「私は天才ではありません。
ただ、人より長く一つのことと付き合っていただけです」
(アルベルト・アインシュタイン)
DVD映像作品やアルバムでは、定番化しつつあったが、
「HEAVEN」のシングルは通常盤(BVCR-19739 税込1,050円)と、
ボーナスDVDが付属された初回生産限定盤(BVCR-19740~1 税込1,890円)の2タイプがあり、
ボーナスDVDには楽曲のヴィデオ・クリップと「Making of MUSIC VIDEO」が収録された。
また初回生産限定盤には、2009年の第1弾シングル「GALAXY」との連動となる抽選特典応募券が封入。
これは、2009年初頭に都内某所(赤坂BLITZであった)にて行なわれるという
無料ライヴへの招待が抽選で当たるという特典がついた。
ファンなら是が非でも参加したい貴重なライヴを体験するためにも、
「HEAVEN」は、恐らく初回生産限定盤が集中的に売れたに違いない。
そして、その戦略は見事に的中し、次のシングル盤「GALAXY」とともに、
オリコンチャートのトップテン入りを果たす事になる。
(「HEAVEN」最高位6位、「GALAXY」最高位5位)
これは、単に、セールス上の戦略というだけではなく、
熱心なファンの要望にも、同時に応えてしまう“win to win”のマーケティングの勝利と言えた。
ただでさえセールスが伸び悩むCD音源(それはMP3の台頭に伴う時代の潮流だ)のなかで、
特に伸び悩むロック・バンドのシングル盤のセールスの充実と、
同時に、特別ライヴを無料で開催し、その行為によって得た利益還元目的のライヴ・アクトは、
相互の利益に、整合性を伴う一流の知性を感じるマーケティングと言えよう。
相互に満足度の高い通貨の使い道である。
2008年のAppleとソニーの10月-12月期決算は音楽販売という点では対照的だった。
Appleがクリスマスの週を中心に過去最高の音楽販売を記録したのに対して、
Sony Music Entertainment (SME)はCD販売の下落と、
為替の悪影響から米ドルベースで売上が前年同期比22%減。
ソニーは景気減速も理由のひとつに挙げていたが、
iTunes Storeの業績を考えると消費者のCD離れが最大の理由だろう。
その原因がオンライン配信にあるかというと、オンライン配信なら何でも成功しているわけではない。
iPodやiPhoneがユーザーに新しいエンターテインメントを提案しているからこそ、
iTunes Storeは好調なのだ。
その点でソニーの決算発表では売上減以上に、
同四半期のヒットタイトルとして
AC/DC、ビヨンセ、ブリトニー・スピアーズなどの作品が挙げられていたのが気になった。
新鮮味がないというか、音楽的な話題性や刺激に欠ける。
これではCDが売れていないというのもうなずける。
CDの売上げが落ち込むと新しいアーティストを掘り出したり、
成長をサポートするシステムが機能しなくなるとレーベル側は主張しているが、
肥大化した音楽ビジネスから新しい才能は登場しているだろうか。
これはSMEだけではなく、4大レーベルのいずれにも共通する問題だ。
BUCK-TICKもこのまま契約を維持すれば、SMEの所属ということになる。
BUCK-TICKが所属するレコード・レーベルは、
株式会社BMG JAPAN(BMG JAPAN, INC.)である。
少し込み入った話になるので、興味のない方は読み飛ばしてもらって構わない。
1975年、米国RCAレコードと日本ビクター株式会社、
ならびにビクター音楽産業株式会社の合弁会社としてRVC(RCAビクター)株式会社として設立した。
日本ビクターレコード事業部(現・ビクターエンタテインメント)の
(かつて「S盤」と呼ばれた)RCAレーベル部門を継承した。
1987年、この前年、親会社RCAが経営危機に陥り、
子会社のRCAレコードがBertelsmann(BMG Music、西独)の傘下に入ったことで、
BMG Musicの日本法人であるBMGビクターに事業を譲渡してRVCは解散した。
1984年、東芝EMI株式会社からの100%出資により一制作部門が分離独立し、
同時に主要アーティストも株式会社ファンハウスに移籍。
後に東芝EMIが石坂敬一に社長を交代すると、同社から全株を取得して1988年4月に完全独立し、
東急グループの一角を成し、Bunkamura内にTOKYU FUN STUDIOを設立(現在は売却)した。
販売委託先をポリドール株式会社(現・ユニバーサルミュージック合同会社)に移管。
ポリドールに石坂が移ったのを機に、
1996年3月に旧BMGビクターの子会社となって販売委託先も移管し、後に同社に吸収合併。
また創立者である新田和長は、BMGファンハウス副社長を経て独立、ドリーミュージックを設立する。
1987年、BMG Musicと日本ビクター、
ならびにビクター音楽産業の合弁会社としてBMGビクター株式会社を設立となった。
RVCから各種資産を継承した。
1992年8月31日、株式会社BMG ROOMS設立。
これによりBMG内でのビーイング制作音源の発売がBMGルームス、
販売がBMGビクター(厳密にはビクター音楽産業が担当)になる。
尚、BMGルームスはその後Rooms RECORDSと社名変更し、
しばらくはBMGビクターとの販売委託契約を行ったが、1996年8月に解消した。
1996年10月、BMGビクター、日本ビクターならびにビクターエンタテインメントとの合弁契約を解消
(なおビクターエンタテインメントを通じて、販売元としての契約は2008年9月まで続いた)。
この時期、BUCK-TICKがどういった経緯と条件の下にレコード会社移籍に至ったか?
