心屋流カウンセラーの
瞳子です。










今から15年前
ブルー◯ート東京という
ジャズの生演奏を聴けるレストランで
働いていました。


豪華客船でのハードな仕事に別れを告げ
失業手当てをもらいながら
次は何をしようかな、と
東京でのプー太郎期間も半年が経った頃
求人誌で見かけたスタッフ募集の記事に
「これだ〜〜!!」と飛びつきました。
憧れのお店だったから。


意気揚々と面接に行くと
三次面接まであり(!)
最終審査は営業時間内に実際に制服を着て
トレーでグラスを下げて回り
その立ち振る舞いを見る、という審査。


アルバイトなんですけど…(笑)




お店の雰囲気にマッチしてるか、
歩き方や所作を見てたようです。


なんとか合格したんですけど
働き出してからも先輩はとっても厳しい。


けどそんな先輩方も好きでした。
すごくこのお店を愛してるのが
伝わってきたから。


お客様用トイレなんて
開店前には床の大理石(?)を
顔が映るくらいに磨き
営業時間内は10分毎に水しぶきを拭きにいく
という徹底した衛生管理。



ある日私は営業中にマネージャーに呼ばれ
「そんな髪型で歩くな」と言われました。


私、毛量多いし不器用なもんですから
簡単なお団子頭にしてたんですよね。
しかも下の方で。(和風) 


それがこのお店に相応しくない
ということでマネージャーの目にとまり
優しくてお洒落な女性の先輩が
バックヤードで私の髪をお洒落に結ってくれました。


「お客様が店内を眺めたとき
君たちは絵画の一部みたいなものだ。
だから美しくいなさい。」


そんな風に言われて
「すげー!!カッコいいー!」と思った。


時給は東京にしては安かったけど
得るものはプライスレスでした。


なんといっても
国内外の一流アーティストの演奏を
働きながら聴けるわけでして
私にとってはお金まで貰えるの?
というくらいここで働けることが嬉しかった。


大好きなセルジオメンデスの公演のときは
休み無くシフトインさせてもらいました。
スタッフも踊りながら聴いてたものです。笑




けど半年くらい経った頃
どうしても島根に帰らなければならなくなり
突然辞めることになってしまいました。
そして島根のタリーズで就職。


けど私の中で
あの半年はとても心に残っています。
このお店で自分軸のおもてなし
というものを学んだ気がします。




前置きが長くなりましたけど
そのお店の姉妹店が丸の内にあり
夫の誕生日祝いを兼ねて行ってきました。


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生演奏が始まる1時間半前に入り
コース料理を食べたんです。
なんせお誕生日祝いなので奮発しました。


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姉妹店なので
私が知ってるスタッフはいない。


…と思ってたら1人だけいました。
しかも入場の際
席へのアテンドをしてくれたソムリエさん。


もちろんソムリエさんは
私のことなど覚えておられない。
だから私も何も言わずにいました。


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だけど私の中で
このソムリエさんは印象深い人なのです。


私が働いてた頃に
一度だけ偶然帰りが同じ電車になり
お話しながら帰ったことがありました。


ワインやお酒の勉強をしていた私は
電車でソムリエさんに質問しました。


「ワインの味の違いがよく分からないけど
分かるようになるコツってありますか?」


ワインって同じ産地でも
ぶどうの種類、畑や生産者、ヴィンテージと
いっぱいあり過ぎてとても覚えられないし
味の違いも全然分からなかった。


するとそのソムリエさんは言いました。


「それは水やお茶を飲むときと同じなんですよ。
水やお茶だって美味しく感じるものとそうでないものがあるでしょう?
そんな風に普段から自分が口にするものをちゃんと味わうようにしていたら、ワインだって自然と違いが分かるようになると思いますよ。」


それを聴いたとき
「なるほどーー!!」と思いました。


とってもステキな回答だなと思ったから
15年経った今でもよく覚えてて
夫にもいつか話したことがありました。


ワインが大好きな夫は
このソムリエさんに興味があり
この日も偶然近くにいたので
おすすめのワインを夫が尋ねました。


フルボトルを頼むと
ソムリエさんが度々注ぎに来てくれるかも
と夫に囁く私。


魚料理のときに夫がフルボトルを頼もうとしたら
「今からですか??」とソムリエさん。


とても飲みきれないのは夫も分かってたけど
なかなか来れないところだし
なんせ誕生日のお祝いですし
残ったらスタッフの方に差し上げてもいいし
スタッフの勉強のためにわざと残してくれるお客様もいる)


