来年の4月からライドシェアが解禁されるらしい。
とはいうものの、日本におけるライドシェア解禁はタクシー会社が運営を行うものになるという。
わたしはタクシーには乗らない。
昔は、荷物を抱えて新幹線に乗る時とか少しだけ使っていたこともあった。
でも今は乗らない。
だから個人的にはこれが始まろうと、どうしようと、あんまり関係はない。
それで関心もなかったのだが、エックスとかでもけっこう話題として流れているので少しだけ論点を考えてみた。
結論的に言うと、おそらくライドシェアが本格的に始まるとタクシー会社の経営が悪化する。
いくらか倒産も増えるのだろう。
実際にアメリカとかではライドシェアで運賃が下がってそれが影響して倒産するところも出ているらしい。
ライドシェアはこれまでの「IT」の各産業にもたらす影響と同じく、その本質は中抜きだと思う。
これまでタクシー会社がやっていた配車管理とかを一挙にコストダウンする話なのだと思う。
タクシー会社は配車管理を何千万円、何億円も掛けてシステムを導入して、タクシー車両にも無線とかGPS的なハードウエアを装備して運行管理を行なっている。
そういう投資を、Uberとかの仕組みは格安で代替する。
本当はUber的な仕組みがあればタクシー会社による管理業務はもはや必要ない。
だからライドシェアはタクシー不足への課題解決とか外国人観光客の増加への対応とかいうよりも、伝統的タクシー業界をぶっ壊す話なのである、というのが真ん中の話であると思う。
これはひとつの技術革新であって基本的には不可逆なのだ。
だからいろいろ抵抗はあってもいつか日本でもタクシー会社を潰すタイプの「本当のライドシェア」がいずれ始まる。
ただし例によって、本当のライドシェア解禁はもう少し先のことになる。
その頃には日本は、移動の利便性において諸外国より不便なため、いくらか機会損失を被っている。
というか今すでに被っている。
ライドシェア解禁問題は、今ある古い産業を守るために新しい効率的な仕組みの導入が遅れ、いつものように日本が諸外国に遅れをとる話で、それはそれほど珍しいことでもないと思ったりしたのでした。