以前、どこかのブログでも書いたのですが、
ケラチントリートメントの類いは、2010年頃から海外で出ていました。
最初は「ブラジリアン・トリートメント」という名前で、アフロヘアーも真っ直ぐになるという宣伝で、僕の知り合いのジンバブエ人の美容室でも使っていました。
早い話が、めっちゃ強力な縮毛矯正剤です。
ただ、内容成分の問題から一気に消え去りました💦
名前が「トリートメント」なので、イメージが良くて売り込み安いのですが、色々な問題が起きて僕は手を出していませんでした。
そもそも、毛髪科学を勉強していれば、髪の形状が変わるってことは、還元剤（パーマ液成分）が入っていないと不可能なので、トリートメントだけで天然のクセ毛が直毛になることはあり得ません。
断言します。還元剤が入っていないと、髪の形状は変わりません！
英語が得意な人はこちらの記事を…（苦手な人はGoogle翻訳などで）
https://www.glamour.com/story/fda-keratin-treatment-lawsuit
この記事は、3ヶ月おきにケラチントリートメントを1年以上続けた結果、髪は驚くほどに傷んでゴワゴワに縮れていったと。
1番の問題は、アイロン操作をしている時に、その蒸気に有害物質（発がん性物質）が一緒に出るので、がんや目の疾患のリスクも考えられるそうです。
目は赤くなり数日は収まらない症状が出ると報告されています。
このケラチントリートメントの中の「ホルムアルデヒド」が発がんリスクがあると指摘され、一時出回らなくなったのですが、
メーカーはその代わりにチレングリコールを使用して「ホルムアルデヒドは入っていません」と宣伝するようになりました。
しかし、この次のサイトに載っている専門家は「メチレングリコールと水が一緒になれば、ホルムアルデヒドになるので、意味が無い」と言っています。
アメリカの食品医薬品局（FDA）からも訴えられているようですね💦
問題なのはメーカーが正しい成分を公開していないことだと専門家が指摘しています。
以下、リンクです。
http://www.ewg.org/hair-straighteners/our-report/hair-straighteners-that-hide-formaldehyde/
ここには、ホルムアルデヒドの含有量をメーカー別に表示しています。
ブラジリアン・ブローアウトが1番多いですね。。。
お客さんでも、目の治療を受けている人は施術中に目の痛みを訴える方もいるようですから、本当に気をつけた方が良いです。
それで、日本で使用している薬剤は問題ないのか？という事になりますが、それは日本の製品を上記の研究機関に持って行くしかないので、そこまでは解りませんが、使わないに越したことはないと思います。
使ってみて、蒸気が目にしみるようでしたら、即刻使用中止にするべきですね。
ただ、日本で出回っている薬剤で、信用できないのが「還元剤フリー」とうたっているのに、
グリオキシル酸が成分表の1番上に入ってます。
［某メーカーのケラチン・シルク・トリートメント（日本製）］
グリオキシル酸は、メッキなどを剥がす際の還元剤なので、「還元剤フリー」は正しくないと思います。
ケラチン（たんぱく質）だけで髪の形が変わるわけがないのは最初から解っていますので、お客さんから聞かれた時に、きちんと説明できるようにしておきましょう。
なので、やればやるほど、髪の状態が良くなるというのは間違いですね💦
解ったことは
- グリオキシル酸で髪を還元している。
- 2剤があるので、アイロン操作後に酸化させている
- 〇クアなんとかってメーカーの薬剤はphが11という強アルカリを使用している（縮毛矯正剤は8〜9.5）
- 仮に酸性と謳っているものがあれば、髪は膨張しないので、還元剤の効き目が悪くなり、水分による水膨張をさせないといけない。
- アイロンの熱でキューティクルを溶かして「キューティクルの癒着」で艶を出すという荒技のものもある
やればやるほど髪の状態が良くなるは言い過ぎ！
髪の形を変えるほどの強い薬剤は、必ず髪のタンパク質流出につながります。グリオキシル酸を使用しているのを忘れてはいけません。
薬剤によるタンパク質の流失に気がつかないほど、たくさんのタンパク質（ケラチン）で補っているので、その時はサラサラのツヤツヤですが、見えない髪の深部で、本来の髪の毛にある御自身のタンパク質を壊しています。
結論
髪の形を変えるにあたって、還元剤無しでは不可能って事です。（基本中の基本ww）
トリートメントと還元剤を切り離して考えなくてはいけません。還元剤フリーではなく、還元剤を使用しているという認識を持つ
- 過去に遡ったお客さんの髪の履歴
- 髪のダメージレベル
- 薬剤の強さと性質
この三つをキチンと計算して使用すれば、失敗は回避できるでしょう。