今回の【Energy Void TOUR】で「die」の先に待ち受けていたものは・・・



「BRAN-NEW LOVER」という楽曲は、
1999年に、日本を(世界を?)席巻した【ノストラダムスの大予言】に対する
BUCK-TICKからのアンサーであったという説がある。
このノストラダムス現象を利用した新興宗教が跋扈し、あげくに集団自殺・・・。
終末思想が、オカルト的な一大ブームを巻き起こした該当の一年が、
この1999年であった。

たしかに、BUCK-TICKというバンドは、伝説や神話をモチーフに、
面白可笑しく、創作し直し、曲作りをするようなことも嫌いじゃなかった。

しかし、あまりにもネガティヴなキャンペーンには警笛を鳴らしたのではないかという説だ。

だから“最後の時”を“最高の時”と表現し、
この終末は、新たなる“誕生”の前触れと定義付けたのである。

そして、もしも滅亡するとしても

「悲しい夢も 未来も君の胸で 消えちまえばいい 」

と言い放つ。



でも、その通りなんだ。

幾ら矮小な僕ら人間が、騒ごうが喚こうが、
世界が滅亡の時を迎える時には、どうしようもないんだ。
だからと言ってすべてを投げ出している訳ではない。

むしろ逆だ。

「君が泣き出すなら雨へと変われ
君が見えなくなるなら闇夜に染まれ 」


とは、終末を、そして未来を恐怖する“君へ”の最大の愛だ。

この歌詞を口にする櫻井敦司は、自身の目玉を抉り取るかのようなアクションをしている。
なんて、ピュアな魂だ…。



この哲学は、初期BUCK-TICKと別れを告げた覚醒アルバム『狂った太陽』のラストソング、
「太陽二殺サレタ」で取り扱ったモチーフだ。
どんなに、僕達が狂っても、巨大な“太陽”には敵わない。
そういった姿勢は、変わらない。

そして、例え世界が滅亡してしまっても、
「大丈夫」
僕らは、母も父も、恋人も、愛の記憶も“Loop”していんるんだ。

だから…

「人間にはさようなら いつか来るじゃない
この宇宙でもう一度 会える日まで...」


と言い切っているのだ。

人類は恐らくすでに「パンドラの箱」を開けてしまったに違いないから…。
行くところまで行くしかないから…。

最新の、そして最高のBUCK-TICKポップ・サウンドで、
ラウドな【Energy Void TOUR】も終幕の時を迎える。

間違い無い。



“最高の時”だ。




BRAN-NEW LOVER
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


北風が全てをさらってしまう
怖がらず目を閉じ抱き合っていよう

最高の瞬間 未来は君の胸で溶けちまえばいい

君が泣き出すなら雨へと変われ
君が見えなくなるなら闇夜に染まれ

悲しい夢も 未来も君の胸で消えちまえばいい

パンドラの箱を今 アケハナテヨ
千切れ欠けてメビウスリングトキハナトウ

世界ノ終わりなら 真夏の海辺
怖がらず目を閉じ抱き合っていよう

最高の瞬 未来は君の胸で溶けちまえばいい
悲しい夢も 未来も君の胸で消えちまえばいい

人間にはさようなら いつか来るじゃない
この宇宙でもう一度 会える日まで...

パンドラの箱を今 アケハナテヨ
千切れ欠けてメビウスリングトキハナトウ

人間にはさようなら いつか来るじゃない
この宇宙でもう一度 会える日まで...