合併の場合、対価を自己株式として、自己株式処分差益が生じる場合は、資本金を増加させることが可能。少し疑義に思うところです。

 

 なぜなら、募集株式の発行中、自己株式の交付を伴う場合、自己株に差損が生じる場合は、自己株式処分差損を控除した額を資本金等増加限度額とします。

 

 その他資本剰余金をマイナスにしてまで資本金を増加させることは妥当ではないということです。更に自己株式処分差益が生じた場合は、その他資本剰余金に計上して資本金増加額に加算しません。(計算規則14条)

 

増資時には自己株分の資本金が増えないという理解が固定観念にあるため、合併時に自己株式処分差益が出る場合、資本金を増加させることができることに戸惑います。

 

尚、会社計算規則36条の合併時に自己株を対価とする場合は、消滅会社のその他資本剰余金から対価自己株分帳簿価額を控除することになるので、自己株式処分差益を資本金に増加できる場合とは会社計算規則35条の場合に該当するものと思われます。

 

基本的なことですが、増資時資本金等増加限度額の2分の1以上を必ず資本金に計上するというのが、合併時には自由に振り分けることができるということも、大きな相違点です。