舞台『ライ王のテラス』2016.3.13 | ポップン村のやすデスさん
舞台『ライ王のテラス』
2016年3月13日(日) 12:30~
@赤坂ACTシアター
満足度:★★★★


作:三島由紀夫 演出:宮本亜門
CAST:
ジャヤ・ヴァルマン七世/鈴木亮平
第二王妃/倉科カナ  
第一王妃/中村 中
石工のちに若棟梁/吉沢亮
村娘/大野いと
芋洗坂係長
澤田育子
市川勇
市川しんぺー
長江英和
赤星満
宰相/神保悟志
王太后/鳳 蘭
CAMBODIAN CASTの皆さん


三島由紀夫、最後の戯曲
王の精神と肉体との対比
それは三島由紀夫氏自身を写し出すかのよう

公式サイトから抜粋
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カンボジア最強の王として現代にも語り継がれる、
ジャヤ・ヴァルマン七世
今もなお圧倒的な存在感を誇るバイヨン寺院を建設し、
栄華を極めた偉大な王が夢と希望を託し
「ライ王のテラス」を造営していく雄大なロマンを
アンコール王朝の衰亡を背景に描いた壮大な物語
王の肉体が病魔に侵され崩れさるにしたがい、
威容な観世音菩薩が完成していく様を、
王の精神と肉体の対比で華麗に描く
三島由紀夫がアンコール・トムに創作の着想を得て、
史実にフィクションを加え
「この小説こそ私のバイヨンだ」
と言い残した渾身の一作
カンボジアの伝統舞踊・音楽を継承する方々を招き、
共同制作する国際プロジェクト!
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この日曜日は舞台『ライ王のテラス』を観てきました。
「癩王のテラス」の初演は1969年帝国劇場にて、
若き北大路欣也さんが演じられました。
”癩”とはいわゆるライ病(ハンセン病)のことですが、
王がライ病に冒されているという設定はフィクションであり、
三島氏自身が残しているように、
王の悲劇は癩者の悲劇ではなく、
病に冒されながらも
バイヨン寺院をなんとしてでも建立する
という「絶対病」に犯された王の精神を
完全に体現したものです。

赤坂ACTシアターでの公演は
3月17日まで残っていますので、
あまり書くとネタバレになりますので
ここからは軽めの所感程度に(^^;)


カーテンコールでの拍手と
スタンディングオベーションが
全てを物語っていたかと(ToT)/~~~

1幕あたりでは、
舞台観劇経験のない方や
三島由紀夫作品を知らない方には
少々とっつき難い印象も
お持ちになられたかも知れませんが、
至る所に三島由紀夫作品らしさを覗かせ、
ラスト手前辺りからはこれぞ三島由紀夫
と言う持って行き方で、
宮本亜門さんの手腕もあると思いますが
私としては最初から最後まで、
舞台上から目を離すことの出来ない
作品でした!

なんと言っても鈴木亮平の
肉体美、熱のこもった演技は圧巻(^^;)
カンボジア最強と言われる若き王
ヴァルマン七世の肉体美の体現だけでなく、
病に冒され衰えていく王のさまと
精神との対比を見事に演じ切っていました。
膨大な量のセリフも全くかむこともありませんでした。
出演者皆さんセリフが聴き取り易かったのですが、
女性陣では第一王妃役の中村中さんがかなり目立ちます。
マイク要らないんじゃないか?
と言えるくらい、
声がとおります(^^;)
私は第二王妃役の倉科カナさんが好きなのですが、
ラスト手前での王と2人でのシーンでは
作者も役どころも違いますが
昨年観た「タンゴ・冬の終わりに」を
思い出させる演技でした。
欲を言えば、若棟梁となる吉沢亮君や
相手役の大野いとさん、
老棟梁の市川勇さん達の話を
もう少し付け加えても良いかなと思いました。
特に大野いとさんは初舞台とは言え、
出番が少なかったのでもう少し観てみたかったかな(^^;)

主要キャストの皆さんだけでなく、
宮本亜門氏が現地にてオーディションされてきた
パフォーマーの皆さんの
アプサラや猿の踊り、影絵芝居なども素晴らしく、
今回の舞台の見どころの一つとなっています(^^)









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