鳥海山の中腹に「胴腹滝」がある。滝は溶岩から流れ出る湧水で、社を挟んで湧き出し口が二つある。左側はコーヒー党に、右側は日本茶党に好まれているようだ。

胴腹滝の水が銘水なのは、山ら溶け出たミネラル(カルシュウム、マグネシュウムなど)を適度に含んでいるからである。ヨーロッパの大地は石灰岩のため、ミネラルを多量に含んだ硬水である。そのため、水道水は飲用に適さず、コーヒーにして苦みを消して飲んでいる。これに対して日本の山は若いため岩石の風化が進まず、地下を流れる距離も短いため、ミネラルの少ない軟水である。お茶や日本料理には、胴原滝のような軟水が適していると言われている。 

写真は牛渡川だが、川の水は透き通る湧き水で、バイカモの5弁の水中花が見られるある。流量は毎分24トンと言われ、水温は一年中11℃前後で夏は冷たく冬は暖かく感じる。牛渡川の流れは、今から約200年前の地震(1804年、象潟の海底が隆起した)からである。