「今夜は来てくれてありがとう……。
いいだろう?なかなかいいよ…いやとってもいいよ。とってもいい。
ええ。一応今日で【TOUR OTHER PHANTOM】も終わりますが……
でも、終わりがあるから“美しい”んだよね。」
前ツアー【PHANTOM TOUR】ではライヴ本編のトリが
「FLAME」そして「RHAPSODY」とアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』の収録順とは逆にセットされたが、
【OTHER PHANTOM TOUR】では、急遽この「FLAME」はセットリストから外れ、
「die」と入れ替わっていた!
オールスタンディングのライヴハウスを巡回する【OTHER PHANTOM TOUR】には、
この美しくセンチメンタルな「FLAME」がそぐわないとメンバーが判断したものか?
事実、この楽曲が奏でられると熱狂していたオーディエンスも動きが止まる。
正確には、曲に聴き入って動けなくなってしまうのだ。
事実、なかには演奏中に泣き出してしまうファンも多くいたようだ。
しかし、この今井寿作曲の恐ろしいほど切ないメロディは、
数々の名曲バラッドを生み出してきたBUCK-TICK史の中でも、
感情に迫るという意味においては、間違いなくNO1の会心の出来であったろう。
そして、櫻井敦司が、ここまでストレートに恋愛の抒情詩を表現したことがかつてあったろうか?
どちらかというと、そういったストレートなラヴソングは初期を除いて、
避けてきた感のあるBUCK-TICKが、ここに来て打ち込んだ朱玉のラヴソング「FLAME」。
この楽曲でアルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』もフィナーレを迎えている。
これには、どんな先鋭的BTナンバーも太刀打ち出来ないだろう。
なぜ?ここで、ここまで、純粋な、想いを……。
そういった意味では、誰もを無言にさせてしまう魔法がこの楽曲にかけられている。
櫻井敦司の心の奥の「密室」に小さく、そして激しく燃えた「恋」の炎。
その心の叫びは誰の胸にも、鋭く突き刺さる…
そう、今井寿の究極のメロディに乗って…
この「FLAME」は2000年10月21日の今井寿バースデーの行われた渋谷公会堂での
ファンクラブ限定ライヴ【FISH TANKER ONLY】からセットリストに復活している。
恐らくは、ファンからの熱望にバンドが応えたのではないだろうか?
ツアーファイナルの赤坂BLITZでは、見事な櫻井敦司のMCでリストに復活した「FLAME」が唄われた。
「また…命ある限り、また遊びましょう。
終わりがあるから“美しい”・・・、
次の曲はそんな曲で。
(うん)・・・・いい曲振りができました」
FLAME
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
あの日恋をした 忘れかけた花が咲く
あの日恋を知った 炎みたいな
あの日恋をした 胸のボタン外しては
あなたの横顔 盗み見ていた
ずっといてね わたしの中
今は 笑ってこの胸に 燃える炎は やがては消えるけれど。。。
