ヴィデオ・シューティングのライヴ公演となった2005年6月29日30日の2DAYS。
NHKホールでの舞台が終了すると、BUCK-TICKは、大阪へ飛ぶ。
その週末をライヴツアー【13th FLOOR WITH MOONSHINE】の
最終公演大阪厚生年金会館大ホールでの2DAYSをパフォーマンス。
(※この模様はSKYパーフェクトTVのPPV(有料番組)で放映)
続く7月10日、16日と
FISH TANKer's ONLY 2005【13th FLOOR WITH MOONSHINE】開催する。
これはライヴハウスでのパフォーマンスとなる。
(10日、Zepp TOKYO。16日、なんばHatchにて)
このセットリストがまた、サプライズであった。
【第一部】
オープニングSE: ENTER CLOWN
1.降臨
2.道化師A
3.Cabaret
4.異人の夜
SE: CLOWN LOVERS Senorita
5.Goblin
6.ALIVE
7.月蝕
SE: Lullaby Ⅱ
8.DOLL
9.Passion
10.ROMANCE
11.seraphim
12.夢魔-The Nightmare
13.DIABOLO
SE: WHO'S CLOWN?
【第二部】
14.ICONOCLASM
15.Baby,I want you.
16.MY FUCKIN' VALENTINE
17.MY FUNNY VALENTINE
18.ノクターン -Rain Song-
19.悪の華
20.スピード
21.鼓動
アンコール
22.COSMOS
二部構成で、パフォーマンスされたこの二公演は、
第一部が完全にアルバム『十三は月光』の曲順で再現され、
第二部に、結成20周年を初めてここで祝うかのようなエントリーが並ぶ。
なによりも、『十三階は月光』のオリジナル・ストーリーを忠実に再現した
第一部は、ファン渇望のライヴ・アクションとなった。
ツアー前にTVのインタヴューで、櫻井敦司が、「いいですね」と賛同していた“夢”が、
現実化した瞬間でも、あったのだ。
◆◇◆◇◆
『UV』誌より、この2005年のメインツアー「13th FLOOR WITH MOONSHINE」を終了した
櫻井敦司と今井寿の言葉を此処に残そう。
(以下、引用抜粋)
「13th FLOOR WITH MOONSHINE」
月下の一群。
ステージ上の5人と、交錯する登場人物たち。
今回のツアー「13th FLOOR WITH MOONSHINE」を観ていて思ったのは、
これまで以上に演出面での枠を作っていながらも、
枠を超えてわき出してくるイメージがものすごく豊富なライヴであったということ。
ゴシックをキーワードとして誕生したアルバム『十三階は月光』をベースに
深く確実なインパクトを残してくれたBUCK-TICK。
今回のツアーが意味していた世界観、その大きな収穫について、櫻井、今井のふたりに話を聞く。
――アルバムがあれだけ作り込んだものだったので、ライヴも作り込んだものになりそうだなというのは?
今井「最初からショウ的な、演劇的なものにしたいというのはあって。
ステージの構成、全体的なテーマやコンセプトはほとんどあっちゃんとスタッフで作り上げたものです」
櫻井「今回のアルバム・ジャケットのデザイナ―さんと話して、
ジャケットとPVの雰囲気をステージで出せないかなと。
たとえばサーカス、見世物小屋、キャバレー、そういったキーワードを出して絵にしてもらって。
それを実現できるようにスタッフと話をして、なるべく思っていたものに近づけて、あの形になりました」
――今井さんから何か注文は?
今井「特になかったです。
最初のステージ・プランや図面の時点でソファとか細かい小道具もあったので」
――セットやイメージが細かく設定されていると、やりやすいものですか?
今井「別にやりにくくはなかったです。
だんだん本数重ねていくうちにいい意味でマンネリというか。
毎回同じで、本当に自分の歩数まで決まっているんじゃないかって思えてきて(笑)。
それが面白かったです」
――ふつうマンネリになるのを防ぐためにあれこれ考えたりしますけど、
マンネリに入ったほうが気持ちいい場合もある?
今井「そうですね。それでだんだん完成されていく、みたいな感覚はありました」
櫻井「実際はもっと曲順も変えたかったんですけど、あんまり混乱しても仕方ないので」
――まず全国ツアーがスタートしてみて、最初の感覚はどうでした?
