「勇気を見せるか デラシネのBoys&Girls.
胸を張るのさ 美しきBoys&Girls. 愛の夜に 」
ライヴツアー【TOUR2007 天使のリボルバー】のアンコール開始の定番となっていた
「Sid Vicious ON THE BEACH」。
続くロック・ナンバーは、横浜みなとみらいの新港埠頭特設野外ステージ
【BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE】で、BUCK-TICKライヴのオープニングを務めた
今となってはライヴに欠かせない存在とえる「Baby,I want you.」。
実は2007年の9月22日にスタートした【さいたま市文化センター】から、
アンコールの2曲目のこのポジションは、「MACHINE」がレギュラーとして占めていた。
これは、2006年の「THE DAY IN QUESTION」にエントリーしてから、
アルバム『天使のリボルバー』のコンセプトが、名作『狂った太陽』とリンクした所為もあろうが、
印象的に「Sid Vicious ON THE BEACH」から「MACHINE」へと流れる姿は、
【TOUR2007 天使のリボルバー】の特徴のひとつであった。
しかし、この日は、12月29日。
伝説となる一日である。
この一曲を外すことは、考えられなかった。
ベスト・オヴ・BUCK-TICKライヴとして展開されたアンコール。
BT流デジロックの金字塔「Baby, I want you.」のパフォーマンスで登場する櫻井敦司。
暗転した日本武道館にハードコアなテクノ・ミュージックが流れ出すと、
オーディエンスの身体は自然と動き出す。
まだ暗がりの中で、櫻井敦司は、「Hey! MEN!!」と叫び。
クリスタル花道へと進む。
豪快なフラッシュ・ライトと共に、姿を現す櫻井敦司は、ブラックのフリルシャツを純白に変え、
今宵の舞踏会へ邁進する。
それを誘導するかのような今井寿のお馴染みのテルミンに、
ハードコアとグルーヴの融合を試みるヤガミ“アニイ”トールと樋口“U-TA”豊の二人。
今井寿がギブソンのサンバーストをかき鳴らし始めると、
星野英彦が、レッド・バニーのブギーなリフで空間を占領していく。
圧倒的な音圧が、オーディエンスの鼓膜に伝わってくる。
これぞ、BUCK-TICKのデジロックの真髄というサウンドを、
彼らはアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』の一曲目で実現していた。
前作『SEXY STREAM LINER』のアヴァンギャルドな攻撃性と、
排他的ともいえる芸術的なアンヴィエントな陰鬱さで満ち満ちたマーキュリー時代を経て、
3年半ぶりにリリースされた待望のアルバムが完全無敵の『ONE LIFE,ONE DEATH』であった。
『狂った太陽』以降導入された溢れかえるようなノイズ、
ハードコアテクノの打ち込みといったデジタル的な要素をさらに前面に押し出した
『SEXY STREAM LINER』は、 ギターが入っていない楽曲が収録されたり、
ほぼ全てのドラムがドラムンベースであったりと、
その過剰なまでのデジタル的なアプローチを試みた作品であったが、
その難解すぎるモチーフがロックへの渇望へと反転した姿が『ONE LIFE,ONE DEATH』にはあった。
恐らくロックンロールというものを、初めて顕在的に意識してレコーディングされた
『ONE LIFE,ONE DEATH』には、ロックというジャンルすべてを覆い尽くす、
パッションがあった。
エレクトロニックかつポップな楽曲と、ノイジーでアヴァンギャルドな楽曲で構成された同作は、
或る意味では、BUCK-TICKというバンドのすべてを網羅したようなアルバムであった。
ここで、導き出されたアイデアひとつひとつにクローズ・アップして行ったのが、
その後のBUCK-TICKアルバムの軌跡であったとすれば、
『天使のリボルバー』は、その最後のワンピース。
“ロック”にフォーカスした完結編と言えるだろう。
大きな括りでアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』を目次として進められた
BUCK-TICKの冒険の旅は、この『天使のリボルバー』 で、“ロック”へと帰結した。
「AHoooooo!!!! BABYYYYY!!!!!」
この高鳴る鼓動をそのままに「Baby, I want you.」から展開した
ロック・フロンティアには、様々な方法論が存在し、
そのひとつひとつを本当に、実験、改良し、創り上げていった彼らの出航場所が、
此処に帰結した。
その航海の素晴らしさは、この日、日本武道館に集まったオーディエンスは勿論のこと、
すべてのBUCK-TICKファンが、身を持って体験して来た“冒険物語”そのものだ。
新たなる世界がなんなのか?
