【幻想の花】

感謝したい 心から 太陽と 水と 空気と あなたに

【ROMANCE】

そうすれば、幻想の花が咲く





マリリン・マンソンとの競演を9月に大阪、東京で果たし、
しばし、OFF期間に入っていたBUCK-TICK。


活動の再開は、師走のあわただしさが走り始める12月3日リリースとなったシングル盤『幻想の花』、
そして6月の日比谷野音ライヴDVD【Mona Lisa OVERDRIVEーXANADUー】の同時発売であった。




一種独特の空気感を誇るこのシングル盤『幻想の花』。

どのアルバムにも、属することのないシングルだ。
タイトルの「幻想の花」にしろ、「ノクターン -RAIN SONG-」にしろ、
素晴らしい出来で、完成したBUCK-TICKという音楽組織の集大成と言える。

これは、日本音楽界のみならず、世界水準でも称賛すべきクオリティーだ。

ヴィデオ・クリップの花化粧の櫻井敦司が囁く。

「狂い咲きの命燃やす 揺れながら あなたが咲いてる」

この“花”“命”だ。

なぜ、この時期に、飛躍的な前進を、BUCK-TICKは果たせたのだろうか?

氷の『極東 I LOVE YOU』と炎の『Mona Lisa OVERDRIVE』。
この両極端を、経て、彼らは、恐らくこの飛躍を手にする事が出来たのであろう。
また半年前の【ーXANADUー】日比谷野音で演奏されたデモ歌詞も、
時を経て、このシングル用に完成し、見事な美しさを誇る。

しかし、それだけではない。
それまで、彼らの中で眠りつづけていた“花”が芽を出す。
それを、待っていたのかも。

恐らく、彼らも、また、気付いたのだ。
大切な何かに。

だから、2年前では、やはり早すぎた…。
このタイミングこそ、いつも、ベストだ。

一瞬早すぎず、一瞬遅すぎず…

まさに、何処に出しても、恥ずかしくないBUCK-TICKの世界だ。



「幻想の花」は櫻井/星野作品という観点から見ると、
これは、「JUPITER」以来の衝撃と言えた。

「歩き出す月の螺旋を 流星だけが空に舞っている
 そこからは小さく見えたあなただけが 優しく手を振る」

“歩き出す月の螺旋”の上には、この“幻想の花”が咲いていたのだ。



また、歌詞の面でも、櫻井敦司の詩作にも、ポジティヴな前進が見られる。
「FLAME」でどこまでも、儚く哀しく“恋”という胸に咲く花。

「あの日恋をした 忘れかけた花が咲く
 あの日恋を知った 炎みたいな 」

“忘れかけた花”が囁き歌う、この世界は、美しい、と。

幻は幻である。

しかし、カタチにならない、自分の中のこの宇宙で、
確かに存在している。

それは、「残骸」で唄われている。
“夢”だったり、“希望”だったり…、
“生命の光”だったり。



「甘い蜜 飲み干せば やがて苦しみに染まる
 花を…花を敷き詰めて」


美しい花には、棘がある。

“光”があれば、必ず“影”が射す。
“哀しみ”を知らなければ、“幸せ”を感じることは出来ない。
“喜怒哀楽”は、“Loop”する。

だから…、大丈夫。焦らなくていい。

その棘で傷付くことが、人生…、それでいい。

だから、花を敷き詰めよう。




誰もが、自分の【幻想の花】を咲かせるんだ。

いや、それは、すでにあなたの隣に咲いているのかもしれない。

まだ、あなたは、気が付いていないだけで…。

「あなたはとても綺麗な 花びらを千切る
 真実に触れた指に 朝日が突き刺す」


隣を見てみよう。

そして、それに気が付いたら、夜が明ける。

この夜の果てを越えて。









 嗚呼

【幻想の花】よ

 歌っておくれ

 この世界は 

 美しいと








 そうだろう?


【ROMANCE】

「お散歩すると新しい何かに出会う すぐ傍にある名もなき花 ただそこで揺れている
 実をつけて花が咲き可憐に微笑む 凛とした表情
 あなたの姿 私はみつけたよ
 知らない世界 あなたが教えてくれる 未知の扉
 自然が知らせてくれた 暖かいシグナル
 こんにちは これからもどうぞよろしくね
 花の妖精が私にそっと囁く あなたの傍で寄り添う花になりたい」


【ROMANCE】

Do you remember?

名もなき花を   あなたへ




幻想の花
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦 / 編曲:BUCK-TICK)


幻想の花 歌っておくれ
この世界は 美しいと
それは素敵な夢だと
君は狂ったように笑う

甘い蜜 飲み干せば やがて苦しみに染まる
花を…花を敷き詰めて


幻想の花 歌っておくれ
この世界は 美しいと
それは素敵な夢だと
君は狂ったように笑う

甘い蜜 飲み干せば やがて苦しみに染まる
花を…花を敷き詰めて

あなたはとても綺麗な 花びらを千切る
真実に触れた指に 朝日が突き刺す

狂い咲きの命燃やす 揺れながら
あなたが咲いてる
この世界は美しいと 歌いながら
きっと咲いている

狂い咲きの命燃やす 揺れながら
あなたが咲いてる
この世界は美しいと 歌いながら
きっと咲いている

【ROMANCE】