2003年日本武道館ライヴ【THE DAY IN QUESTION】
12月28日、夢のような2日間の幕が開ける。

そして、この2日間は、全くの別メニュー、
別ステージセット、別セットリスト、別衣装。
従ってメンバーを含め、BUCK-TICKファミリーが一丸となっての、
連日別ライヴショウが繰り広げられた事になる。

【THE DAY IN QUESTION】12月28日セットリスト

 1.BUSTER
 2.ナカユビ
 3.LIMBO
 4.神風
 5.エンジェルフィッシュ
 6.相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり
 7.love letter
 8.パラダイス
 9.RHAPSODY
 10.FLAME
 11.MY FUNNY VALENTINE
 12.GIRL
 13.Baby,I want you.
 14.薔薇色の日々
 15.Mona Lisa
 16.KISS ME GOOD-BYE
 17.MY EYES & YOUR EYES

アンコール-1
 18.幻想の花
 19.ノクターン -Rain Song-
 20.CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME Ⅲ


非常にバラエティ豊富な構成の選曲となったと言える。
1日目のステージセットはエレガントな宮殿のような雰囲気。
開演時間は18時45分、彼らにしては、早めのスタートだ。
SEの中、メンバーが登場する。

年末のイヴェントに相応しく、まるで舞踏会に参加するような豪華な衣装であった。
櫻井敦司は、黒い羽根付きの帽子に黒いロマネスク風の衣装が中世の貴族のようだ。
ヤガミトールは、黒と白のストライプのトップスと、黒のパンツ。
樋口“U-TA”豊は、ブラックのドレス・スーツ。
星野英彦は、ハイネックのインナーに、菱縞のスーツ。
今井寿は、豹柄のジャケットに、黒いカッターシャツ、ゴールドのネクタイ、ボトムは黒の皮パン。


頭の3曲は、最新アルバム『Mona Lisa OVERDRIVE』から、「BUSTER」「ナカユビ」「LIMBO」。
前年の異表をを突く「SEXUAL XXXXX!」「ILLUSION」のスタートから見ると、
予想に反してスタンダードなスタートである。

こういった裏の裏をかくプレイが、得意なのが、今井寿だ。

しかし、思えば、前年、新曲としてタイトルも告げられず披露された
「BUSTER」がオープニングであったことにも意味があるように感じてくる。

この3曲を聴いていると2003年のライヴツアーのデジャヴュを見ているようだ。

「LIMBO」までに充分、身体が暖まると、次の一曲は「神風」。
櫻井敦司の語り部分も懐かしいアヴァンギャルドなダークロック。
「エンジェルフィッシュ」は、櫻井敦司のエロティックなスウィングナンバー。
星野英彦が、ファンクラブ会報で、演奏を望んでいた一曲。

そして、次は、本当に珍しい選曲であった。
「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」
今井寿メインヴォーカルの印象的ダークロック。
ファンクラブ【FISH TANK】の由来にもなった1995年のBT裏の代表曲。
当然、この楽曲のプレイもツアー【Somewhere Nowhere 1995】以来であろう。

続く「love letter」も、彼らのダークサウンドを確立したアルバム『Six/Nine』から。

ライヴ初登場となる「パラダイス」。
この楽曲は、2日間との演奏された6曲のひとつだ。
櫻井敦司が叫ぶ

「狂いたい、お前と狂いたい!!」

今井寿が、箱型のギターに持ち替える。
BT流、サヴァイバル巨編「RHAPSODY」。
これも久々の登場だ。
今井寿のギターソロでは、櫻井敦司が、“ギラギラ輝く風切り羽の黒い翼”の御礼とばかりに、
羽根付き帽子を今井寿に被せる。

さらに感動を加えたのは、この「RHAPSODY」に続き演奏された「FLAME」。
完全無敵のアルバム『ONE LIFE、ONE DEATH』のフィナーレを再現したかのようだ。

