続・男はつらいよ(シリーズ第2弾)を観ながら書いています。


前の記事でも少し書きましたが

山田洋次監督は

前作1作品のみで完結させようと

していたということです。

その証拠になるのか分かりませんが

前作で妹の桜(倍賞千恵子)が結婚して

既に子供も生まれたシーンまで描かれています。


その子供の顔を覗き込んで

「寅さんにそっくり」

と、おいちゃんやおばちゃん、

とらやの面々が笑っているシーンがあり

その一方、新たな旅路の空の下

啖呵売に生を出す寅さんの姿で

前作は終わっている。


何年ぶりかに故郷に帰ってきた

ヤクザな主人公が錦を飾るどころか

無様な失恋をし、またも

つらい渡世の旅ガラスに戻って行く。


確かに映画作品としては

一度完全に終わっている。



でも、

余りの反響を受け、

続け様に第2作が制作され

その後の大ヒットシリーズになっていく。



全作通してやってることは同じ、 


久しぶりに故郷に帰ってきた

ヤクザな主人公が錦を飾るどころか

無様な失恋をし、また旅に出て

つらい渡世の旅ガラスに戻って行く…


これの繰り返し!



パターンは決まっている。



結末は分かっているのに

また観たくなる。

男はつらいよは

そんな映画。




寅さんは

職業柄、口が上手い。

口が上手いというか

学は無いのに屁理屈がよく出てくる。

でも逆に、 

今で言う立派なエビデンスに

基づいた理論を展開するを人を

寅さんは大いに嫌う。

そんな理論を振りかざす人間に会おうもんなら、


ははぁん、あんた差し詰めインテリだな…


と反発する。


でもそうやって一度は反発しながらも

何故か誰よりもそのインテリ人間と

仲良くなってしまうのもまた寅さん。

それが寅さんの人間力の深さというところか。




個人的には寅さんのインチキ占い師も好き。


天に軌道がある限り…!


で始まるあの迷調子、

実は、現在のスピリチュアルリーダー

と呼ばれる人たちが言っている事と

大差がない。

そんな気がするのは私だけだろうか。


これから占い稼業を目指す人などは

是非、寅さんの

占星術口上を参考にしてみるのも

あながち遠回りにはならないのかも知れない。





今回の作品

一見救いのない出来事が中盤であり、

実際、観てる私もイヤーな気持ちを

引きずったまま物語は進んで行く。


でも実は、そのイヤな出来事が

伏線になっていて

最後にはやっぱりそうだよね〜

という大団円に繋がっていく。


観終わってほっこり気分になる一作なのであります。