続き

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2度までも派手に物を落とす技を見せたくらいなので、その理由が気にかかる。

しかし、既に心当たりはあった。

父が他界する数年前から、我が家は相続問題で揺れに揺れ、

結局、実家に居候している妹とその子供（同居）が全部継ぐことになっていた。

家を残すことに拘る両親の執拗な嫌がらせのために、私の方から

「何もいらんから、もう何も言うてくるな」

と宣言したためだ。

それを両親は、親子の縁を切ると言われたと受け取ったようで、さらに逆恨みの攻撃を受けていたのだった。

なので、このアピールの理由としてまず思い浮かんだのは、

死んでもなお治まらない恨みによる嫌がらせ、だった。

ただ、ひとつ引っかかっていることもあった。

あの本が崩落した時、父の写真の他にもう一つ目に付いたものがあった。

それはまた必要時にと思って、積んだ本の間に挟んでいた相続の手引きみたいなチラシ。

落ちた本を片付ける際、そのチラシに書かれていた「遺留分」という文字が目に留まっていた。

その時はピンと来なかったけれど、後で調べてみて、故人の遺言等に関わらず、最低限保証される相続分のことだと知った。

まさか、遺留分をもらえということ？と一瞬思ったけれど、今更そんな話は面倒くさ過ぎるので、放置していた。

それから数週間程経ったころ、あれよあれよと話がころがり、

私は墓参りの盆担当（暑いので妹も孫も行きたがらない）ということになり、その見返りとして母から少しばかりお駄賃をもらった。

図らずも結果的にこれが遺留分代わりになった。

そして、初盆も近づいたころ、母から何度も念押しの電話があった。

「ほんまに行くんやろなー」

「行く言うたら、行くに決まっとるやろ」

いつもながら、子供のような会話。。それにしても、しつこい。

新たな現象が気になり始めたのは、そんな中だった。

続く

＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾

前置きのつもりが、長くなってしまったので、続きは次回にします。

個人的な内情は、さらっと済ませようと思ったのですが、

読者に父もいることを想定し、省略しないことにしました。

写真は父の遺作となった未完成の飛行機。

これをもらって帰るか迷ったけれど、あまりに生々しく念が籠っていそうだったので、

別の小さいのにしたのでした。

父からの知らせ（３）