226年6月14日、東京公演、代官山UNIT。
「バリウム・ピルス」
Lucyによるザ・ルースターズのカバーだ。
セカンド・アルバム『ROCKAROLLICA II』のラスト・ナンバーに、
彼らは、このサイコ・パンクの傑作をフューチャーした。
1979年、人間クラブというバンドを母体にザ・ルースターズは結成される。
人間クラブには、大江慎也を始め、後に4人のザ・ルースターズになるメンバーが参加していたが、
ギター&ヴォーカルは大江慎也ではなく、メインヴォーカルは南浩二だった。
大江慎也の中で歌いたい欲求が強くなり、それがザ・ルースターズ結成を決意させた。
1980年11月にシングル「ロージー/恋をしようよ」でデビューを果たしメジャーに殴り込み。
当初はローリング・ストーンズ、チャック・ベリーのカバーを中心としながら
R&B、ブルースロック、パンク・ロックを基調としたハイテンションなサウンドを展開していた。
彼らのファースト・アルバム『THE ROOSTERS』の一曲目に収録されているチャンプスのカバーソング「テキーラ」
この楽曲も、Lucyのファースト・ツアー【Lucy Show 001】では演奏されていた。
「年は過ぎ季節はうつりかわる
バリウムピルスの量は増え」
1982年、石井聰互監督の映画『爆裂都市 BURST CITY』に
メンバーの大江慎也、池畑潤二に、同郷で同期のバンドであるザ・ロッカーズの陣内と鶴川らと
作中のバンド「バトルロッカーズ」のメンバーとして出演した。
1983年頃から大江慎也が精神的にダウンし始め、
サウンドにも病的な陰影が漂いはじめた。
1983年10月21日に4枚目のアルバム『DIS』をリリースした。
このアルバムのラストの楽曲に「バリウム・ピルス」は収録されているが、
これは、2000年の再発盤収録のボーナス・トラック。
同アルバム制作中の1983年6月に、
のちにこのバンドを主導するギタリスト下山淳を始め、
安藤広一(キーボード)が加入。
また、ドラムスの池畑潤二が脱退し、代わって灘友正幸が加入。
その結果、このアルバムには大江慎也(ヴォーカル、ギター)、
花田裕之(ギター)、井上富雄(ベース)を加え、7名が関わっている。
なお、ジャケットには大江、花田、下山の3人しか写っていない。
これは、この当時のザ・ルースターズが、音楽的変化とともに、
不安定な時期へ突入していたことを物語る。
(※2000年には、デビュー20周年を記念して、3,000枚限定の紙ジャケット仕様再発盤が発売されている。
この再発盤は、リマスタリングが施され、ボーナス・トラック4曲が収録されている。
なお、2003年にも紙ジャケットで再発されているが、この盤にはボーナス・トラックは収録されていない)
サウンド的にはニュー・ウェイヴ色が強まり、
初期のビート・バンドからの変化が如実に表れている。
当時、日本ミュージック・シーンでも人気のあったU2やエコー&ザ・バニーメンのような
ニュー・ウェイヴの色が強くなり、
ディレイギターやキーボードの多用など、初期の骨太なロックとは異なるサウンドを奏で出す。
「街かどにたたずむ奴らの
顔色は日増しに青ざめる」
1984年1月、ベースの井上富雄が脱退し、柞山一彦が加入。
同年4月発売の5枚目のアルバム『GOOD DREAMS』よりバンド名表記を
「THE ROOSTERS」から「THE ROOSTERZ」へ変更。
大江慎也の精神は更に病みだし、次第にレコーディングにも支障をきたし出す。
この頃からすでに、まともにレコーディングできる状態ではなくなり、
『GOOD DREAMS』の中の数曲を、過去の音源のリミックスで穴埋めをするなどの苦肉の策が練られた。
そして同年12月にリリースされたアルバム『φ(ファイ)』は大江在籍時に最後にリリースされた作品となる。
大江慎也の精神は不調をきたし、ライヴやレコーディングで歌えなくなることが多く、
花田裕之もライヴ中にギターを投げ出すなど、バンドは不安定な状態にあった。
それにも関わらず、アルバムは幻想的なサウンドと歌詞で、
皮肉なことに奇跡のアルバムと言われ、評論家の評判も高く、
アルバムの売り上げも過去最高だった。
1985年3月、大江慎也再び入院。
安藤広一もまた脱退し、バンドは解散かと思われたが、
同年7月発売のシングル「SOS」より花田裕之が正式にメイン・ボーカルをとるようになる。
大江慎也はその後バンドに復帰する事はなかった。
「精神科医が君を訪れ
質問を始めよう
毎日何を食べてるかい
どんな夢を見るかい
ブラウン管に絵を書いてみなさい」
「ピルスピルスピルス」
ザ・ルースターズのトリビュート・アルバム『RESPECTABLE ROOSTERS』は、
