映像はフジテレビ系列で月曜深夜に放送されていた音楽トーク番組『ロケットパンチ!』から。
前回、出演からは約一年以上間隔が開いて出演となった。

映像にもあるが1998年、8月に【SEXTREAM LINER】公演のラスト日本武道館を収録した
『SWEET STRANGE LIVE FILM』を発売して以来、
長めのオフを取っていたBUCK-TICKが、動きを見せたのは、1999年に入って3月で
BUCK-TICKは、メジャー・デビューより10年の活動を総括した
ビクター時代の2枚組ベスト盤『BT』をリリース。
全32曲には、アルバム未収録のシングル及びカップリング楽曲
「TO SEARCH」
「UNDER THE MOON LIGHT」
「ナルシス」
「ANGELIC CONVERSATION(remix)」
「六月の沖縄」
「君へ」
等も収録されて、ビクター時代のオリジナル・アルバムが補完された。

続いてアルバムではなく、ニュー・シングルの「BRAN-NEW LOVER」を7月に発表して、
再びメディアにその姿を現したのであるが、多くのファンは、この世紀末のバンド活動を、
陰鬱な「月世界」の世界観ではなく、ポップなこの「BRAN-NEW LOVER」を聴いて、
新世紀への期待を感じたに違いない。

結局、マーキュリー時代は2年で終わりを告げることになるが、
後半の1999年の活動は、2枚のシングルと洋楽の大物との共演となるイベント参加という、
比較的マイペースな活動となった。

しかし、この期間に贈り出したシングル楽曲は、どの楽曲もBUCK-TICKの自信とオーラを放つ
秀逸な楽曲ばかりで、クオリティーが高い。
そういう意味では、1998年の「囁き」「月世界」2枚のシングルと、
このニュー・シングル2枚はアルバムぐらいの重みを持っていると言える。

中でも、どこまでもポップな躍動を見せた「BRAN-NEW LOVER」について、
BUCK-TICKのリズム隊の二人はこう語る。


●●「BRAN-NEW LOVER」はどんなシングルに仕上がりましたか。

樋口豊
「まず分かりやすい曲を作りたかったんです。
“ポップ”って言ってしまうと簡単なのかもしれないんだけど、
自分達の色というか…やっぱりうちらってマイナーな曲をやっても
マイナーになりきれないバンドだと思うんですね(笑)。
だから、それを上手い形で出せないかなって思って作った曲なんですよ」

ヤガミトール
「この曲は初めてシンセドラムを全面に使ったんですよ。
難しかったけれど、それはそれで面白味もあったんで、「何でもありだね」って思いましたね。
それまでって生にこだわっていたんですけど、
その曲に合うんだったら合うものを入れればいいんだって思いました」

●●BUCK-TICKのサウンドはデジタルのビートに生のドラムがからむというのが特徴としてあったのですが、
新しいアプローチの手段が加わったという感じですか。

ヤガミトール
「っていうか、その話は2,3年前から出ていたんですよ。
そのころは自分も生のドラムにこだわっていたから無意識のうちに拒否していたのかもしれないんですけど、
今回は今までにやったことのないことをやりたかったから、それでやってみたというか。
おもしろかったですよ。
音質のマジックでジャストに叩かなくてもジャストっぽく聴こえちゃうんですよ(笑)」

以上『UV』誌から引用抜粋。


2000年への新時代への期待を込めて、メンバーも新たなる旅立ちを誓う楽曲「BRAN-NEW LOVER」。
この楽曲には、人間は必ず“進化”出来るという“希望”が満ち溢れる。

番組『ロケットパンチ!』では、前回同様に司会者のペースで、
おもしろいバンドの姿が見られるが、この年の活動も、彼等らしくマイペースで、

櫻井敦司が言うように、

「(変わったことは……何も)……ない」

という調子であるが、

彼等の仕事は、間違い無くスケールアップを感じさせる新曲のリリースとなった。