「崩れだした俺の顔で おまえは笑うだろう」
【Energy Void Zepp Osaka】でのBUCK-TICKは、
まさにロック・バンドとしてのアイデンティティを取り戻したかのように、
ドラマチックながらも、力強いパフォーマンスを繰り広げていた。
ケロイドに焼かれた魂も、ダーク・サイドに浸りきった日々も
今では、彼等の良き経験として、そのキャリアに深みを刻み付けた。
そして、ロックバンド“BUCK-TICK”は、暗黒世界から生還したのだ。
これは、競演したPIGの影響も測りしれないのだろう。
東京、大阪、札幌、福岡と各Zeppを巡回したショート・サーキットではあったが、
BUCK/TICKにロック・バンドとしての鋭さを回帰させるには十分であった。
櫻井敦司はPIGについて、こう語る。
―――PIGと一緒に全国数か所をツアーしたわけですけど、手応えはいかがでした?
櫻井敦司
「ああ、もう後になればなるほど良くなっていった感じでした。
PIGも自分達も」
―――レイモンド(ワッツ、PIGは彼のソロ・プロジェクト)とはもう何度目かの再会ですよね?
なにか話されましたか?
「ええ。レイモンドは優しいきれいな英語で話してくれるので、通訳の人を介さずにずっと話してました。
すごく紳士的な感じの一週間って感じで。彼はBUCK-TICKのライヴを初めて観たんですね。
すごくアーティスティックで良いって興奮気味に褒めてくれましたけど」
―――櫻井さんが彼等から刺激を受けた部分があるとすればどんなところですか?
「やっぱりレイモンドは同じヴォーカリストなんで、
そのスタイルというか姿勢というかオフステージの時でも、観察するんじゃなくてフッと、
“ああ、こういうところがあるんだ”とか、そういう感じで。
ステージのスタイルとかいろいろ見れて楽しかったです」
(『FOOL'S MATE』誌より)
今井寿と星野英彦のダブル・レスポールによる分厚い轟音とともに、
「堕ちろ!」と世紀末の黙示録を歌う櫻井敦司。
バックを固めるリズム隊の樋口“U-TA”豊とヤガミトールの重厚な鼓動。
どこを切り取っても。BUCK-TICKらしいへヴィ・ロックが還ってきた。
マッシヴで、タイトな【Energy Void TUOR】には欠かせない。
サウンドであった。
また制作時にこのライヴツアーが組まれていたかは不明であるが、
偶然にもその歌詞に、因果が存在する。
「hi baby. 早くおいでよ
PIGみたいな俺を愛して欲しい 」
DOWN
(作詞:櫻井敦司/作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
hi baby. ここへおいでよ
天使みたいに俺を堕として欲しい
笑わないおまえの顔で静かに果てる
シャムの様さ 溶け合いたい
乱れだした俺の顔で おまえは笑うだろう
見つめ合ったお前とのweekend. 目覚めたなら俺もお前も夢さ
hi baby. 早くおいでよ
PIGみたいな俺を愛して欲しい
裏切る指先で全てを掴む
のけぞる空 飛ばせておくれ
崩れだした俺の顔で おまえは笑うだろう
見つめ合ったお前とのweekend. 目覚めたなら俺もお前も夢さ
hi baby. おかえりなさい
いつか未来は光り輝くだろう
世界中闇となった地獄の季節
私は鳥になって飛んでゆく
飛んでゆく世界中闇になってお前も見えない
俺は鳥になって飛んでゆく 飛んでゆく
乱れだした俺の顔で おまえは笑うだろう
見つめ合ったお前とのweekend. 目覚めたなら俺もお前も夢さ
崩れだした俺の顔で おまえは笑うだろう
見つめ合ったお前とのweekend. 目覚めたなら俺もお前も夢さ