それを知る為の探究心の賜物とも言えるだろう。
今、ロックの天使たちが、熱くその原点に帰って来た。
或る時は、前衛芸術家に、
或る時は、反戦のメッセンジャーに、
或る時は、攻撃的なパンクスに、
或る時は、ハードコアテクノの実験者に、
そして、或る時は、ロックマンに、姿を変えた天使たちが光臨した。
まさしく、現代の“BUCK-TICK”という存在を表現し切るナンバーが、
この「Baby, I want you.」に違いない。
「トロピカル SEXY天国 飛び散るステーキソース
美味いぜ 血も滴る様なBABY」
様々な色のスポット・ライトがメクルメク天国を現し、
一度ステージに戻った櫻井敦司は、スタンド・マイクで濃艶に唄い出す。
今井寿は、マイマイダンスに興じている。
今宵も、「Baby, I want you.」が始まる。
「ざわめく獣の瞳を かすめるピンヒール
逃がした 魚デカイゼBABY」
モノに出来なかった獲物を狩る“ケダモノ”になって踊る日本武道館。
この夜も、渾然一体のデジロック・ワールドが充満し、
この会場をダンス・ホールへと変えてしまう。
「ハードにディープに縛られ 自由が燃え上がる
あなたも 疼いてくるだろうBABY 」
我慢し切れず、再び中央花道に踊りでる櫻井敦司。
狂わしく腰を抱きながら踊る櫻井が、地中より写し上げられる。
「さあ今 踊れよこの世で お前の腰がSWEET
可愛い あの娘を抱いて踊れ」
ブレイク・ビーツから転調する「Baby, I want you.」は美麗である。
花道での櫻井敦司は、まるで盲目の恋人のように、
手を大観衆に向けて伸ばす。
勿論、触れられるわけではないのだが、観衆もカリスマ櫻井に手を差し伸べる。
「もう少し 側にいてくれるかい?
後少し 夜が逃げていくその前に
さあ踊ろう 泣けてきちゃうくらい
喜びで 狂おしいほど震えるさ 」
ステージでは、今井寿と星野英彦が、定ポジションを逆に取り、
ファン達にアピールしている。
この二人のかき鳴らしプレイの間、樋口“U-TA”豊は、
中央に躍り出て、ファンになにかメッセージと伝えている。
間奏のこの部分の主役は、モチロン!
樋口“U-TA”豊。
「Sid Vicious ON THE BEACH」に続き、ファンとのコミュニケーションを、
最も大切にする彼は大股を開き、迫力のベース・プレイをお見舞いしている。
髪を振り乱すU-TAに負けじと今井“ルシファー”寿も、
Lucyの「DISCO GAGA」のフレーズを挿入して足を踏み鳴らすマイマイ・ダンスで応戦している。
「勇気を見せるか?
デラシネのBoys&Girls.
胸を張るのさ 美しきBoys&Girls.
愛の夜に」
ミナシ児ノ憂鬱を吹き飛ばすようなSEXY天国へ。
今宵も誘う5人の天使・・・。
この愛の夜に、燃えるようなドグマを解き放て!
三度、クリスタルの花道へ。
踊り出る櫻井敦司の腰がSWEET!
「さあ踊ろう 泣けてきちゃうくらい
喜びで 狂おしいほど震えるさ
さあ踊ろう 濡れてきちゃうくらい
喜びで 気が狂うほど震えるさ」
この楽曲のラストは、真っ赤に染まる。
「Baby, I want you!Baby, I want you!