櫻井「ツアー前にいくらかリハーサルをやっていても、
お客さんが入って初めて自分の見せ方がわかってくるというか。
あまり周りの意見を聞かないほうなんですけど(笑)、
最初からすごき完成度が高いですねと言われて。
褒められるとのぼるたちなので(笑)、じゃあもっとやってみようって。
個人個人、プレイとか満足度も見せ方も毎回違うでしょうけど、
わりとツアーの頭から高いテンションがいいところで保てていて。
自分たちで作った決めごとも、他のツアーに比べてはっきりあったので、
最初からすごく見えていた感じですね」
――その決めごとは、やってるときには制約にならないですか?
櫻井「ならないですね、自分の中でことでもあるし、誰かに言われたからっていうものでもないので。
それは他のメンバーも同じですね。
制約というより、世界を守って、その中で位置づけをどんどん広げて固めたりっていう感じだったと思います」
――28本の全国ツアーのあとに6本の追加公演がありましたけど、
クラウンやバレリーナは追加公演から登場したんですよね?
櫻井「はい、ツアーが始まる前に、そういうエキストラの加わったステージをやりたいなと思っていたんですけど、
全国ツアーでは難しいけれど、追加公演というタイミングで東名阪でできることになって」
――NHKホールの初日を観たんですけど、決めごとがある仲でもイメージが広がる印象があったし、
声もすごく出ていましたね。
櫻井「個人的にはもっと見せ方を考えないとっていうところに追い込まれたというか、追い込んだんです。
ちょっと力は入っていたんですけど、28本回ってきて喉のコンディションも含めて自負はありましたから。
ただ、個人的にVIDEOを観てて、もっとやれるところもあったなと思うんですけど、
そうやってみなさんがいってくれると良かったなと」
今井「追加公演は、気分が高揚するアイテムが増えた感じで、すごく良かったですね」
――あと気になったのは、今井さんの足を高く上げてギターを弾くアクションですけど。
今井「あれは、ツアーお最初からです。もう、ずっとやろうかなと(笑)」
――途中でやめるわけにもいかない(笑)。あれは何かヒントがあるんですか?
今井「(つま先の曲がった)クラウン用の靴を探してきてもらったんですけど、
そのせいか、ああなっちゃうんです(笑)」
――自分の意図と関係なく足が動く?
今井「そう(笑)。あと、ものすごくブカブカなので、ああいう動きになってました」
――今井さん自身のプレイに関しては?
今井「いい日もあれば、そうでない日もありましたけど。
それほど思い切ったミスはなかったと思います」
――そのあと、ファンクラブ限定ライヴがありましたけど。
こちらは内容を変えて、アルバム『十三階は月光』の曲順のまま一部を行い、
二部はノリのいい曲という構成で。
今井「ライヴハウスだったので、
狭いステージで今回のアルバムの曲をやるのにちょっと違和感はありましたけど」
櫻井「もう、別ものと考えていたので、
ファンクラブの人に驚いてもらいたい、楽しんでもらいたいということで、
何かいい手はないかと考えて。
ツアーとは別の雰囲気でサプライズがあればいいなと」
――この3か月近いツアーをトータルしてみて、手応えはどうですか?
櫻井「最初からある程度、形になっていて。
追加公演はそれが実体となったと言いますか。
満足いく形で終われたと思います」
――世界観がはっきりしていたので、追及しがいのあるツアーだったんじゃないかと?
櫻井「目的、形、正解が見えていたと言いますか。
なので、やりやすい分、正解にぴったりハメるのもやりがいがあったし。
大変だなとも思ったんですけど。
いろんなことができる発見と言いますか、ひとつ形を作って、そこに向かっていくというやり方もあるんだなと」
――アルバムからゴシックというキーワードが続いていて、
しかもゴシックというイメージの最大公約数的な要素が強かったと思うんですけど?
今井「ええ、最もわかりやすかったところをやったと思うんです。
良かったと思いますね。突き詰められて」
――ゴシックはここでひと区切り?それとももの先も追及する気配はあるんですか?
今井「やるにしても、ゴシック、ゴスの解釈の仕方というのはまだまだあると思うし、
ま、わからないですけどね(笑)。
区切りとかは全然考えてないですけど」
――ただ、ひとまずツアーも終わって、このあとバンドはオフの状態ですか?
今井「夏休み扱い、みたいです(笑)」
櫻井「冬まで(笑)?」
(以上、引用抜粋)
◆◇◆◇◆
2005年12月14日、ライヴDVD『13th FLOOR WITH DIANA』が発売となる。
クリスマスにはもってこいの“悪夢”となった。

