★登場人物

●安部新太(あべ・しんた)
北斗の拳の憧れるオタク。

●水卜朝里(みうら・あさり)
平成生まれの見習いリポーター。新太の要求により、仕方なくユリアに変身させられる。

ジャギもどき、ハートもどき、シンもどき。
炎天下の公園に男が仁王立ちしていた。

(新太)……【俺の名前は、安部新太。今日は、北斗の拳に憧れるオタクの祭典があるのでそこに行こうと思う……それにしても暑いな今日は】

朝里「今日は宜しくお願いします」
水卜朝里が颯爽と現れた。

(朝里)……【今日は、この男に1日密着して撮れ高を沢山取って東京に持ち帰らないとね】
新太「ああ宜しく!ところで君は、北斗の拳をコミックで読んだ事あるのかな?」

朝里「いえ……けど、ここに来るまでの間にスマホである程度読んでおきましたので大丈夫です」

新太「平成生まれの小娘に分かるかな?」

朝里「(ムッとして)それより、その場所ってどこなんですか?北斗だけに北杜市かな?」

新太「いや、甲府市……色々と事情があるんだよ。さあ〜そろそろ行くとするかな」

新太は歩き出した。
朝里「さあ〜今日は、この男性に1日密着して、北斗の拳の世界に足を踏み入れたいと思います」

二人は新太の車で甲府市へ向かった。


二人は甲府市にある芸術の森公園へ来た。ここに全国から北斗の拳好きが集まるようだ。

朝里「さて、ここ芸術の森公園にちょっと変わった人達が集まるみたいで楽しみですね」

新太「とりあえずユリアを探すかな?ユリアさえいれば、他はいらないんだな〜」

……すると、早速ひとりの男が近づいてきた。
そこにはジャギに扮した男がいた。

ジャギ「おい、そこのお前!俺の名前を言ってみろ!さあ〜言ってみなさい!」
新太「うるせー!ユリアだせー!」

新太は北斗百裂拳を放った……フリをした!
ジャギ「ぐわああああ!やられたフリー!」

朝里は引いている。

(朝里)……【うわあ……何この人達、キモっ!】

朝里「(気を取り直して)……なるほど、マニア同士だと特に会話無しで北斗の拳ごっこが出来るんですね……勉強になります」

新太「いいから……次行くぞ!」
次の刺客?が現れた!

ハート「そこの君!困った事があったら何でも言いなさい!君達は大事な労働力なんだから」
新太は蹴りを放った……フリをした。

新太「うるせー!ユリアを出せー!」
ハート「ぐわああああ、吐いたフリー!」

朝里は、どん引きしている。

朝里「あの……コレってなんですか?マニア同士集まってオフ会とかしないんですか?」

新太「オフ会?そんなものに興味は無い。ユリアのそっくりさんがいれば俺は満足だ!」

新太は不機嫌になって歩き出した。

そして、新太はベンチに座り込んだ。

新太「違うんだな〜……汗臭いオッサンじゃなくて、何で女子がいないんだよ!ユリアのコスプレをした女子を期待したのになあ〜」

(朝里)……【これじゃあ撮れ高が無いね。私が何とかしないと新太さんのテンションが……ね】

朝里「あの……新太さん、私がユリアのコスプレをするって言うのはどうでしょう?」

新太「え?いいね〜それ!」

朝里「ちょっと待ってて!支度してくる」

そう言うと、朝里は消えた。
新太はドキドキしながら待っていた。
そして10分が経過した。
そしてユリアっぽく変身した朝里が現れた。

朝里「新太さん、お待たせ!」

新太「ユ……ユリア!そっくりだな」

朝里「合コン用のウィッグなんだけどね」

新太「ユリア!あの台詞を言ってくれ!」

朝里「え?……台詞って何よ!」

新太は朝里に迫ってきた!

(朝里)……【何よ台詞って!もう分からないよ】

??「無様だなケンシロウ!」
シンっぽい男が現れた。

新太「お前は……シンか?」

シン「大人しくユリアを渡せ!」

新太「シン、お前の血の色は何色だ!」

新太とシンは戦闘モードに突入した。

朝里「これは撮れ高ありそうだね」
朝里はリポートを始めた。

朝里「さあ〜マニアの祭典もいよいよクライマックスに突入しました。ケンシロウとシンの戦いをご覧下さい。勝つのはどちらでしょうか?」

シン「ケン……その台詞、違う気が……」

新太「しまった!まあ〜いいか〜」
新太は、両手を合わせて構えた!
新太「くらえ!北斗剛掌波!」

シン「ぐわあああ!ひでぶ……みたいな?」

朝里「……はあ〜」
朝里は、ため息をついてウィッグを取った。

新太「これで邪魔者は、いなくなった」
新太「あの〜その〜俺とユリアは恋人同士の設定だからさ……その証拠にキッスでもしてさ……」

新太は、朝里に迫った。
朝里「調子に乗るんじゃないわよ!」
朝里は、新太にビンタした!

新太「……あべし!」

朝里「もう私、帰る!つまんなかったわ!」

新太「待ってくれよ……」
朝里は新太に背を向けて歩き出した。

(朝里)……【撮れ高はバッチリだし、新太のセクハラ発言とギャラを相殺出来て経費も無し。私って何て悪女なんでしょうか……まあ、いいわ】
 
……こうして、朝里はまた撮れ高を探して次のマニアを探す旅に出たのであった。

★マニアの祭典

◎監督 TRICK★STAR
◎演出 TRICK★STAR
◎脚本 TRICK★STAR
◎出演 TRICK★STAR
◎撮影 TRICK★STAR
◎編集 TRICK★STAR
◎衣装  TRICK★STAR
◎小道具 TRICK★STAR