今読んでいるKindleは「星を継ぐもの」。
アメリカの、ジェイムズ・P・ホーガンというSF作家のデビュー作らしい。
1977年に出た小説。
中学生の頃SF小説をいくつか読んだが、わたしが読んだのはだいたいハヤカワ文庫だった。
これは創元SF文庫で、昔わたしが本を買っていた本屋のいつもの本棚と、少し位置がずれていたのかもしれない。
まあまあ売れているSF小説らしいとは思っていたが、読まずに今日まで生きてきた。
この最近SF小説がわたしの中でマイブームになっていて、昔読みそびれた作品もこの世を去る前に読んでおこうと思ってKindle版を買った。
この小説は、地球外の知的生命のお話のようである。
その知的生命は、姿形もDNA的にも人間にそっくり、ということのようである。
そこにはパン・スペルミア仮説、つまりDNAの素は地球の外の宇宙のどこかで生まれて、彗星に乗って地球にやってきた、みたいな科学仮説が下敷きとしてある。
パン・スペルミア仮説以前は、生命の起源は古代地球の海にカミナリが落ちて、その電圧の作用でタンパク質が変異してどうのこうの、みたいな話だった。
しかし何十年か前にDNAの素は宇宙の深奥で生まれて流れ流れて地球に降ってきたのだ、というパン・スペルミア仮説が出てきた。
そしてそれ以来、宇宙人ものSF小説はパン・スペルミア仮説に乗っかって、昔の宇宙戦争的なやつからかなり趣が変わったものと思われる。
そういえば、昔観た「宇宙戦艦ヤマト」でもヤマトの乗組員が初めてガミラス星人を見て「地球人にそっくりだ!」と驚く場面があったような気がする。
そういうセリフを入れるところとか、たぶん「宇宙戦艦ヤマト」も当時のSF小説の流行に影響された部分があったのかもしれない。
とりあえず「星を継ぐもの」はまだ52%しか読んでいないので、これからどういう結末に向かうのかよく分からない。
最近のよくこなれた翻訳の外国小説はとても読みやすいが、昔の翻訳は少し辛いところがないでもない。
翻訳以外でも、小説の中の登場人物が会議の場でも研究室の中でも、ところかまわずタバコや葉巻をスパスパ吸うのがとても気になる。
その辺は1970年代の空気そのまま。
小説の舞台は2028年ということになっているが、登場人物が70年代並みに煙をスパスパするたびに物語への没入感が薄れるが、そこに慣れればスムーズに読めるに違いない。
とか思ったりした。