昨日の夕方家に帰ったら、将棋タイトル戦の王将戦が終わっていた。
王将戦は7番勝負だから先に4勝したほうがタイトルを獲る。
昨日の一戦は7番のうちの第4局。
ディフェンディングチャンピオンの藤井聡太21歳はここまで既に3勝して文字通りタイトルに王手を掛けている。
挑戦者は岡山出身の振り飛車党・菅井竜也八段31歳。
かつて某・橋本八段(当時)と対戦していて、駒を飛び越えて角を動かして反則負けを喫した人である。
菅井さんは最近ちょいちょいタイトル戦番勝負に出てくる。
相手はいずれも藤井聡太。
普通ならどれかひとつくらいタイトルが獲れていてもよかったのかもしれないが、相手が悪くて鎧袖一触で切られて散った。
ここ何年か菅井竜也の勝率はコンスタントに6割〜7割くらいだったが直近10戦は2勝8敗と負けが込んでいる。
うち藤井聡太に負かされたのが3つ。
菅井さんに限らず、藤井八冠の存在は多くのトップ棋士の運命を翻弄しているようである。
昨日2月8日の王将戦第4局2日目も、なんというかけっこうあっさり勝負があったっぽい。
勝負の内容をYouTube解説で観てないから内容はよく知らないのであるが。
しかし対局終了直後の大盤解説会に両対局者が登場してひと言ふた言コメントした動画は観た。
最初に、勝った藤井聡太に司会者が話を振って、彼は第4局のポイントを具体的に指し手を挙げながら説明したが難しすぎてわたしには全く分からない。
続いて菅井にマイクが渡る。
あまり多くを語らず、明日からまたがんばるしかないですね、と言っていた。
その後蛇足だと感じたが、ファンの方にひと言とまたマイクが両者に戻ってきた。
藤井はいつもの通り丁寧かつ真面目にそのひと言を語る。
2回目マイクが回ってきた菅井は、もう話すことはないですけどね、と言って、もう一回明日からがんばって生きるしかないんで、と繰り返す。
1回目は「がんばるしかない」と言ったが、2回目では「がんばって生きるしかない」と「生きる」を追加した。
会場が少し盛り上がってインタビュー終わり。
人生というのはだいたい思っている通りにいかない。
たいてい、悪い方向に運命はズレる。
菅井竜也のひと言はそれを観ていたみんなの人生に響いたはずだ。
しかし藤井聡太の人生も、彼的には上手くいっているのか、なかなか上手くいってないのか。
彼はいつも反省の弁しか言わない。
まるで人生が上手くいってない人の言い草だ。
あるいはこの結果をもってしても藤井聡太的には上手くいってないということで、その辺が彼の運命が異次元的であることの証左かもしれない、と思ったりした。