『BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE』
このDVD映像作品は、2008年4月2日にリリースされるが、
オープニングは、まさに、2007年9月8日に、舞い戻るかのように、
“時空”が逆回転されてスタートする。
22. JUPITER(BUCK-TICK)
21. スピード(BUCK-TICK with MCU)
20. 夢魔-The Nightmare(BUCK-TICK)
19. DIABOLO(BUCK-TICK)
18. ROMANCE(BUCK-TICK)
17. Alice in Wonder Underground(BUCK-TICK)
16. RENDEZVOUS~ランデヴー~(BUCK-TICK)
15. Baby, I want you.(BUCK-TICK with KEN ISHII)
14. THEME OF B-T(BUCK-TICK with KEN ISHII)
13. Alzir On :Marko Nastic Remix: by Pedro Delgardo (KEN ISHII:DJ MIX:)
12. nukumori(MCU)
11. ICONOCLASM(J)
10. 悪の華(Rally)
9. INNOCENT SORROW(abingdon boys school)
8. Spider&Spanish Pirates(土屋昌巳)
7. One Fine Morning(THEATRE BROOK)
6. ワルシャワの幻想 (遠藤ミチロウ:M.J.Q: with HISASHI IMAI)
5. MY FUCKIN' VALENTINE(ATTACK HAUS)
4. PHYSICAL NEUROSE(AGE of PUNK with HISASHI IMAI)
3. MONSTER(RUNAWAY BOYS:kyo and nackie:)
2. INTO THE LIGHT OF THE 13 DARK NIGHT(BALZAC)
1. JUST ONE MORE KISS (清春 with ATSUSHI SAKURAI)
そして、このオープニングだけでも、
この前年のイベントがいかに、“奇跡的”な内容であったかを、
まず、認識させられるのだ。
そう、我々は、凄い“ミラクル”を目撃していたのだ!
20年間の集積と未来に向けて走り出す予感をも感じさせたBUCK-TICKライヴ。
ここに集まった数多くの出演アーティスト達と観客に祝福され、
誰よりもBUCK-TICKのメンバーたち自身が楽しんでいるのが伝わるイベントであった。
「どうも、ありがとうございました」
夜空に美しい花火が上がっている。
真夏の陽射しと共に、音楽の恩恵をたっぷりと浴びた大観衆は、
ライヴ終了後の心地良い疲労感を感じながらその光を眺めていた。
埠頭に停泊しているクルーザーから、アーティスト達もその美しい光景を見届けていたに違いない。
台風一過の好天の下、開催された【 BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE 】は、
出演アーティストやスタッフ、多くのファン達が結束し成功に導いた、素晴らしいフェスとなった。
約8時間に渡る刺激に満ちたイベントの空気を、この逆回転で少しでも感じて貰えたら光栄だ。
大トリを絞めるのは、もちろん、BUCK-TICK。
今、万感の想いを込めて「JUPITER」が奏でられる…。
そして、世界レベルでの知名度を誇るテクノ・ゴッド、KEN ISHIIがDJプレイで登場。
ヴィジョンに映し出されるターンテーブルさばきに注目が集まる。
ストイックでありながら、じわじわと高揚感を増していくセンスとクオリティは彼ならではのものだ。
短いながらも堂々としたラップを聴かせるMCU。
バンド勢が多く出演している中、ひとりでテンションの高さとロックな姿勢を貫いていた。
そして、かれの“唄”には、リスペクトという祝福が込められていた。
気合いの入った“J”のステージも熱気溢れるものになった。
「そんな声じゃ、BUCK-TICK兄さんたちに届かないぞ!」
と何度もあおる“J”。
たたみかけるようなトリビュート「ICONOCLASM」に、横浜が燃えた。
RallyはGLAYのHISASHIにの声かけで集結したスペシャル・ユニット。
トリビュート楽曲の「惡の華」では、
オリジナルの鋭さにTERUの持つ声のかげりが加わって、また別の妖しさが充満していた。
そしてabingdon boys schoolが現れると、歓声がひときわ大きくなる。
西川貴教が「ドレス」のトリビュート楽曲を高らかに歌い上げ、ドラマチックな空間が会場を包み込む。
その西川貴教が別のバンドでデビューした頃、BUCK-TICKと同じ事務所だったことなどMCで沸かせ、
ハードなロック・ナンバーで堪能させる。
日が暮れてきた頃、美しきレディースのベース&ドラムなどをメンバーに加えて登場した土屋昌巳。
複雑な構成や変拍子のインスト・ナンバーで独自の空気感を放出していた。
最後にギター弾き語りを披露。
彼の人柄がにじみ出た優しいナンバーだった。
日本を代表するファンク・ロック・バンドTHEATRE BROOKは、
この大舞台でなんと1曲だけを延々と演奏する。
今回の出演者の中では最もブラック・ミュージック寄りのサウンドだったが、
かえってそれが個性を際立たせていた。
アコースティック・ギターをかき鳴らしながら迫力あるステージングを見せてくれたのは遠藤ミチロウ。
彼が在籍したザ・スターリン時代にライヴのオープニング・ナンバーとして欠かせなかった
「ワルシャワの幻想」で、再び今井寿が登場する。
トリッキーなギター・サウンドで8ビートの中を自由に駆け巡っていた。
次は、男女のツイン・ヴォーカルとダンサブルなサウンドのATTACK HAUS。
「MY FUCKIN' VALENTINE」を疾走感溢れる仕上がりでカバーしていた。
今井寿の個人的友人であるasaki、
そして今井寿と“Lucy”というバンドを組んでいるドラムの岡崎が在籍するAGE of PUNKは、
パンク・スピリットを全開にしたライヴを展開。
ストレートな中にもヒネリの効いたメロディが印象に残る。
そして初期のキラメキの詰まった「PHYSICAL NEUROSE」をカバーしたのだが、
ここで今井寿がゲストで登場を果たした。
他人のバンドで自分の楽曲を演奏するという経験もめったにないと思うが、
スリリングな中にもリラックスしたプレイを聴かせてくれた。
ヘヴィなサウンドで攻めてくるRUNAWAY BOYS(kyo and nackie)。
哀愁のある楽曲とメタリックな要素が混ざり合う、独特のバランスが心地いい。
kyoが登場して「横浜!」を更に熱くする。
さらに、その盛り上がりを引き継ぐのはスピーディな演奏を聴かせるBALZAC。
パンキッシュなサウンドで短いナンバーを次々に披露する。
その中に混ざってまったく違和感のない初期BUCK-TICKの傑作「MOON LIGHT」のカバーが光る。
最初に登場したのは清春。
いきなり「JUST ONE MORE KISS」のトリビュート楽曲でスタートし、
しかもステージに突然現れた櫻井敦司と絡むなど、会場を一気に沸かせる。
そして「忘却の空」「少年」などメロディアスでハードなナンバーを叩きつけ、
容赦なく照りつける暑さの中、華々しいオープニングを飾ってくれた。
時は舞い戻った。
2007年9月8日11時30分。横浜みなとみらい・新港埠頭特設野外ステージ。
メジャー・デビュー20周年となるBUCK-TICKが主催する初の野外フェス
“BUCK-TICK FEST 2007「ON PARADE”。
2005年にリリースされたトリビュート・アルバム
『PARADE~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』に参加したアーティストすべてが集合し、
当然、BUCK-TICK自身も登場する一大イベントが2007年9月8日に横浜で行われた。
ギリギリまで開催が危ぶまれていた台風も過ぎ去り、当日は見違えるような晴天。
というより、一気に真夏に引き戻されたような炎天下での開催となった。