ビジネス上の事は、不明であるが、様々な条件と照らし合わせた元、
マーキュリー・レコード(Mercury Records)
1995年~ マーキュリー・ミュージック・エンタテインメントとの契約を経て、
古巣ビクターの残党とも言える BMGジャパンへと移籍となる。
1997年1月、BMGビクターが株式会社BMGジャパン(株式会社ビーエムジージャパン)へ社名変更。
1998年、演歌部門を廃止。これに伴い、全所属演歌歌手が移籍。
1999年7月、株式会社BMGジャパンが株式会社ファンハウスを吸収合併し、
株式会社BMGファンハウス(株式会社ビーエムジーファンハウス)へ社名変更。
ここでBUCK-TICKのBMGファンハウスへの移籍が決定され、
彼らは新天地で完全無欠のBUCK-TICK聖典『ONE LIFE,ONE DEATH』をリリース後、
『極東 I LOVE YOU』『Mona Lisa OVERDRIVE』『十三階は月光』といった傑作を世に送り出すことになる。
2003年、BMGファンハウスはゾンバ・レコーズ・ジャパンを吸収合併。
2004年8月、親会社の合併で、
ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント (Sony BMG Music Entertainment, Inc.)となる。
2005年10月、株式会社BMGファンハウスから株式会社BMG JAPANへ社名変更。
21年半続いたファンハウスの名称が消滅する。
バンド結成20周年記念として2005年12月7日にリリースされた
コンプリート・ベスト・アルバム『CATALOGUE 2005』が、
BMG JAPANから初めてアルバムという事になる。
2008年9月、ビクターエンタテインメントとの販売提携が解消。
2008年10月には株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの完全子会社となる。
2009年6月、社内カンパニー制の導入され、
以後、国内制作部門をアリオラジャパン、洋楽部門をRCA/JIVEグループと呼称するようになる。
2009年10月、国内制作部門を新設分割により設立される株式会社アリオラジャパンへ、
RCA/JIVEグループを吸収分割により株式会社ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルへ
それぞれ承継する形で、BMG JAPANはソニー・ミュージックエンタテインメントと合併し、解散。
RVC時代から数えて34年に及ぶ歴史に幕を下ろした。
BUCK-TICKの最新アルバム『memento mori』は 2009年2月18日にBMG JAPANよりリリースされた。
BMG JAPAN最後のアルバムとなり初回盤はSHM-CD
(※スーパー・ハイ・マテリアルCD(Super High Material CD)
ユニバーサルミュージックの新倉紀久雄が提案し、
日本ビクターと共同開発した音楽CDの名称で2008年に製品化された)
でリリースされている。

「HEAVEN」の初回生産限定盤(BVCR-19740~1)に収録された
ボーナスDVDのヴィデオ・クリップと「Making of MUSIC VIDEO」は、
シングルとしては、高価なこともあって、非常に充実した内容と言えよう。
撮影場所の那須高原は、当日、寒波に襲われ、メンバーも厚手のベンチコートに身を包み、
肌寒いなかの撮影となった様子が覗える。
「久しぶりの野外・屋外なんで、気持ちいいですね」
余裕のあった櫻井敦司も、
日が落ち北風が吹き始めると、蒼白い顔が、さらに蒼白に変わっていく。
「まあいつも、大変ですよね。PVの撮影は」
とコメントしている通りであるが、
この寒波が、より神秘的にメンバーの表情を映し出すことに成功した要因のひとつではないだろうか?