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、東京スカパラダイスオーケストラ、POTSHOTなど、
ルースターズに対する思い入れがかなり強いバンドが集結したものである。
その最たるバンドがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTである。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTはアマチュア時代から彼らの曲をカバーし続け、
世界観、サウンド共に継承し、それに独自の色を加え更に練り上げ大成功したバンドである。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは1960年代から1970年代のパンク・ロックやパブロック、
ガレージロックからの影響を濃く見受けられるサウンドが特徴。
メンバーはチバユウスケ(ヴォーカル&ギター)、
アベフトシ(ギター)、ウエノコウジ(ベース)、クハラカズユキ(ドラム)の4人。
脱退したメンバーにシガケイイチ(ギター)がいる。
全員、細身のモッズスーツを衣装とし、ライヴにおいてはほぼ欠かさず着用している。
楽曲制作の際は基本的にチバが作詞し、作曲はメンバーのセッションの中で練り上げられていくことが多く、
楽曲制作のきっかけに明確な決まりは無く、
チバが1コーラスだけ作ってメンバーに披露して作り始めることもあれば、
アベやウエノが何気なく弾いたリフ、クハラのフィルなどからセッションが始まることもある。
彼らの「GT400」という楽曲はルースターズへのリスペクトが前面に出ていて、
多くのルースターズファンのミュージシャンがしてやられたと脱帽することになったという。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのベーシスト:ウエノ コウジは、
2005年12月、rally名義でBUCK-TICK20周年記念のトリビュートアルバム
『PARADE~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』にも参加している。
また、2007年9月8日、デビュー20周年記念イベントとして開催された
横浜みなとみらい 新港埠頭特設野外ステージの『BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE』にも参加。
「惡の華」を演奏している。
rallyは、MICHELLE解散後のRadio Carolineのウエノコウジと
THE MAD CAPSULE MARKETSのMOTOKATSU、GLAYのHISASHI&TERUが組んだバンドで、
ひときわ長身でベースを鳴らしているのが彼である。
先日、逝去した元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの孤高のロックギタリスト、
アベフトシ氏の冥福を、繰り返し、心より祈る。
こちらは【白Lucy Show】に収録される6月18日の新木場STUDIO COASTの
【Lucy Show002~Shout,Speed,Shake your ROKAROLLICA~】ライヴ・パフォーマンス。
今井寿のギター・ソロを、Kiyoshiがコールしている。
バッチリと決まったギター・ソロであったが、
その後のヴォーカルの様子が可笑しい?
アレ?と思っていると、正直な今井寿は、サイドのカメラをチラッと見てから、
マイクを通して、照れくさそうに「間違えた…」とコメントしている。
しかし、まるでそんなトチリを掻き消すかのように、相棒Kiyoshiは、
迫真のヴォーカル&ギター・プレイを繰り広げる。
ステージ全面で、汗を迸らせるKiyoshiが、セクシーだ。
バリウム・ピルス
(作詞:大江慎也/作曲: 大江慎也/花田裕之/井上富雄/池畑潤二)
年は過ぎ季節はうつりかわる
バリウムピルスの量は増え
街かどにたたずむ奴らの
顔色は日増しに青ざめる
精神科医が君を訪れ
質問を始めよう
毎日何を食べてるかい
どんな夢を見るかい
ブラウン管に絵を書いてみなさい
サイコセラピストと呼ばれるのは
ニューホスピタルの集団療法
エレクトロニクスを駆使して
フローズン・ハートで治療する
君は近ごろ少し変さ
どこか普通じゃないと思ったら
3685にTELEPHON
診療してもらうんだ
ヒョウイ現象ボケ状態
ALL YOUR BAD DREAMS DIVING IN
HOW LONG DID YOU WATCH T.V.
YESTERDAY
ALL YOUR GOOD DREAMS FADE AWAY
HOW LONG DID YOU WATCH T.V.
YESTERDAY
ピルスピルスピルス
ピルスピルスピルス