライの映像はコチラ。妹のローズとともに軽快なステップを披露しています!
アルバム『Dance To The Music』から「Dance To The Music」です。


なんでうつむくような状態なんだろうなっていうのが長らく疑問だったのです。人に聞けば、概ねドラッグのやり過ぎによる後遺症だろうとのことです。事実スライはかつて麻薬中毒だったことがありました。ただ、同時代に活躍したかつて麻薬中毒だったミュージシャンが、同じような状態かというとそうではありません。後遺症の度合いについて当然個人差はあるでしょう。それにしても今ひとつ後遺症説は納得がいくものではありませんでした。

今回のスライ窮乏のニュースは、長らくの疑問であったうつむきの理由を示唆する内容でした。

何故、現在のスライが落ちぶれてしまったかというと、記事にもありますが、彼は80年代にマネージャーと「楽曲の権利を譲渡する代わりに、一定額の給与とその他必要経費を支払われ続ける」という契約を結んだそうですが、その契約を履行されていないそうなのです。つまり、スライには何も残っていないということです。あまりにも貧しくて、そのマネージャーに対し訴訟も起こせないそうです。

なるほどなと思いました。結局、スライうつむきの原因は、実生活での窮乏をもたらした、理不尽な仕打ちにより打ちのめされた、精神的な痛手による影響だったのです。いわば自信喪失状態に近いと思います。そう考えると納得するわけです。(何故こういう得心にいたったかを自己分析したのですが、特に意識はしてなかったのですが、恐らくマズローの欲求五段階説に頼る部分があったとは思います)

スライが少しでもよりよい生活を取り戻せるよう願って止みません。そしてまた日本にやって来てほしいです。

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