特に、櫻井敦司の張り詰めた表情は、「HEAVEN」のコンセプトとなった、
真っ白な世界を具現化したかのような幻想的“美しさ”を讃えている。
またANGELの翼を背に背負ったモデルの美しさにも、
後に櫻井敦司が、絶賛している。
「HEAVEN」のヴィデオ・クリップは間違いなく傑作PVと言えるだろう。
ややシンプルな曲調が、この映像によって、非常に深淵な意味合いを持たせることにも、
成功している。
「Making of HEAVEN」の映像では、その模様をリアルに我々に伝えてくれる。
ミニ・アルバムと言えるくらいの価格も納得が行くというものだ。
恐らく、こういった“付加価値”が存在しない限りアナログ盤の音源的価値を持たない
デジタル録音のCDは、生き残る道がないのではないだろうか。
何も、リスナーは、そのサウンドのみに、通貨を支払っている訳ではないのだから。
そう、人間は、その人が認めた“価値”に通貨を支払うのだ。
そういった意味で、カネという通貨は、指示表明をする議決権と言えるだろう。
同時にネット上でのマーケティングも頻繁に採用された。
BUCK-TICKは、ビジネス・モデルといった意味でも、
稀有な“価値”を持ちうる“ロック・バンド”である。
以下、So-net Musicでの今井寿と櫻井敦司の言葉を掲載する。
「HEAVEN」の深淵な意味合いが、少しでも、伝われば光栄だ。
(以下、引用)

主催フェス“BUCK-TICK FEST”開催など
精力的に活動したデビュー20周年イヤーの2007年を華々しく終え、
新たな歴史の1ページ目となる2008年!
BUCK-TICKのニュー・シングルが12月に登場!
2007年8月に発表された「Alice in Wonder Underground」(写真は限定盤)以来、
約1年4ヶ月ぶりとなるシングルで、タイトルは「HEAVEN」。
作詞・櫻井敦司、作曲・今井 寿という黄金コンビによる楽曲で、
シングルにはカップリング曲として同コンビによる「真っ赤な夜」も収録されます。
デビュー20周年という節目を終え、
新たに到達したBUCK-TICKニュー・ワールド、アナタも体験をお忘れなく!
2008年も残すところあと少しとなったところへ、BUCK-TICKから嬉しいニュースが届いた。
なんと12月と1月、連続でシングルをリリースするという。
前作『天使のリボルバー』ではバンドサウンドを重視し音作りを行ったと語ってくれた今井氏。
今回のシングルはいったいどんなサウンドに仕上がっているのだろうか。
毎回違う表情を見せてくれるこのバンドのこと、
きっとまったく予想だにしなかったような違う顔を持った楽曲を作ったに違いない。
そんな期待を込め、今回は櫻井氏と今井氏にインタビューを行った。
■何も考えず、自由に――
So-net Music(以下So-net):新曲聴かせていただきました。
「HEAVEN」は前のアルバムでおっしゃっていたようなバンドサウンド、
『天使のリボルバー』の流れを受けているように感じたのですが?
今井「いや、前の流れとかっていうのは全然考えてなくて。
前のアルバムのときはバンドサウンドっていう、具体的な縛りを作って着地点を決めてたんですけど、
今回は割とゆるめというか。ちょっとデジタルを入れたり。
確かにギターサウンドではあるけれど、そこまで決めないで、割と自由に。」
So-net:この曲はもともとシングル候補として作られたんですか?
今井「違いますね。いくつか作っているうちに出てきた一曲ですね。
でも仮ヴォーカルを入れて、それを聴いたときからいい感じがしたんですよね。
なので結果シングルになったっていうか。」
So-net:なるほど。夏以降、ずっと作曲をされてたと思うんですけれど、これはいつ頃出来た曲なのですか?
今井「うーん、ほとんど最後のほうですね。自然にできちゃったんで、ま、形にしておこうかなと。」
So-net:骨太な感じもする中で、
先ほど今井さんがおっしゃったようにデジタルが入ることで独特の浮遊感もあり。
今井「うん。ドラムやベース、ギター、声以外のものを、今回は割と思いついたら入れていきましたね。」
So-net:BUCK-TICK サウンドの魅力って絶妙なポップさにあると思うのですが、
今回、ますますそれが研ぎ澄まされたというか、そんな印象を受けました。
大人のロッカーがやるポップス。
今井「なんか今、そっち方面に刺激があるというか、鋭いってイメージですね。
今、世の中にいろいろなジャンルの音楽があるけど、
“すごいキャッチー”っていうのに魅力を感じるっていうか。」
So-net:なるほど。ところで、歌詞はいつも、曲ができた後で書かれているのですか?
