入り口の「どぜう」と書かれた暖簾と赤提灯が江戸情緒と風格を煽りたてる泥鰌(どじょう)料理の長い歴史を持つ老舗店。

桝酒と泥鰌さき鍋を一枚注文すると、すぐに桝酒に盛り塩が届く。
初めにひとくち舐めるように楽しみ次は桝の角に塩を置き舐めてからもうひとくち呑む 。
体に良くないとされることだが、これがまた旨いッ…

下焚きされた「泥鰌」が鉄鍋に敷き詰められて登場。
刻み葱をたっぷりのせ炭火の上で小まめに割り下を差しながら煮込み、味噌と醤油が絡んだ煮汁が炭火に溢れて芳ばしい香りが漂い出したらちょうど食べ頃。
 味は甘じょっぱく、そん所そこいらの泥鰌鍋とは一線を隔した味付 。
それが食べ慣れない人すら虜にする 人気の秘訣だ。
 泥鰌を食べ進め、鍋が空いたら刻み葱を入れて、鍋汁を足し突くのだが 、この甘辛い味と葱のからい風味が入り混じりなんともおいしい肴になる。
さらに、鯰(なまず)鍋もいただいた。

200余年も変わらずに、江戸庶民の嗜好を現在に伝え続ける逸品。
浅草ならではの風情を感じながら、良い時間を友と過ごした。

駒形に友と囲みし「どぜう鍋」2023.12.2