櫻井敦司は、単純に“音楽”への渇望を語る。
「音楽とはちょっと離れた問題が結構あったかな。
事務所とかレコード会社のこととか。
で、それが何年かあって。
たまたまと言うか、いろんな人と会ったりして。
去年の頭にレコード会社が決まって。
そういうのもキッカケだし。
だからみんな、去年の頭ぐらいからアルバム創れるっていうので、
新しい環境でいろんな不安もあるけど、前向きでしたからね。
本来、エネルギーを向けられるところがそうゆう、
アルバムだったり音一個一個のところなんで。
やっとそういう集中力を発揮できる場を持てたって喜びは凄くありました」
このコメントの通り、外へと突き抜ける「GLAMOROUS」の光が、
ニュー・アルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』の制作過程にも満ちていた。
そう、BUCK-TICKは、ビジネスとか、世界観とか、思想とか、
そういった副次的なものの前に、“音楽”を必要としていたのだ。
純粋に“音楽”への渇きを癒すが如く、これまでは割とコンセプトを中心に、
深く深く追求するような、音への執着心が、この新作『ONE LIFE,ONE DEATH』では、
エンターテイメントとしての豊富なバラエティ感と、まるでライヴを想定したかのようなロック・スピリッツ!
それでいて、マニアックに走った前作『SEXY STREAM LINER』テクノの要素も
一気に爆発したかのようなアッパーなデジロックに昇華した。
間違い無く、名盤に相応しい輝きを湛えた『ONE LIFE,ONE DEATH』は、
そのタイトル通りに、「一度っきりの生命」を感動的なまでに謳歌した作品となった。
2000年9月20日にリリースされたこのニュー・アルバムは、
ファン達も3年の月日を吹き飛ばすかのように、このアルバムを楽しんだことであろう。
待たされたかいがあったというものだ。
そういった“音楽”への情熱は、このアルバムのライヴ・ツアー【PHANTOM TOUR】や
今井寿のバースデー10月21日に行われたのFC限定ライヴ【FISH TANKER ONLY】渋谷公会堂公演には、
満ち満ちていたのだ。
映像はNHK系『POP JAM』に、アルバム発売直前の9月16日に出演したもの。
この時期の映像では、
皮パンにブランド柄シャツのラフな櫻井敦司と
ブラック・スーツにブラック・ネクタイの今井寿、
そして赤の皮パンの星野英彦というフロント三人衆のパフォーマンスが麗しい。
また、アルバム『ONE LIFE,ONE DEATH』に収録された「GLAMOROUS」は、
―FLUXUS-versionとされ、ミックスが異なる。
GLAMOROUS -FLUXUS-
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