櫻井「そうですね。曲ありきですね。」
So-net:偶然なのかもしれないのですが、今回のシングルでは、
両曲“赤”がキーワードとなっていて、ついつい意図的なものを想像してしまいました。
櫻井「そういうのはないですね。まったく偶然ですね。」
So-net:櫻井さん的に、バンドの目指す方向性を定めて歌詞を書かれることってありますか?
櫻井「そういう感じもないですね。
1曲1曲の中で、曲に対して歌詞が出てくるので、バンドとしてというのはないですねぇ。」
So-net:バンドとしてさまざまなテイストの楽曲がある中で、
何か自分の中でテーマを作って書いていくということでもない?
櫻井「テーマは後からですね。
全体の何割かができてから見返したときに、最初はタイトルから広げていったんだけど、
内容と違ってくると意味も違ってくるんですよ。
だからタイトルも変わってくる、そんな感じですかね。」
So-net:今回の「HEAVEN」はいかがでした?
櫻井「これはデモテープの段階からタイトルが「HEAVEN」だったんですけど。
いつも(デモの段階でのタイトル)少し気にはしながら、書き始めるんですけれど、
今回は「HEAVEN」のままでいいかなと思いましたね。」
So-net:では、比較的にスムーズに書きすすめられたと。
櫻井「いや……そんなに才能溢れるほうではないんで(笑)。
やっぱり曲によっては苦しかったりするときもあります。
でも、そういうときが一番充実しているとも言えると思いますね。」
■2009年に放つ、布石
So-net:来月にはまた新しく「GALAXY」がリリースされます。連続リリースも久し振りですね。
今井「久し振りですね。」
So-net:こちらのシングルは、「HEAVEN」とはまったく正反対な位置にいる楽曲で。
こちらは“ど”がつくくらいキャッチーだと感じたのですが。
今井「アルバム制作のために曲作りをしてたんですよ。
さっきも言ったんですが、今回は割と自由に、変な縛りもなく作っていたんで。
どこでやめるっていうか、どこに着地するかってのも決めてなかったし。
その場その場で1曲1曲この曲はこんな感じかな、とかって作ってましたね。その中でできた曲です。」
So-net:「GALAXY」も最後のほうで出来た曲ですか?
今井「そうですね。でも割と早く形になった曲ですね。」
So-net:つきつめたポップというか。
今井「つきつめてはいなんですけど。単純、わかりやすい曲なんで。
作っているときから「あぁ、これはシングル向きかな」とは思ってました。」
So-net:「HEAVEN」のあとに「GALAXY」というリリースの順番は?
今井「「GALAXY」はスタッフのあいだで人気があったんですよ。
でもシングル決めのときに先に出すのは「HEAVEN」のほうがいいかと。
聴いたときのゾワゾワっとした感触っていうか。それがずっと引っかかっていたんで。」
So-net:先ほど、今はキャッチーなものがエッジな感じがするっておっしゃっていたんですが、
今、音楽業界的にも、歌謡曲的要素をもった楽曲が受け入れられているうような気がするのですが、
意識されたりしています?
今井「してないですね。興味持ったら、自然に入ってきたり自然にそっちに行くじゃないっすか。」
So-net:そうですね。
今井「勉強のためとか、そういう姿勢にはいかないですねぇ。」
So-net:ちなみに今、そんな今井さんの嗅覚に反応するミュージシャンとかいらっしゃいます?
今井「いないっす(笑)。」
So-net:櫻井さんはどうでしょうか?
櫻井「最近あんまり見たり聴いたりしてないですね。ものぐさなんで(笑)。
自分にとって楽しい、面白いと思ったら、そればっかりですね。」
So-net:今お二人のご意見で、BUCK-TICK サウンドを形成していくうえでの神髄を見た気がしました。
たとえばPerfumeみたいなテクノ方面に興味が向けば、自然にそっちに転がっていくでしょうし。
そうなったとしても音はきっと BUCK-TICK なんだろうなぁと。
今井「じゃぁ次はそれで(笑)。」
■櫻井敦司、入れ替わり事件 by今井
So-net:少し音楽の話から外れるのですが、昨年デビュー20周年を迎え、
今後もますますその活躍が期待されるわけですが、こうして長く活動されてきている中で、
お互いに変わったなぁと感じることってありますか?
