先日、読み終えました。
トレードやFA、引退で阪神を去った選手達のことが書かれている
ノンフィクションの本です。
タイタイのことが書かれているというのが
この本を手にした大きな理由なのですが、
1人のプロ野球ファンとして
この本を読んだことはよかったと思っています。
以下はネタバレな部分もありますので
内容を全く知らずに本を読みたい方はご注意ください。
そして、かなりの長文になっております(^^ゞ
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タイタイが川鉄・千葉から、阪神を逆指名し、ドラフト1位で入団
即戦力として、期待されていた選手であることは
他球団ファンでしたが知っていました。
けれど、度重なる怪我等で辛く苦しい日々が続いたことは
タイタイがライオンズにトレードで移籍し
自身のブログで語るまでは、ほとんど知りませんでした。
そして、『猛虎遺伝子』を読んで、初めて知ったことも・・・
ルーキー時代、フォーム改造を命じられ、
古傷の右ひじに痛みが出ても痛いと言えなかったこと。
痛みの影響で思うようなピッチングが出来ず
それを”期待外れ”など、数ヶ月前の賛辞を手のひらを返したように
辛辣な言葉を新聞等でマスコミに並べられたこと。
右ひじの内側側副靭帯損傷の為の肘の手術
「僕にとってひじは心臓といっしょなんです。なくなったら、生きてはいけないもの。
それを治すのなら、日本一よりも世界一の医者に手術してもらいたかった」
全額自費でも構わないからと
球団の薦める国内の病院ではなく、アメリカでの手術を希望したタイタイ。
手術は無事に成功し、苦しいリハビリの日々。
リハビリを乗り越えて、再び、ピッチングが出来るようになった時
まだ痛みがあるのに無理をしてしまったこと。
自分のわがままを聞き、サポートをしてくれた球団に
申し訳ない気持ちと期待に答えたいが為に・・・
鎮痛剤を飲み、痛み止めの注射を打ち
肘に水がたまったら、抜いてもらう。
自分の居場所がなくなってしまうのが1番の恐怖で、痛くても痛いと言えなかった。
たとえ、ひじが曲がらなくなっても、箸が持てなくても
ボールが投げられれば投げたい。
その後はオープン戦で好投しても、開幕は2軍であったり
1軍へ昇格しても、ちょっと打たれれば、すぐに2軍へ降格。
阪神では頑張っても頑張っても、1軍から声がかからない苦しさを感じはじめる。
トレードの話がきたら、どの球団でも喜んで行こう
自分を見ているすべての人にアピールしようという気持ちの芽生え。
2009年 2軍で開幕からクローザーを務め、防御率は1点台
そして、7月12日にライオンズへのトレードが発表される
この時に今季限りで引退をした矢野さんから言われた言葉
タイタイがいまでも忘れられないという言葉
「西武でいままで以上に頑張るのは当たり前だけど
特に最初の試合だけは全力で投げろ。
それで結果を得られたら、お前の人生、絶対に変わるから」
タイタイの西武に移籍してからの最初の登板は
2009年7月22日のオリックス戦
8回1点ビハインドの場面に2番手投手として登板
打者3人に対して、無安打、9球で抑える
ベンチに戻ってからは、極度の安心感で、体中の力が一気に抜け
全身が溶けそうな感じだった。
今年7月1日のハム戦での、高橋信二選手への危険球についても
書かれていました。
あの日はブルペンで投げているときから、おかしく
投手コーチにも「今日はちょっとおかしい」と言っていたそうです。
私も、あの日のタイタイは、投球練習の時から
いつもと違う感じがしていたので、大丈夫かな?と思っていたら・・・
信二選手のことももちろん心配でしたが
タイタイのブログで心無い中傷をする人もあり
危険球のことから、内角に投げられなくなっていたタイタイが心配でした。
8月上旬に2軍へ降格になり、再び、1軍へ戻ってきたのは8月下旬
ライオンズの連敗が続き、チームが1番、苦しんでいる時期でした。
そこには降格する前と違う、自身のピッチングを取り戻したタイタイの姿がありました。
最後まで読み終わって・・・
阪神時代の今まで、知らなかったタイタイのこと。
ライオンズへ移籍してきてからのタイタイのこと。
色んな思いでいっぱいになり、涙があふれてきました。
そして、藤田太陽という1人の野球人を
もっともっと応援したい気持ちになりました。
タイタイ、ライオンズに来てくれて、本当にありがとう。
来年はてっぺんに立って
最後に皆で、絶対に笑いたいな。
歓喜の輪の中に笑顔でいるタイタイが見たいです。
『猛虎遺伝子』
この本に書かれている6人の選手のファンやタイガースのファンでない方にも
プロ野球が好きな人には、ぜひ、読んでもらいたい1冊です。