Sさんはヤンキ-なのにぶりっ子で
怖がられてるのに、いじられキャラで
大人みたいな風貌なのに、妹キャラ…
なのに時々見せる切ない感じが、何とも人を惹きつける雰囲気美人だ。
この頃、たしかにまだ僕は恋してなかったけど、人としてはかなりの興味があった。
当時は、つかみどころのない変わった人だと思っていて、
先生の事はオマエ呼ばわりするし、ポケットにはいつも煙草が入ってるし、
授業中に卒業した先輩が迎えに来たりして、そのまま帰ってこなかったりもする・・・
何だかんだおっかねー人って思ってたんだけど、
実は正義感が強かったりもして。
僕は友達も居なくて、いつも教室にポツンと座って
他人に同情の目を向けられると間が持たない。
だから休み時間もあえて勉強したりする・・・そりゃ頭も良くなるわけだ。
そんな僕の存在を見兼ねたのか、Sさんは急に話しかけてくれる様になった。
他のみんなは見て見ぬ振りや、何の思いやりなのか
「可哀想だから誰か喋ってやって」と
惨めになるだけの余計な優しさをひけらかす。
僕は決して虐められていたわけではないけれど、
人と話すのが大の苦手で自分からは一切話しかける事が出来なかった。
その結果、全く喋らない子になっていた。
そんな中、Sさんは
「ねぇ先の授業のコレ分かんない、教えて」とか
「ノート見せて」とか「これ何処で買ったの?」とか
絶対、自分に聞かなくても良い様な事をたくさん話しかけてくる様になった。
僕もバカだから最初は「え、俺のこと好きなの?」とか
勘違いしてたんだけど、違うんだな、これが。
結果的に周りの男子とかも巻き込んで、僕に友達を見つけてくれた。
Tくん(僕)って実は面白いよねって、皆んなに振って。
でも僕に居場所が出来るようになるとSさんは自然と離れていって、
挨拶を交わす程度の仲に成り下がってしまった。
他にも女子のグループから1人集団無視されてる様な子に気付いて
「あーそーぼ」って1人で堂々と声を掛けに行く。
何で無視されてるの?とか聞かずに、ただ仲良くしてあげて・・・
Sさんはどうも、寂しそうな人がいると気になって落ち着かないようだ。
でも別にそういうのじゃねぇし・・・
みたいな
あまのじゃくな態度も可愛かったりして。
ヤンキーなのに正義感強いとか(←偏見スマン)
居そうで居ない漫画の主人公のような人がここに居るぞ!と
僕はよくSさんを観察しながら思った。
(観察キモイとか言うなよw)
僕はSさんに感謝している。
だってあの頃のSさんのおかげで友達になった奴らとは今でも仲良くやってるから。
孤独なだけの毎日から、普通の青春を謳歌する事が出来るまでに至ったのは
紛れもなくSさんのおかげだ。
なのに僕は「ありがとう」の一言も言えないまま今に至っている。