ドル円相場が153円になった。

少し前まで151円台でずっと安定していたのが、2円ほど円安が進んだ。

財務省は行き過ぎた円安に対して介入も辞さず、の構えを見せているが、まだ介入した様子はないようだ。


財務省が介入する時は、日本が持っているドルを売って円を買うことになる。

円高を防ぐための「円売り」介入では、まあ理屈上、日本政府は円をいくらでも増発できるので話は簡単だ。

しかし円安を円高方向に戻すための「円買い」介入は政府が手持ちのドルを売って円を買う。

現在日本政府が持っているドル準備は1兆2917億ドル(今年1月現在)らしい。

日本円で換算すると153円を掛けて198兆円くらい。


無論のことながら、本来ドル準備は円買い介入のためのお金ではない。

いざという時のために貯金しているお金だ。

何か問題が起きてドルの流入が途絶えた時に、しばらくの間ドル準備を取り崩して輸入したりドル建て借金の返済を行なったりする。

そういうものであるらしい。


だから円買い介入は無制限には行えない。

また最近は日本国内の1千兆円規模の個人金融資産が、将来のもう一段の円安に備えて円をドルに換える動きも増えている。

1千兆円の中の数パーセントがドルを買う方に流れると、数十兆円かそこらの円買い介入は焼石に水だろう。

ということで財務省の「円買い介入の構え」はあくまでポーズであって、根本的な円安要因をどうにかしない限り円安は止まらないのだろう。


ところで。

街を歩くと岡山のような田舎にも海外からの観光客の姿が目につく。

コロナ禍以降の特徴として、アジア系よりヨーロッパ、アメリカからのお客さんとおぼしき人々が目立つ。

彼らは日本でお寿司やラーメンを食べるために、手持ちのユーロやドルを売って円に換えるのだろう。


海外からの観光客にとって、日本のラーメンはパリやニューヨークで食べるのよりかなり安く感じるだろう。

たとえ日本のラーメンが1500円でも安いと思うに違いない。

これから海外観光客が増えることは日本にとっては円高要因の一つで、個人的には望ましいことだと思う。


ただしかし、海外観光客がどんどん増えると、需要と供給のメカニズムにより日本のラーメンが1800円とか2000円になるかもしれない。

ヨーロッパ人やアメリカ人は、それでも安いと思って喜んで食べるのかもしれない。


ただそうなるとインフレが進んで、実質賃金がそう大して伸びない日本人にとってはラーメン屋が高級レストランになることになる。

そうならないためには海外観光客以外に、国内経済が何かで活性化することによる、内的な円高要因がないとそのうちわたしもMドナルドにもいけなくなるかもしれない。

とか思ったりした。



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