こんにちは。さて昨日は、入門ゼミに所属していた2


年の時は、論文のだいたいの方向性をつかむため、指


導教官からすすめてもらった概説レベルの専門書を読


むところから始めた話をしました。





概説というと、専門書としては「入門書」ですが、実


際はそんなやさしいものではありませんでした。実際、


いざ読んでみると、自分が卒論のテーマにしようとし


ている分野の内容ですら難しく、読み進めるのには相


当時間がかかりました。それでも必死に読んだのは、


もちろん自分のためだからですが、入門ゼミでの自分


の番の時には、読んだ内容についての報告はもちろん、


卒論を書くにあたり、そこからどんなヒントをつかん


だのか、少なくとも現時点ではどういう内容について


どういう視点で書こうとしているのかを盛り込まなく


てはなりません。おそらく、そうしたプレッシャーが、


何とか乗り切る活力になったと思います。





とはいえ、3年になり、概説レベル以上の専門書を読


ようになると、さすがに「難しくて理解するのが大


変」というレベルはクリアできました。そうなると今


度は、同じ内容について、異なる説・異なる視点から


書かれた専門書を読み比べたのです。これは、最終的


に自分としてはどの説を支持した上で論文を展開する


のかを決めることが目的です。





例えば、今回の選挙の争点の1つになっているTPPへの


参加にしても、賛成・反対それぞれの主張があり、そ


れぞれにメリットとデメリットがあります。TPP参加


反対の立場で論文を書く場合を例にとると、まず賛成・


反対それぞれの立場に立っている学者の著書を読み比


べ、どちらの方が自分の意見に近いのかを確認します。


その結果、反対する方向で論文を書くと決めたら、な


ぜそうしたのかを、反対の立場の学者の書いた専門書


からの引用を交えて展開します。その上で、賛成の立


場の学者の書いた専門書には、賛成の理由がどのよう


に書かれ、反対の立場の学者や著書をどう批判し、


う反論しているのかを論じます。その上で、さに賛


成の立場から反論し、疑問を投げかけていくのです。





・・・なんて簡単に言いましたが、実は私も、これが


できるようになるまでにはかなり苦労したのです。