ステージでは、「FLAME」の“恋の炎”が燃え上がる。

今宵はカーニバル。
櫻井敦司が観客を煽る

「凄い選曲でしょ?何故ならお前達が好き勝手選んだからだ!」

ウォーッと歓声があがる。
このコミュニケーションも、板に付いたものだ。
今宵、【THE DAY IN QUESTION】。

「My funny Valentine」今井寿のコーラスも妖艶だ。
続いて「GIRL」。
2003年は、この曲から始まったと言って過言ではない。
「Baby, I want you」BT黄金のロックナンバー。
櫻井敦司は、豪勢なロングコートを脱ぎ首に巻く。
「薔薇色の日々」はカップリングの名作。
【FISH TANK】会報でもリクエスト上位であった同曲が、薔薇の香りを日本武道館に振りまく。

櫻井敦司はコートを頭から被り、「Mona Lisa」を演る。
絶妙な今井寿とのダブルヴォーカルが、戦慄のメロディを奏でる。
震え出しそうだ。

ここで、本編ラストかと思わせつつ「KISS ME GOOD-BYE」。
まるで、映画のワンシーンを観ているかのような錯覚に囚われる。
ムーディな一曲で、本当に夢のようなセットリストだ。

「じゃあ、これで取りあえず、お別れします。
とても懐かしいのをやりたいと思います。楽しもう!」


本編ラストナンバーが映像の「MY EYES & YOUR EYES」。
【FISH TANK】会報では、リクエスト第一位を獲得した
メジャーデビューアルバム『SEXUAL×××××!』のフィナーレを飾るナンバー。
やはり、この年の【THE DAY IN QUESTION】はやはり一味違う。


アンコールでは、最新シングルから2曲。
「アンコール、どうもありがとう、もう会えないかと思ったよ」とMCする櫻井敦司。

「大事な曲がまだありますので、聞いて下さい。 
……それは素敵な夢かと 君は狂ったように笑う。諸行無常…」


「幻想の花」

ステージバックのループカーテンが色とりどりに花開く。

ライヴ初登場「ノクターン -Rain Song-」。
星野英彦と今井寿のダブル・アコースティックが奏でる躍動感。
この楽曲で、日本武道館の天井から雪が舞い降りる。
どうやら、今宵は雨から雪に変わったようだ。

幻想的な雰囲気の中、夢をみているような観衆に、櫻井敦司が告げる。

「どうもありがとう。 
とっても幸せになりますように…という思いを込めて、最後の曲に移りたいと思います。
最後は、今井から、そして、5人からプレゼントを贈ります」


「CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME Ⅲ」
この日の意外な一曲はコレであった。
セカンド・アルバム『SEVENTH HEAVEN』からのポップナンバー。
アレンジも新たに、客電も点灯された中でのパフォーマンス。
【FISH TANK】会報のアンケートにも登場しなかった隠し玉である。

「せめて最後はこのまま…」




「ありがとう、最高でした。 愛溢れる1日でした。
後は、ユータとアニイと遊んで下さい!」

と櫻井敦司がステージを去る。

樋口豊が投げキッス。ヤガミトールがペットボトルを客席に投げる、
メンバーがステージ去って行く。

一日目の夢が終わる。
しかし、この年はこれだけではない。


翌日のパフォーマンスは、BS放送で生中継される。



MY EYES & YOUR EYES (4:56)
 (作詞・作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK・中山努)


きらめく数えきれない想いが あふれ出して
AH わかり合えずに I・・I LOVE
OH CRUSH IN THE NIGHT

求める事もしないで 確かめ合う夜には
AH 忘れかけてた I・・I LOVE
OH CRUSH IN THE NIGHT

互いに信じ合えた あの夜を過ごそう
力を抜いた体が 窓に透ける光に照らされた

砕けた二人の想い 両手でかき集めて
AH 声にならない I・・I LOVE
OH CRUSH IN THE NIGHT

悲しみに染まる事も 気づかずに抱き合う
涙でくるんだ笑みが 震えながら胸に転がった

初めて知る夜の 月の青さによく似た
凍てつく MY EYES AND YOUR EYES
トケズニイタダケドスベテハ

互いに信じ合えた あの夜を過ごそう
力を抜いた体が 窓に透ける光に照らされた

悲しみに染まる事も 気づかずに抱き合う
涙でくるんだ笑みが 震えながら胸に転がった

初めて知る夜の 月の青さによく似た
凍てつく MY EYES AND YOUR EYES
トケズニイタダケドスベテハ


【ROMANCE】