2000年12月29日、日本武道館。
見事なまでの「女神」「FLAME」のパフォーマンスで、
メンバーも、観衆も、一線を超えた達成感が武道館の空気を包みこむ。
さすがに「女神」「FLAME」を目にした観衆の虚脱感も否めない。
でも…、今夜も、また、最高の夢だ…。
ここで、櫻井敦司のMCが入っている。
「今世紀はありがとう。
来世紀もまたみなさんとやって行こうと思っています。
最後はみんなで…」
「BRAN-NEW LOVER」
12月13日の大阪厚生年金会館では、セットされず、
12月16日の名古屋センチュリーホールでは、アンコールで登場した同曲。
最終日の日本武道館では、「鼓動」に変り、ここにセットされた。
櫻井敦司は、恐らく、ここからこの【TOUR ONE LIFE,ONE DEATH】の
クライマックスに突入していくことを指したMCだろう。
※観客の一部は最終曲かと勘違いし、悲鳴に近い歓声が、日本武道館に響く。
前年のツアーでは、よくラストソングとして用いられた楽曲だ。
「BRAN-NEW LOVER」
“新世紀”を祝うには持ってこいのナンバーだ。
櫻井敦司が手拍子で、この最高の瞬間を迎える。
世紀末の闇を覆う靄を掻き消すかのような今井寿のポップなメロディー。
ヤガミ“アニイ”トールのシンセ・ドラムが、ビシッビシッと躍動感を伝えていく。
星野英彦と櫻井敦司が頻繁にサイドステージで出かけて行き、
絡む。
中央ステージでは今井寿は、奇怪なポーズで観衆にアピールしている。
フリーキーな雰囲気でメンバーは、それぞれ、ファンとのコミュニケーションを楽しむ一曲。
ポップがメロディがぴったりだ。
なぜだろう?
この「BRAN-NEW LOVER」を聴くと“希望”が湧く。
明日という日に“期待”が出来る。
予感がする。
新たなる出逢い。
進化。
逆説的だが、過去は大切である。
過去の全ての要素(エッセンス)で現在は、形作られている。
そして、今、現在で未来は、明日は創り出されていく。
残念ながら、人は過去のすべてを持っては、未来には旅立てない。
きっと、その“スピード”に、ついては行けないから…
だから、人間は、【RE:BORN】変身する。
そう、過去を、深く胸に刻みつけて、新たなる旅に出る。
人間には、別れを告げて、新たなる明日へ。
これこそ、進化の定義そのものだ。
しかし、世の中は「Loop」している。
そして、この宇宙で我々がもう一度逢う時にこそ…
BRAN-NEW LOVER
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
最高の瞬 未来は君の胸で溶けちまえばいい
悲しい夢も 未来も君の胸で消えちまえばいい
人間にはさようなら いつか来るじゃない
この宇宙でもう一度 会える日まで...
パンドラの箱を今 アケハナテヨ
千切れ欠けてメビウスリングトキハナトウ
人間にはさようなら いつか来るじゃない
この宇宙でもう一度 会える日まで...
