この間の日曜日までやっていた競泳のパリオリンピック選考会だが、派遣標準記録が厳しすぎる件が話題になっている。

わたしも個人的には、種目によっては少し厳し過ぎるのではないかとかねがね感じていた。

しかしこの間、吉本興業所属のお笑い芸人で現在でも4フリを4分切る泳力を持つ北山水泳がその件についてYouTubeで解説していたのである。


かつて、北島康介が何も言えなくなるくらいオリンピックで金メダルを獲りまくったり、躍進著しかった日本水泳界。

しかしこの数年は萩野・瀬戸コンビの(及び女子の大橋悠衣)の個人メドレーが世界の頂点をきわめて以降、有力選手が払底してしまったようにも見える。

瀬戸と大橋は今回もギリギリ派遣標準記録を突破しはしたが、やや峠を過ぎてしまった感もある。


それで、数年前までの日本水泳界は競技力が世界レベルだったためにスポーツ庁的な支援のランクが最上位の「Sランク」だったが、その後の低迷でひとつ下の「Aランク」に格下げになっているらしい。

そのために水連への強化の補助金額も以前より減っており、国際オリンピック委員会から貰える派遣枠いっぱいの人数は難しいのだという。

なるほどと思った。


今後8月のオリンピック本番まで、派遣選手を連れて海外合宿に行ったり選手の人数に合わせてそれなりにコーチ陣にも人件費が要ったり、何かとお金が掛かるのである。

世界レベルからやや競技力が下がって補助金額も減った現在の日本水泳界としては、限られた予算の中で少数精鋭で戦わざるを得ないということなのだ。


わたしが学生で競泳をやっていた1980年代後半くらいは、日本の水泳は極悪の低迷期でオリンピックで決勝まで進む選手の方が稀だった。

そういう低迷時代に、潜水バサロ延長の大博打で金メダルをかっサラッたのが現水連会長の鈴木大地なわけだが、厳しい派遣記録は鈴木会長のわがままというわけでもなかったらしい。

歴史を辿ると日本の水泳界は、1990年代まで続いた低迷期から2000年代初め頃にかけて派遣標準記録を厳しくして少数精鋭にして、そこからだんだん盛り返してきた。

現在の状況は歴史循環的な、かつての状況の再来のようにも見えるわけである。


今問題となっている(とわたしが思っている)のは瀬戸が派遣標準を切れなかった4個メに出してもらえるかどうかだが、派遣選手を増やすのでなくオリンピックの出場種目だけが増えるのなら派遣予算は関係ないので、たぶん本番では瀬戸は4個メにもエントリーしてもらえそうな気がする。

ただし一種目でも内定の出なかった僅差の選考会2位選手、2個メで0.01秒達せずの小方颯や、2ブレの渡部香生子ちゃんなどは、たぶん連れて行ってもらえない。

その辺はまあ、お金が無いので仕方ないのかもしれない。

とか思ったりした。

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