2007年のBUCK-TICKの活動は、
6月6日の先行シングル盤「RENDEZVOUS~ランデヴー~」を皮切りに、
スタートした対バン形式のライヴツアー【PARADE】で、火蓋を切ると、
2005年の12月にリリースされていたトリビュート・アルバム
『PARADE~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』に収録された各ジャンルの
個性的なアーティスト達とBUCK-TICKとのサーキット・ライヴ形式で進み、
各地に、いつもの年とは明らかに違う笑顔を魅せるメンバーの生々しい演奏が、
加速度的に、回転して行った。

6月06日(水)神奈川/YOKOHAMA BLITZ
RUNAWAY BOYS (kyo and nackie)

6月16日(土)宮城/Zepp Sendai
J

6月23日(土)福岡/Zepp Fukuoka
遠藤ミチロウ(M.J.Q.)

6月30日(土)大阪/Zepp Osaka
BALZAC

7月01日(日)愛知/Zepp Nagoya
清春

7月07日(土)東京/Zepp Tokyo
土屋昌巳&abingdon boys school


AGE of PUNKが参加する予定の7月15日(日)沖縄/NAMURA HALL
は、台風に影響で延期が決定したが、このツアー中に、
9月8日のデビュー20周年記念イベントとして
横浜みなとみらい 新港埠頭特設野外ステージにて実行される
『BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE』の具体的なアイデアが、立案され、
企画実行に至ったのは間違いないだろう。
また、この時点で、ニュー・アルバムに収録されるであろう新曲
「モンタージュ」「スパイダー」の2曲がシングル「RENDEZVOUS~ランデヴー~」と同時に披露され、
いつにないシンプルで、キャッチーで、毒々しいニューアルバムに期待が高まっていったのだ。


ツアー終了直後にリリースとなった先行第二弾シングル「Alice in Wonder Underground」
が8月8日に発売されると、この年のBUCK-TICKの活動計画も、発表される。

初参加となる
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007 in EZO】で、
新曲「RENDEZVOUS~ランデヴー~」「Alice in Wonder Underground」が演奏され、
それまでのドラマチックな“GOTHIC SHOW”とは一風変わった“風”と“熱”を、
BUCK-TICKの姿に垣間見ることになる。


当時、頻繁に活動の模様を告知していたメディアは、
以前のテレビラジオと言ったマスコミ媒体から、インターネットを利用したモノへと変わっていった。
BUCK-TICKも、この“ネット”の波に乗り、
2007年の記念すべき20周年の活動を頻繁に告知する方針が伺える。

時代とともに、変化し続けるバンド“BUCK-TICK”らしい方向性とも言えた、
所謂、“ネット戦略”は、それまでよりも、ダイレクトに、BTファンの「密室」に伝わり、
この年の活動に拍車をかけたのは、間違いない。

マスコミという大きな利権関係の渦巻く広告媒体から、
少し距離を置いていたといえる日本のベテラン・バンド“BUCK-TICK”は、
この“ネット媒体”というカテゴリーには、マッチした存在と言えたかも知れない。
熱狂的なBTファンと一般的ポピュラー・ミュージック・シーンに、存在する“壁”は、
厳然として、その“温度差”を有していることは事実であったし、
マスコミに比べ、明らかにパーソナルな趣向を尊重してくれる“ネット世界”が、
いかにも、半カルト的イメージを持つベテラン・バンドには、ピッタリの戦略でもあった。

まるで、BUCK-TICKのメンバーが、長年のファン達のパーソナルなスペースに、出向いて、
情報を流し出すと、そこには、相互通信とも言える“ぬくもり”が存在したのだ。