Baby, I want you!Baby, I want you!」
櫻井敦司が花道で360度回転しながらマイクをオーディエンスに向けると、
日本武道館は、この夜、何度目かの大合唱となる。
20年目の大合唱。
今井寿の戦慄のリフの中、響き渡る大観衆のコーラス。
満足気な櫻井は、最期に叫ぶ。
「I want・・・・Tokyo BABYYYYY!!!!!」
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“ダムドラの店”・・・。
ルシファーはイエスのことを想い返していた。
凄く昔の話では、ある。
しかし、あの時の顔だけは、わすれられないのだ。
そう。イエスが言い出したんだ。
そうだった。あれは俺の誘惑ではなく、イエス自身の意志だったんだ。
あの時、同じ場所に、ふたりの女がいた。
ひとりは、冷徹な眼差しで、イエスを見つめるマダム・サキュバス。
地獄の魔女だ。
アイツは、イエスの魅力に、特別な意味を見出していた。
だが、アイツが、本当に興味があったのは、イエス自身ではなく、
アイツが、復讐を誓った相手。
父なる神:ヤハーヴェだ。
そして、その怨念が、大天使のリーダーだったこの俺を神から奪うことで、
少しの間、気が修まっていたのだけれど、
神が、俺の次に、俺の合わせ鏡みたいなイエスを創り出したことで、
また、“嫉妬”の情念を燃やし始めた。
そう、マダム・サキュバスは、神に恋で破れ、見捨てられたのだ。
そりゃしょうがないよな。
こんなサディスト、SM倶楽部でもない限り、誰も、そばにおいて置きたくないだろう。
まあ、特殊な趣味を持つヤツラなら、逆に喜んで、傍に置きたがるかもしれないがな。
で、もう、ひとり。
御察しの通り、マグダラのマリアだ。
俺が用意した彼女の重要な役目は、
イエスに“復活の香油”を塗ることだ。
この使命が、今回の計画のクライマックスでもあった。
そもそもメシアってのは塗油してユダヤ民族の覇王を即位させる儀式だ。
しかし、イエスに用意した今回の香油は、特別だ。
何せ、死んだ人間が、生き返るっていうオカルトをやってのけようってんだから。
それを実行する女神が必要って訳さ。
実際、生前のイエスはこの香油を使って身体の不自由な人間を救ったりしてた。
神が、人間に課した“罰”「死」を覆す、
全く持って革命的な、スーパー・ドラッグだ。
これで、イエスは死の世界を体験し、この世に戻った神となる。
それを演出するのは、イエスをヴァージンのまま身篭った
ママ:マリアくらいのインパクトが必要だった。
この役目は実は、凄くリスキーだったんだ。
ローマ教会は、彼女を女神と見做すか?魔女と見做すか?
わかったモンじゃない。
俺は別に、マグダラのマリアを心配してた訳じゃない。
俺が心配してたのは、イエスのイメージだ。
何せ、イエスは復活したあと、俺の所有していた地獄と地上の王国のみならず、
天空の王:神に成り変ろうってんだからな。
興奮して震えが収まらなかったよ。実際。
そしてマグダラのマリアも、ペテロら使徒の連中には、ほとほと嫌気が指してたからな。
だから俺は彼女に、こう指示したんだ。
「イエスが「死」を受け入れる瞬間は、その目でしっかり見とけよ。
どんなに辛くても、目を離しちゃダメだ。
愛する者の「死」を確認することで、アンタは、他の臆病者の使徒たちとは、
全く別次元の人格を手に入れるんだ。
それは、現実を直視するっていう人間の最も苦手な行為だ。
しかし、人間は、必ずいつか死ぬ。
これは、神の決めた“罰”だ。
これを恐れている限り、神を超越するなんて不可能なんだよ。
そんなモノに縛られてる限りアンタも革命を果たすことは出来やしない。
だから、一番、自分にとって辛い行為を超越するんだ。
なあ、マグダラ。わかるだろう?」
そしたら、マグダラは、小刻みい震えながら小さく頷いたよ。
その姿を見ていたイエスは、マリアを抱擁して言った。
「感謝したい 心から 太陽と水と空気と 貴女に
死に物狂いで生きている
今ここに 終わるモノと始まるモノが クロスしている
なんていう なんていう絶頂
嘆きの星や 喜びの星 小さなとても小さな命
命 そして・・・
遠い 遠い惑星 何にもない 裕福な その場所
愛しい人よ もし居たら いつかまた いつか
綺麗な場所で逢おう
今日も太陽が眩しい 月が綺麗
この小さな世界のドア 開け放ち
どこか遠く 逃げてしまおうか?
