「I'm Just A Simple madness man」
狂っていたんだ。
そう、初めっから、そうだ。
ある意味においては、この【WARP DAYS】の「密室」から始まる第二部【Somewhere Nowhere 2002】は、
BUCK-TICKのダーク・サイドに立ち還った“狂気”がテーマの原点回帰と言えるかもしれない。
否、【愛】とか【恋】とかいうものは、そもそも正気の沙汰じゃないのかも知れない。
それをダイレクトに表現すれば、するほど、
「恋文」というものは、術からく、常識を逸してくる。
寧ろ、こんな現実世界では、
「あなたのイヌになりたい」
とでも言う方が、気持ちは伝わる可能性がある。
【愛】は与えて嬉しいもの。
その為なら、人間はなんだって出来る。
そこに、必要なのは、“勇気”なんかじゃなく、“狂気”なのかも知れない。
BUCK-TICKのダーク・ロックンロールを代表するこの全英語詞の「love letter」も
アルバム『Six/Nine』に収録される楽曲だ。
直近の2008年の年末の【FISH TANKer's ONLY】及び【THE DAY IN QUESTION】でも披露されたが、
いつまでも錆び付かないこの「狂人の恋文」は、この日の【WARP DAYS】でもハードに展開された。
「DOWN」との双璧とも言える感情を掻き毟るイントロのギター・フレーズ。
ロックとしては、シンプルな楽曲とも言えるが、今井寿と櫻井敦司のダブルヴォーカルともなると、
様相は一転してくる。
しかも、英詞で韻を踏む部分で客席にマイクを向ける櫻井敦司。
こんなロックを演られて、オーディエンスが興奮を隠しきれる訳がない。
ビンビンとソリ立つギター・リフに身を刻まれて、
あとはもう、BUCK-TICKと恋に堕ちるほか、選択肢は残されていない。
「正直に、お前のほしいものを言ってみろ」
と急かす、今井寿に、
「お前が、ほしい」
と答える櫻井敦司。
そして、呪文のように唱えるのだ。
「俺の“魂”を救ってくれ!
そして、導いてくれ! たのむ!」
と。
なんて、素敵な「恋文」か!
精神的に正常な人間が受け取れば、間違いなく重荷に感じてしまうだろう。
まさに、悪魔に魂を売り渡す瞬間を描写しているようだ。
【愛】や【恋】は、そういった代償の元に成り立つという、
悪魔たちの「正しい恋愛のススメ」と言えよう。
そして、その甘美な「恋文」にのめり込んでしまったら…、
もう、後戻りは不可能。
あの世の果てまでも、道づれだ。
ともに狂えるか、どうか?
そこが問われるのが、悪魔たちの「正しい恋愛のススメ」だ。
さあ、ともに、狂おう。

love letter
(作詞・作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
I'm Just A Simple madness man
Is this what you wanted
Is this what you wanted
Is this what you wanted
Is this what you wanted
Is this what you wanted
Is this what you wanted
Is this what you wanted
I wanna live Just like a bitch
Now what's your desire
You wanna make Just like the rich
Now what's your desire
are you honest are you honest
Is this what you wanted
are you honest are you honest
I need you
I wanna be like your dog
upside down and make a god
You wanna be like our gog
upside down for razz ma tazz
are you honest are you honest
Is this what you wanted
are you honest are you honest
I need you
Save my soul please
Show me the way
Save my soul please
Oh Please. Please take this love letter
I'm Just A Simple madness man
Oh Please. Please take this love letter
I'm Just A Simple madness man
