こんにちは。さて今まで、大げさとは思いながらも、


日本維新の会を選挙で勝たせ、その結果石原氏を首相


に選んだ場合に起こりうるリスクを取り上げ、一票を


投じることの責任と覚悟についての話をしてきました。





大げさだったかもしれませんが、中国が「石原首相誕


生」を宣戦布告とみなしてもおかしくありませんし、


本気で日本に攻めてこないまでも、尖閣に上陸する可


能性があり、それを石原氏が黙って見ているはずはあ


りません。「売られた喧嘩は買う」ことにもなりかね


せん。確かに人気があるかもしれませんが、彼の言


はそれくらい危険を秘めていることを十分承知した


で投票してほしいと思います。





昔の有権者は、彼の過激な言動に乗せられることなく、


たとえ立候補しても、都知事にも自民党総裁(つまり


首相)にも選ばないという、冷静な判断をしてきまし


た。実際、彼の乱暴かつ右翼的な言動は、暗黙の了解


で少数意見を代表しており、そこから拡散することが


ない前提で、静かに受け入れられていたのです。





ところが近年、不況がすっかり定着してくると、彼が


前面に押し出され、彼の言動を真に受ける有権者が増


えてきたのです。実際、日本維新の会だけでなく、ハ


ト派とタカ派、左右のバランスが取れていた自民党で


すら、今はタカ派一色で、先日まるで右翼政党のよう


な政策を出してきました。逆に言えば、民主党や社民


党などの政党との差別化はできたことになりますが、


維新にしても自民党にしても、今回の選挙では勝ちそ


うなだけに、正直かなり心配です。





ただ、不幸中の幸いは、自民党総裁が安倍氏だからこ


その右寄り政策ではあるものの、皮肉な言い方ですが、


安倍氏だからこそ、なんだかんだでそんな右寄り政策


はうまくいかないだろうと思えることです。





これだけの右寄り論者で、本人にしてみれば「やって


当たり前」のはずの靖国参拝を、首相になった当時は


できませんでした。確かにこの時は、小泉元総理の度


重なる参拝で、日中関係が冷え切っていたとはいえ、


本来の安倍氏なら、そんなことはおかまいなく、「参


拝して何が悪い」とばかりに堂々とできたはずです。


にもかかわらずできなかったのですから、今や当時以


上に冷え切っているのに、参拝なんてできるはずがな


いと思えるのです。