誰もいない 何もない 寂しいなんて思ったりしない
美しい場所へ
夢を見ている 夢を 君と空を飛ぶ夢を見た
ふたりは・・・飛べるさ
愛しい人よ いつかまたいつか 綺麗な場所で 逢おう
遠い遠い惑星 艶やかで 裕福な その場所
愛しい人よ いつか綺麗な場所で 逢えるさ」
この態度からもわかるように、マグダラのマリアは、
イエスの特別な側近だったんだ。
イエスは、娼婦と噂される彼女を傍に置いた。
当然、使徒たちは反対した。
特に、リーダーのペテロは、猛反対してた。
だから、イエスはマグダラを妻にしたんだ。
しかし、その時は、すでに、イエスは「死」を選択していた。
わかるかい?
「死」を迎えると決めていて、ふたりは結ばれたんだ。
わかるかい?この感覚。
イエスの人柄がわかるってもんだ。
でも、マグダラのマリアもそれを知って承諾したんだ。
凄いふたりだぜ。
そして、妻となったマリアは、イエスの秘儀を伝承した唯一の人間となった。
ユダとは、また、別の意味で、重要な復活の女司祭であり、
同時に、イエス・メシアの伴侶を務めた。
イエスは、自分が死んだ後の使徒たちへの対処や、
その後の段取りを、注意深く彼女に指示した。
マグダラ のマリアの役割は重要だ。
礫刑の後にイエスから最初に声をかけられたことをもとに、更なる話をつけ加える必要があった。
すべては、この地上と地獄と、そして天空の覇者としてイエスの号令を、
全世界に、広める為に必要なことだった。
彼女は イエスの親密な弟子たちの1人ではあったけれども、
すべて男性である12使徒の1人ではないという身分によって、
秘密の教え、それも特にいかにして男性と同様に女性をも救いを得ることができるかを示したり、
あるいはイエスの女性的側面について触れた秘密の教えを説くための格好の媒体となった。
そしてもしマグダラのマリアが娼婦と見なされていたならば、
彼女を霊的真理の源泉へと高めることは、
ユダヤ=キリスト教における女性の扱い方にお馴染みの、
処女か娼婦かという二分 法を打破する試みでもあった。
イエスは常に言ってたんだ。
「見掛けや身分で、判断してはいけないよ」って基本中の基本なんだけど、
これが守れてる人間、・・・特に男は、ほとんど居なかった。
たしかに、皆、「その通りだ!」って顔してイエスの言葉を聞いてんだけど、
それは、その場所だけで、家に帰ると平気で、女房に暴力を奮ったりしてんだ。
それが、男って生き物だよ。
でも、イエスはそういった社会的な弱者にも希望を与えようとした。
それは、たしかに“理想論”だったかも知れないけど、
マグダラのマリアは、使命感を持ってそれに当たったんだ。
「「娼婦」の何が悪いんだい?」って、使徒たちに啖呵きって、彼女も気の強い女性だった。
それは、イエスもわかってたんだけど、当然、使徒たちの嫉妬と嫌悪を煽る結果となった。
マグダラのマリアが使徒のリーダー、シモン・ペテロと教理のうえで村立している様を俺は
嫌というほど見て来たよ。
シモン・ペテロはカトリックの伝統におけるキリスト正教会の創設者として、
彼女の異端的立場に対立する正統的立場の代表者であった。
この2人の弟子は衝突する。
シモン・ペテロは言う、
「マリアをわれらのもとから追いだしましょう。女は救いに値しないのですから」
しかしイエス は答えた。
「私は彼女が男となり、お前たち男と同じ生ける霊にな るよう彼女を導くであろう。
自分を男にする女は皆、天国に入るであろうから」
このイエスの言葉には象徴的に解釈する必要があるんだ。
イエスが象徴的にオブラートに包んで言ったのは、
「女」とは「人間」 のことであり、
また「男」とは「神」のことであると。
言いかえれば、イエスのすべての弟子たちは自分の人間性を克服しなければならない。
女性にとってそれは、「女のなせる業」
――つまり性行為と 生殖――と呼ばれているものを避けることを意味する。
そのモデル・ケースが、マグダラ本人であることを、
体験を通じて使徒はじめ弟子たちに教えようとしたんだ。
しかし、皮肉なことに、イエスが生き続ける限り、
それは不可能だとわかってたんだ。
弟子たちがイエス死後に集まった時、ペテロはマグダラのマリアに対し、
かつてイエスから聞いたことを自分たちに話してほしいと頼んだ。
「なぜなら、メシアは他のどの女よりもあなたを愛していたのを私たちは知っているのだから」
ってことなんだけど。
そこでマリアが典型的な七段階の魂の向上について話すと、
それでもペテロのプライドが顔を出し、それを笑い種にし、
「イエスがこのことを男の弟子たちに知らせずにマリアに教えたなどということが在り得ようか!」
とマグダラを侮辱したんだ。
マグダラのマリアは泣きながら答えた。
女は感情的に話してしまうのが、欠点と言えば、欠点なんだけど、
きっと、想いと責任で溢れ出してきてしまったんだよな。
まあ、個人の性格にもよるかも知れないけどな。
もし、この役割がサキュバスだったら、使徒たちは、みんな土下座させられてるだろうな。
アイツは、キツイからな。
とにかく、涙を零しながらマリアは主張した。
「わたしが頭のなかで勝手にこのことをでっちあげたと思うのですか!?