自分の個人的な部屋で、メンバーからのメッセージを伝えられたファン達は、
居ても立ってもいられなく、彼らに逢いにライヴ会場へと向かうほかないのだ。

ここに、長年、問題点のひとつであった、カルト的存在BUCK-TICKの
メディアへの露出という問題も、解決を見る様な空気感すら在ったのだ。

確かに、神秘的である、とポジティヴな面も有していたが、
この露出度の少なさが、彼らの音楽的評価を押し留めていた可能性は高い。

しかし、やっと、時代が、彼らに追い付いたか?
観たい人、聴きたい人が、自分の意志で、観に行く時代、聴きに行く時代の到来といえる。

まさしく、これこそが、BUCK-TICKの望むカタチを示していたような気もする。
必要とする人間に、望まれることで、彼らは、彼らの世界を躊躇なく発揮できる時代だ。
勿論、ドレス・コードは発生する。
しかし、このマナーさえを守れば、彼らの実現願望は、さらにスケールを大きく体現されていい。


映像は、【WHAT'S IN WEB】で収録された櫻井敦司と今井寿のインタヴューである。

これを観ると、本当に彼らの個性的な仕草や語り方が、ダイレクトに伝わってくる。
マスコミの、所謂、“番組”という形式ではなく、
“ネット”の向こう側にいる“あなた”へ、ダイレクトに伝えるメッセージであり、
“宣伝広告”には、違いないのであるが、もっと、パーソナルな余裕を持ったモノになっていると、
感じられるのだ。


これは、あなただけに贈られるヴィデオ・レターである。





櫻井「WHAT'S IN WEBをご覧の皆様、こんにちは。BUCK-TICKの櫻井です」

今井「ギターの今井です」

櫻井「8月8日にシングル「Alice in Wonder Underground」をリリースしました」

今井「ええ~、この曲は、キャッチーなポップなロックンロールとなってます。楽しいです」

櫻井「ええ~そして、8月17日に、【ライジング・サン2007】出演になりました。
【ライジング・サン】は、初めてなので楽しみにしてます。
そして・・・9月8日に【BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE】開催します」

今井「・・・ハイ。開催されます。
え~と、まあ、色んな、興味深いアーティストが集まって、まあ、お祭りです。
是非、来てください」

櫻井「そして、9月19日には、ニュー・アルバム『天使のリボルバー』が発売されるとか、されないとか」

今井「このアルバムも、こう、すんごいロックンロールです。カッコイイです。聴いて!」

櫻井「こう言ってます(笑)」

今井「・・・それでは、BUCK-TICKの」

櫻井「今井と・・・」

今井「櫻井でした」



「聴いて!」と突然、お願い口調に変わる今井寿の表情であるとか、
それを、うれしそうに、通訳するような櫻井敦司の〆の言葉は、
櫻井が今井を、今井が櫻井を、紹介して終わっている。

こういった表情は、それまで、マスコミでは、あまり垣間見ることの出来ないモノであったし、
まるで、彼らのプライベートな時間を切り取ったような映像が、
それを望んだ人々だけに、伝えられる“Loop”は、
BUCK-TICKという性格を持つ彼らメンバーにとっては、有益な武器になったと言えるだろう。


8月17日、【RISING SUN ROCK FESTIVAL '07】に初出演を果たすと、
9月5日、メジャーデビューのレコード会社ビクター時代のオリジナル・アルバム10作品と、
ベスト2作品を含む全12タイトルを、【紙ジャケット仕様】でリリース。

待ちに待った 9月8日を迎える。
前日に台風9号の直撃を受けながらも当日は晴天に恵まれ、
メジャー・デビュー20周年記念イベントとして、
横浜みなとみらい 新港埠頭特設野外ステージにて
【BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE】を堂々の9時間ライヴを実行。


当初9月12日発売予定が、19日に延期された待望のニューアルバムが姿を顕す。


9月19日、15枚目のアルバム『天使のリボルバー』をリリース。
9月22日、ライヴツアー【BUCK-TICK TOUR 2007 天使のリボルバー】を、
さいたま市文化センターより開始することになる。




ここに、至り。


黒の悪魔達は、


ロックンロールの天使に、生まれ変わった。






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