BMGファンハウス移籍第一弾シングル「GLAMOROUS」を発表後、
BUCK-TICKは、3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』を引っ下げて、
【PHANTOM TOUR】
09.21 市川市文化会館
09.27 大宮ソニックシティー
09.30 栃木県総合文化センター
10.03 群馬音楽センター
10.05 熊本県立劇場演劇ホール
10.07 静岡市民文化会館
10.09 高松市民会館
10.11 広島アステールプラザ大ホール
【OTHER PHANTOM TOUR】
10.15 Zepp SENDAI
10.17 サッポロファクトリーホール
10.19 新潟フェイズ
10.21 FC限定 LIVE【FISH TANKER ONLY】
10.25 名古屋ダイヤモンドホール
10.27 UMEDA HEAT BEAT
10.29 Zepp FUKUOKA
11.03 赤坂BLITZ
を繰り広げ、そして12月29日の日本武道館を含む
【TOUR ONE LIFE,ONE DEATH】
12.13 大阪厚生年金会館ホール
12.16 名古屋センチュリーホール
12.29 日本武道館
と締めくくりの大ホール3本のツアーを実施した。
このファイナル公演の模様は、翌年2001年の3月28日にBMGより
『ONE LIFE,ONE DEATH CUT UP』としてライヴ・アルバム/DVD/VIDEOがリリースされる。
そのオープニングSEには、「THING Ⅲ」という名が付けられた。
「THING Ⅲ」では、青と緑の光の中、日本武道館が興奮につつみ込まれる姿が描かれている。
CUT INするCGでは、海中に潜り細胞分裂を繰り返すドリーを捩った「die Vernehmung」へ繋がる映像。
これは、映像最後に意外な展開を見せる。
やがて、シーンは激しい光の中へ、メンバーが登場していく。
樋口“U-TA”が手を振りながら、ヤガミトール、星野英彦が颯爽と、
そして、今井寿は気付けば、いつもの定位置で、早くも踊り出している。
櫻井敦司のシルエットが…。
殊に記念日という日があるとするならば、
BUCK-TICKというバンドにとって12月29日という日付は重要である。
「12月29日:日本武道館」
という伝説は、実は、この20世紀最後の12月29日のこの日のライヴから幕を開けていた!
後に【THE DAY IN QUESTION】と名を変え恒例化するこの日本武道館公演は、
終わりと始まりがクロスする瞬間をトレースするかのように、この日産声をあげ、
一大パーティーの様相を催す盛大なものであった。
(※【THE DAY IN QUESTION】は毎年恒例のライヴとなっているが、
アルバムのリリースに伴うライヴツアーではないため、
毎回、自由な選曲によるライヴが行われる。
事前にファンクラブFISH TANK会員を対象に、演奏してほしい曲のリクエストを受け付け、
その結果が選曲に反映される事がある。
日本武道館での12月29日一夜限りの公演となるのが通常だが、
2003年には12月28日との二夜連続で行われたほか、
2004年には日本武道館の他に名古屋市民会館大ホールと大阪厚生年金会館大ホール、
2006年には日本武道館の他に仙台サンプラザホールと神戸国際会館こくさいホールでも開催された。
またデビュー20周年を祝う2007年は【TOUR 天使のリボルバー】最終公演のかたちで実施された)
バンド自身が、外への強いエネルギーを意識して制作された『ONE LIFE,ONE DEATH』。
そんなアルバムを携えての一連のツアーは、
自ずと前回の【SEXTREAM LINER】の時とは違うトーンのものになった。
「簡単に言うとお客さんを楽しませたいとか意識したってこと自体が全然違ってて(笑)。
前まであんまり考えてなかったんでしょうね。
自己満足というか、まあ今でもそうですけどステージだからセットがあって、っていうふうな。
そういう当たり前の流れだったような気もするけれども。
と言ってもステージ上からこう、コミュニケーションをベタベタとるわけでは……
ただ、形をどうあれ意識の持ち様が全然違ってた」
(櫻井敦司)
長い間“弾ける”とか、そういうぶっちゃけた感覚から遠ざかっていた。
―――それよりも例えばステージ上でいかにアルバムの世界観を構築していくか、
という様式的なものに少なからず拘ってきた。
何かがぶっ壊れようと、今を“楽しみたい、楽しませたい”というリアルな衝動に従いたい。
そのポジティヴな柔軟性が、結局は今回のアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』が抱えたテーマや
気分の深いところで共鳴し合い、この突き抜けたパワーを生んだ。
2000年12月29日:日本武道館:BUCK-TICKは伝説となる。
それは、3本のツアーのエンディングであると同時に、
彼等が21世紀に向かう扉を蹴破った瞬間でもあったのだ。
さぁ、大いにパーティーを楽しもうじゃないか!