それともわたしがメシアについて嘘をついているとでもお思いですか?」
このとき弟子ひとりのレビってヤツがマグダラをかばって、
ペテロに対して、
「ペテロ。あなたも感情的におなりになって。女性みたいですよ」
って気を鎮めるよう皮肉を込めて諌めた。
レビは、下級の弟子だったけどイエスが、マリアをその他の使徒よりも愛していたことを、
想い返させた。
ペテロは下っ端の弟子にそう言われて、何も言い返せなかった。
勿論、俺もサキュバスも、レビには、何も仕掛けてない。
アイツは自分の意志を主張し始めたんだ。
イエスの「死」で、状況は、少しづつ動き始めていたのさ。
実際、生前もイエスはマリアのように直接、
――ペテロによって象徴される聖職位階制度を経ずに――メシアと話すようにしてた。
死を免れない人間の運命と性欲とを関連づけ、
魂が漸進的諸段階を経てついに最終的な平安へと至る。
それが女性のメシアへの役割であった。
マグダラのマリアは、常にイエスのお供をして歩いた3人の女のなかの一人で、
「メシアの伴侶」として語られるのは、この後の話だ。
どの弟子もイエスから愛された為、皆の嫉妬を買った。
でも、その嫉妬こそが、愛の原動力になったんだ。
マグダラのマリアが演じる特別な役回りは、
イエスの秘儀伝承とともに終焉したわけじゃないんだ。
マリアは『最後の晩餐』で使用した杯と皿――いわゆる聖杯――を持って、
舞台はパレスティナから南フランスヘと移った。
この時広まった噂では、
イエスとの間に生まれた御子を携えていたとされる。
この御子がその後フランク王国の先祖となった。
聖杯は「イエスの血統」を伝えるマリアの子宮の比喩 となった。
地中海沿岸のフランスやスペインの様々な「黒い聖母」は、
幼な子イエスよりもむしろイエスの子供を伴った姿で 表現されるようになった。
マグダラのマリアは、イエスの亡骸に香油を塗るために墓に赴いた。
でもイエスには、逢えなかったんだ。
彼女は、イエスに、逢えないままフランスに渡ったんだ。
「イエス。あなたの想いは、わたしが必ず受け継ぐから、安心して天空へ昇ってね」
って唱えながら・・・。
復活の後、マリアに逢わないっていうのは、イエスが決めたことなんだ。

Baby, I want you.
(作詞:櫻井敦司/作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
トロピカル SEXY天国 飛び散るステーキソース
美味いぜ 血も滴る様なBABY
ざわめく獣の瞳を かすめるピンヒール
逃がした 魚デカイゼBABY
タフに生くのさ デラシネのBoys&Girls. 愛の夜に
ハードにディープに縛られ 自由が燃え上がる
あなたも 疼いてくるだろうBABY
さあ今 踊れよこの世で お前の腰がSWEET
可愛い あの娘を抱いて踊れ
クールに生くのか デラシネのBoys&Girls. 愛の夜に
もう少し 側にいてくれるかい後少し 夜が逃げていくその前に
さあ踊ろう 泣けてきちゃうくらい喜びで 狂おしいほど震えるさ
勇気を見せるか デラシネのBoys&Girls.
胸を張るのさ 美しきBoys&Girls. 愛の夜に
さあ踊ろう 泣けてきちゃうくらい喜びで 狂おしいほど震えるさ
さあ踊ろう 濡れてきちゃうくらい喜びで 気が狂うほど震えるさ