けどソムリエさんは
売り上げよりも私たちのことを
考えてくれたのでした(´;ω;`)


そして今回の料理に合うワインを
他のお客さんのオーダーで抜栓したばかりだから
それをグラスでお持ちしましょうか、
とおすすめしてくれました。


メニューにはないけど、お客様の要望で
フルボトルもグラスワインとして提供してるんですよね。(時と場合によると思うけど)


しかも今回は
一杯目のグラスワインは半分の量を注いでくれて
もう半分は違うワインを持ってきてくれました。


「こうしたら2種類楽しめますがいかがですか?」
と。


夫がワイン好きだと知り
いろんな味を試させてくれたのでした。


すごい!!!
これぞソムリエ!!
なんだかまたこの世界で働きたくなる!笑





今回のワインは両方カベルネ。
1つはカベルネ80%
もう1つはカベルネ100%(だったかな?)

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最初に飲んだ方は
2002年のものだったし
どっしりとしていて夫好みだなという印象。


「比べて飲んでみてください」と
持ってきてくれたもう一つのワインは
爽やかで甘くて飲みやすい。
こっちが私好みだな。


そう思ってたんだけど
お肉と一緒に飲むと
どう考えても重いワインの方が合う。


時間が経ってきたら
なんだか甘いワインの方は
単独で飲んでもなんとなくうるさい印象。


こんな私でも分かる2つの違い。


面白い!!!


夫もすごく楽しんでて
それが私も嬉しかったな〜!

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↑「偉そうな感じで」とポーズをリクエスト


 


そんなこんなで夫とワインを楽しんでいると
いよいよ演奏が始まりました。


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実は東京に行く前日に
ここに行こうと思いついたのですが
HPを見ていると
丁度スタンダードなジャズを演奏する方々だと知り
初心者の私たちにぴったりでした。




優くて甘いピアノの音。
時々強く激しくなるけれど
奥にある甘さは消えない。
そんな印象。





あ、私ジャズは全然詳しくないんですけどね。笑
詳しくあることより
「その瞬間感じるもの」を大切にしてます。



もしジャズやワインにご興味があれば
ぜひこちらに行ってみてくださいね。

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帰るときにソムリエさんがいたので
ワインのお礼を伝えて
名前を伺ったら名刺をくださって
そこで名前をようやく思い出しました。


このとき「実は…」と
以前一瞬だけ一緒に働いていたことを
お話すると驚いておられました。


電車でのエピソードを話すと
「僕はそんなこと言ってたんですか…」と
照れ笑い。


そして夫に
「お誕生日おめでとうございます」と
何度も言ってくださいました。




ほんとに嬉しい再会でした。


そうしてソムリエさんに見送られ
預けていたコートをクロークで受け取るとき
受付のお姉さんが夫を見て
「もしかして…」と話しかけてこられて
なんと夫の同郷の方でした!!笑


北海道のかなりレアな場所なのに
東京のど真ん中で出会うなんて!と
お土産をくれました♡


最後の最後にまたまた驚きの再会!!





帰り道で
「元カノじゃないよね?」と笑って聞くと
「そんなわけないだろ」と夫。


「数年前の瞳子なら違うと言っても
絶対疑ってただろうし、
やきもちやいて大変だっただろうな( ̄▽ ̄)」
と笑って言う夫。


ほんと私もそう思いました。笑
今は何とも思わないのがなんだか嬉しい。
たとえ元カノだとしても
今まで重ねてきた私たちの時間は
とても濃密で何ものにも代え難い宝物で
それが揺らぐことはあり得ないと思う。


むしろ彼の過去と私の過去があったから
今こうして夫婦の素晴らしい時間がある。
そう思います。

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そんなこんなの東京の夜でした。





旦那さま
誕生日おめでとう🎂


そして
ソムリエさん
素敵な夜をありがとう♡


いつか連れて行きたいと思ってた
この世界に夫を連れて行けて
とっても嬉しい♡


かつての自分がいた場所に
夫と共にいられる不思議は
なかなか感慨深いものでした。