Q「緊張は?」

「あります!ええ。もう、いつもよりは、楽しい緊張感」

(櫻井敦司)




2008年4月2日リリースのスペシャルDVD『BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE』
完全予約限定盤 リミテッドコレクターズ・エディション(DVD2枚組)に付属されるディスク2より。
2007年9月8日(土)横浜新港埠頭特設野外ステージでのライヴとバックステージの模様。

この年でデビュー20周年となるBUCK-TICKが主催する初の野外フェスとなる。
【“BUCK-TICK FEST 2007「ON PARADE」”】は、
2005年にリリースされたトリビュート・アルバム『PARADE~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』
に参加したアーティストすべてが集合し、
もちろんBUCK-TICKも登場する一大イベントである。
ギリギリまで開催が危ぶまれていた台風9号も過ぎ去り、当日は見違えるような晴天。
というより、一気に真夏の真っただ中に引き戻されたような炎天下での開催となった。



2007年9月8日(土)
横浜新港埠頭特設野外ステージは、
【開場】 11:30
【開演】 13:00
【終演予定】 21:00
のスケジュールとなる。

9月メジャーデビュー20周年を迎えるBUCK-TICKの新たな挑戦、
アーティスト自らが発信し、イベントを企画したBUCK-TICK FEST。
これまで、主役級でのイベント参加は経験しているが、
この2007年のこのフェス・イベントは、完全にBUCK-TICKが、BUCK-TICKによる、
BUCK-TICKのための一大イベントとなった。

彼らに影響を受けたアーティスト。
また、彼らが影響を受け、その系譜に痕跡を残したアーティスト。
そして、意外なジャンルの中に、繋がりを魅せるようなアーティスト14組が集結した
夢の一大イベントが実現を見た、と言えるだろう。


この多彩な関係アーティストの熱いライヴ・アクトの末、

最後はいよいよBUCK-TICKの登場。

レイヴ系アーティスト代表の世界的DJの権威“KEN ISHII”のパフォーマンスのままに、
突入するオープニングSEと1曲目の「Baby,I want you」。

この直前の主役BUCK-TICKのメンバーの心境がコメントされている。


櫻井敦司
「エ~、アーティストの皆さん、スタッフの皆さんの為にも、最後まで楽しくやりたいと思います。
そして、ファンの皆さんの為に」

今井寿
「気持ちイイっす!」

樋口豊
「最後、思いっきり自分達が楽しましてもらいマス!」

星野英彦
「とりあえず、楽しみたいです!」

ヤガミトール
「カッコいいライヴ!やりたいと思います」



◇◇◇◇◇



そして、この【BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE 】を思い起こす、メンバー。
なにか、まるで、白昼夢を見ていたかのように、語る姿が印象的である。

果たして、【FEST】は、夢だったのか!?



櫻井敦司
「え~と、もう、なんて言うんだろう…昼間の野外っていうのもありまして。
う~ん。最初から最後までスゴイ印象的な一日で・・・。一日でしたね」



星野英彦
「まあ20年・・・。20周年ということで…。ひとつの区切りが出来たかな、っていう。
うん。そう思いますね」



今井寿
「エ~。・・・酔っ払いましたね、気が付いたら・・・(笑)。エエ。楽しかったデス」



ヤガミトール
「色んな人が集まってくれたし、そういう部分では、ああ20年やったんだナっていう。
そういうの、ありましたね。
ただ、あまりにもアソコで楽し過ぎちゃって。
普通のツアーに入った時に、何か、ギャップっていうか(笑)。
そういうのが、ちょっと、あって・・・。
普通に、こう、冷静に戻すのが大変でしたね」



樋口豊
「まず、あのスタッフに感謝ですよね。
普通、周りの話を聞くと、ああやって、
同じステージ上に、あれだけの数のバンドが出るっていうのが、もう、滅多にないと思うんですけどね。
あの、その、短い時間で、っていう。
あの、例えば、オールナイトみたいにやったら可能かもしれないんだけど…。
本当に、そのスタッフと出演者の方にも、そうなんですけど。
本当に感謝したいナっていうのがあって」



◇◇◇◇◇



ゴッド・ハンド=KEN ISHIIとのステージ上でコラボ。
始まる楽曲は「Baby,I want you.」。
テクノとロックを融合しつつも新鮮な場面を生み出し、刺激的な導入部を作る。

この白昼夢のような【FEST】の一曲目が、この「Baby,I want you.」であったことは感慨深い。

そして、「RENDEZVOUS~ランデヴー~」「Alice in Wonder Underground」と、
最新のニュー・シングルを次々に演奏してみせる20周年のBUCK-TICK。
明るくはじけたポップ・ナンバーの連続に、横浜の会場も大きく揺れる。

最新楽曲に続く十三階ワールド。
美しいメロディの「ROMANCE」に続き、「DIABOLO」そして「夢魔-The Nightmare」と、
濃厚なカラーを持った曲が連続する。
しかし、アルバム・リリース時の“漆黒の闇”のイメージではない。
すでに、この3曲はアルバム『十三階は月光』から脱却の刻を見せている。
まるで、ダイヤモンドのカッティング・デザインで、輝きが増した如くに。

20周年記念のスペシャル・ライヴでありながら往年のヒット曲ばかりでなく、
あえて最新楽曲と前作のアルバム『十三階は月光』からのナンバーという構成にしてあるのは、
つねに新たなる挑戦を続ける姿を、集結したファン達に見てもらいたい、という彼ら気持ちの表れだろう。

ノイジーな「夢魔-The Nightmare」のアウトロの中、
「ありがとう、これからもよろしく」と櫻井敦司のMCが会場に響き渡る。

アンコールでは、BUCK-TICKの20年の結晶を厳選した「スピード」「JUPITER」という、
彼らに欠かせない代表楽曲が披露された。
ここに中期代表楽曲で幕を開け、最新楽曲へと流れた本編を経て、
過去と未来を繋ぐ手ごたえを充分に残してくれた。


その20年のシェイプこそが感動的であった。



◇◇◇◇◇



Q「終わった瞬間どう思いました?」



ヤガミトール
「いや、なんかもう、充実感と・・・。
台風とかもあって色々、そういう風に。
前の日とか、スゴかったんで、ホントに。
終了して、終わって・・・無事に終わってよかったな、っていうの。ありましたけど」



今井寿
「まあ、なんだろう?ウン。・・・なんとか成功したかな、っていう」



櫻井敦司
「まあ、オーバーですけど。この20年分の疲れが出たというか…(笑)。
それは、言い過ぎなんですけども。
やっぱり、一日、そのアタマから清春君とスタート出来て。
で、その間、ちょっと、やっぱり、楽しんでは、いたんですけど・・・。
張り詰めてる部分も有って。
もう、終わった時は、ナンカ、不思議な変な疲れ方してましたね、はい」



樋口豊
「終わった瞬間ですか?
“ああ、終わっちゃったぁ~”ってカンジですね。
なんか、あまりにも、思いの他、早かったっていう印象がすごく…。
スゴイ早く終わっちゃったナァ~って印象が。
だから楽しかったんだろうナっていうのが、ありますけどね、やっぱり」



星野英彦
「ええ、まあ。・・・すごく感動した、というか。うん、なんか、夢のような一日でしたかね」




フィニッシュの花火が、このイベントを更に“夢ゴコチ”にさせる。




この花火をメンバーは、どんな気持ちで見上げていたのであろう…。




$【ROMANCE】