今井「20年以上一緒にいて、たまにふと、
10代のときと同一人物じゃねぇんじゃねぇか?(笑)って思う妄想っていうか、変だなって。
入れ替わってんじゃねぇかなと。」
櫻井「(笑)。入れ替わったね。」
今井「(笑)。」
So-net:あははは。
今井「ってことを、ふと思いますね。」
櫻井「最初ドラムだったのに、歌手になってますからね(笑)。」
今井「(笑)。」
So-net:では、櫻井さんはどうですか? やはり今井さんも入れ替わったと。
櫻井「いや、大人になったなぁと。」
今井「(笑)。」
櫻井「少しですけど(笑)。物ごとを作る姿勢っていうのが変わってきたというか。
よりプロになってきたって感じますね。当たりまえなんですけど。」
今井「バンドを結成したときは、続けて行こうって意識でバンドを始めたんですけど、
半年くらい経ったら「あぁ、これも終わっていくのかな」と思ったんです。
だんだんとオリジナル曲を作り始めて徐々に本気になっていきましたね。」
So-net:勝手な外的イメージですけれど、
お二人とも物事やセオリーなんかにあまり執着していないイメージがあるんですよ。
今井「確かにずっと続けていくぞっていうことを強く意識してはいないんですが、
執着しないって言うと、いつ解散してもいいやって思われるかもしれないんですが、
そういうわけじゃなく。そういう発想(いつやめても、解散してもいい)はもっとないですね。」
櫻井「そういうこと考えないですね。逆にそんなこと考えてるくらいなら、違うこと考えてたいんで(笑)。」
■アルバムへの期待を込めて
So-net:年末にはライヴも予定されています。開催場所が意外でした。
今井「そう。いつも、東名阪って感じだから、ずらそうかって。ものすごい安直な考えです。」
So-net:すでにリハも進んでいるかと思うのですが、
もしかしたら、ライヴではシングル以外の新曲も聴けそうですね。
今井「ちょこちょこ小出しにしていこうかと。」
So-net:では最後に現在制作中のアルバムについて、少しだけ聞きかせてもらえますか?
櫻井「すごく自由なアルバムです。」
今井「新しいことっていうのは特にないですけど、ドラムの変わりに別の物を叩いたり、
そういうことをやったのはちょこっとあります。
全体的に割とアッパーな方向ではあると思いますね。」
●Text/後藤めぐ
(以上、引用抜粋)

【THE DAY IN QUESTION】が、新天地に向かった理由は、東名阪がマンネリした感じがしたから、
と語る今井寿は、どうやら、櫻井敦司が、別人に入れ替わってしまったかのような、
そんな感覚に陥るという。
それは、恐らく、驚異的に向上したヴォーカリスト:櫻井敦司の歌唱力だけに留まらない、
パフォーマーとしての開花した才能の所為ではないだろうか?
そう言わしめるほどの演技力(俳優のソレではなく)を、
櫻井敦司は「HEAVEN」のヴィデオ・クリップでも披露している。
そして、それは、次の「GALAXY」のパファーマンスへと繋がっているのだ。
「覗いたら駄目さ 二度と戻れないよ いいんだね
天国(HEAVEN)への螺旋 武者震いひとつ 行くぜ」
そう、『memento mori』での櫻井敦司。
あなたは、心して、聴かなければ、ならない・・・。


HEAVEN (5:22)
(作詞:櫻井敦司 作曲:今井寿 編曲:BUCK-TICK)
ラララ・・
その目はCRAZYでLOVELY BLUE BLUE SKY
生まれ 泣き叫び 笑い 愛し 恋を・・恋をしよう
金網越し交わしてるKISS
国境 抱き合うANGEL舞いあがる羽の 影は一つ
君は舞う 空を染めて
君は舞う 空いっぱい舞いあがる
この素晴らしき 生まれゆく世界で
桜咲く 風に吹かれて
この美しき 翳りゆく世界で
胸に咲いた 赤いカーネーション
ラララ・・ ラララ・・
その目はCRAZYでLOVELY IN THE SKY
もがき 歌歌い 踊り 愛し 恋を・・恋をしよう
銃声 眠れない夜も終わる
雨に濡れた君 まつ毛甘く震わせて 蝶に成ったよ
君は舞う 風と踊る
君は舞う 空いっぱい舞いあがれ
この素晴らしき 狂いゆく世界で
桜咲く 風に吹かれて
この美しき 腐りゆく世界で
胸に挿した 白いカーネィーション
この素晴らしき 生まれゆく世界で
桜咲く 風に吹かれて
この美しき 翳りゆく世界で
胸に咲いた 赤いカーネィーション
ラララ・・
胸に咲く 赤いカーネィーション

