BUCK-TICKは、2003年1月8日のシングル「残骸」リリースでオリコン初登場第5位を記録すると、
同1月24日、渋谷AXにてシークレットライヴを限定抽選したファンの前で実施。

続く、2月13日に、BMGファンハウスからの3作目、
待望のアルバム『Mona Lisa OVERDRIVE』をリリース。
これまた、オリコン・アルバム・チャートで初登場第7位を獲得し、
3月4日より千葉県・松戸森のホール21からホールツアー【Mona Lisa OVERDRIVE】を開始。
4月10日のNHKホールまで、合計17本のパフォーマンスを披露した。

本編のセットリストの原型は

オープニングSE: Continue
  1.ナカユビ
  2.残骸
  3.MONSTER
  4.BUSTER
  5.無知の涙
  6.LION
  7.カイン
  8.限りなく鼠
  9.ASYLUM GARDEN
  10.Tight Rope
  11.BLACK CHERRY
  12.GIRL
  13.Baby,I want you.
  14.LIMBO
  15.原罪
  16.愛ノ歌
  17.Mona Lisa

アンコール-1
  18.Sid Vicious ON THE BEACH
  19.細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM
  20.idol

となっていて、アンコール-2には、
「唄」「die」「さくら」「MAD」「ICONOCLASM」などが演奏され
最後の「極東より愛を込めて」そして「SE: Continuous」で幕となるパターン。

実にエネルギッシュなセット・リストで、
新アルバム『Mona Lisa OVERDRIVE』の標榜する“攻撃的”で“ストレート”なロックンロールが、
充満するような内容となった。

この後18本目の渋谷AXと23本目のON AIR OSAKAのライブがFT ONLYのライヴとなり、
19本目から25本目のツアータイトルが【TOUR Here we go again!】のライヴハウス・ツアーとなる。

ライヴハウスでの基本セット・リストは

 オープニングSE: Continue
  1.ナカユビ
  2.ヒロイン
  3.LIMBO
  4.原罪
  5.残骸
  6.キラメキの中で・・・
  7.見えない物を見ようとする誤解
    全て誤解だ
  8.Death wish
  9.BUSTER
  10.MONSTER
  11.BLACK CHERRY
  12.Sid Vicious ON THE BEACH
  13.GIRL
  14.Baby,I want you.
  15.ICONOCLASM
  16.極東より愛を込めて
  17.愛ノ歌

となり、アンコールでは、
「Mona Lisa」「die」「TO SEARCH」「スピード」「MY FUCKIN' VALENTINE」「BRAN-NEW LOVER」等がプレイされる。


映像のDVD『at the night side』は、翌年2004年の4月21日に発売された作品で、
このライヴツアー【Mona Lisa OVERDRIVE】と次のライヴハウス・ツアー【TOUR Here we go again!】から
その一か月後のファイナル・スペシャル野外ライヴ2days
【Mona Lisa OVERDRIVE -XANADU-】までの模様を
ドキュメンタリー・タッチで収録した作品となる。

この日比谷野外音楽堂で行われたスペシャル・ライヴの模様が、
DVD『Mona Lisa OVERDRIVE -XANADU-』に収録されていて、
発売時期は2003年12月3日なので、ご紹介が前後するが、
2003年の活動を記録したDVD『at the night side』を先に紹介することで、
この年、BUCK-TICKがいかに、“アグレッシヴ”に活動を繰り広げたかが、おわかり頂けるだろう。



繰り返すが、16年目のBUCK-TICKは、とことん過激であった。

その過激さを示唆する“ロックンロール”。



『Mona Lisa OVERDRIVE』は当時のBUCK-TICKにしか構築し得ない、
自然体で攻撃的なロックンロール・アルバムなのだ。

“ロックンロール”という言葉は、明確でありすぎて逆に曖昧かもしれない。

間違っても僕が指しているのは、かつて革新的だった伝統的音楽形態のことではない。

ロックンロール=カッコいいもの。
ロックンロール=ルールのないもの。
ロックンロール=何かが欠落し、どこかが壊れているもの。
ロックンロール=とにかく病みつきになるもの。

そんな解釈に共鳴してくれる人なら、この『Mona Lisa OVERDRIVE』に震えないはずないだろう。
まさにコンセプトとか方向性とかといった束縛とは無縁のところにある、解放的作品。
このスリルを、アソビゴコロを、痛いくらいの快楽を、僕は単純に“カッコいい”としか形容できない。

「Mona Lisa OVERDRIVE」といえば、ウィリアム・ギブスン作の小説に同名のものがあるが、
そのこと自体が特に意味を持たないことは、明白である。
だが、この言葉の持つとてつもなく鋭い切れ味、説明も分析も放棄したくなるクールさは、
まさにこのアルバムそのものとぴったりと重なりあうものである。

そう、いわばこのタイトルの意味は、聴く個人が決めればいい。
前作『極東I LOVE YOU』の意味が、その後の密度の濃いツアーを経て浮き彫りにされていったのと同様に…。

なにしろメンバー5人のなかでさえ、そのニュアンスは統一されていなかったのだから…。

そんな、自由な空気が充満したアルバムであることは確かだ。

それは、前作『極東I LOVE YOU』の最後に収録された「Continue」から進化する
「ナカユビ」を聴けば、自ずと解明されるであろう。

繰り返す、16年目のBUCK-TICKは、とことん過激である。

僕らが覚悟を決めていた以上に…



【ROMANCE】