ダイエットとかでもそうだが、体重を減らしたいと思っても、ある程度のところまで行くとそれ以上はそう簡単に減らなくなる。
一気に、ひと月の間に3kgくらい体重を落としたとして、あんまり急激過ぎるとリバウンドするのがオチだ。
それよりかは生活習慣を見直して、1日平均10gとか20g平均で体重が減るようにするような減量の仕方が結局最後に勝つ。
1日10gであったとしても365日続けると3.65kg体重を落とせる理屈で、結局この方がリバウンドもしない。
ただ毎日微量の減量というのは、成果がほとんど目に見えない。
1ヶ月では300gくらいしか減らない計算で、それくらいだと毎日の体重変化の振幅の誤差の中では、体重がどうなっているかよく分からないだろう。
そういうことで毎日微量のダイエットというのは、実際にはなかなか難しいのだと思う。
ダイエットの話とは少し違うかもしれないが、人間の成長みたいなことを考えた時に毎日微量ずつ前進するようなやり方は、案外本質のような気もする。
マラソンの練習とかでも、毎日たくさん走らなくてもちょっとずつでも練習を積み重ねていると、ある日突然けっこう走ることができるようになる瞬間が訪れたりする。
そういう、思いがけずある閾値を達成した瞬間が来ると、やってて良かったなと思うのかもしれない。
だいたい難しいことを成し遂げようと思ったら、ひと月で5kg体重を落とすとか3ヶ月でサバンナのインパラのように足が速くなるとか、そういう一気呵成のやり方は失敗する。
そういう気がする。
自分にとって難しいことをどうにかやろうと思ったら、とりあえず3mmずつでもことを前に推し進めること。
進んでいるのかどうかあまりに微量なのでよく見えない、それで途中で挫けそうになるが、それでも脳みそをフル回転して3mmでもたとえ0.1mmでも前に進むことをやる。
その粘り腰を積み重ねていると、ある日突然視界が開けてそれなりの地点まで進んでいることが分かる、かもしれない。
天才ではない凡人が難しいことをやろうと思ったらそういう心持ちでがんばるしかない。
しかしまあ毎日3mmずつでも前進するような粘り腰は実際には難しい。
それがなかなか続かないから凡人は凡人で居続けるのかもしれない、とも思ったりもした。