映像はフジテレビ系音楽トーク番組『ロケットパンチ!』にBUCK-TICKメンバーが出演したもの。
前々回の続きとなる。

この映像での中原理恵の質問も、素晴らしい。
BUCK-TICKというロック・バンドには聞きづらいであろう質問をビシビシを投げかけてくれる。
しかも彼女のキャラクターのお陰か?そんなに不快感がなく、
メンバーもややリラックスして対応しているようにも見える。

元歌手の経歴を持つ中原理恵は、
1978年、デビュー曲の「東京ららばい」(作詞:松本隆、作曲:筒美京平)が大ヒット。
実際は珍しいことに、シングルレコードより先にアルバムでデビューしている。
デビュー当時19歳だったが、大人っぽい曲調に合わせるためなのか、
年齢を数歳上に偽っていた(つまり逆さば読み)。
年末には、日本レコード大賞新人賞など数々の新人賞を受賞し、
NHK紅白歌合戦にも「東京ららばい」で初出場。
第二弾「ディスコ・レディー」も大ヒットとなり、歌手として華々しいスタートを切る。

その後、1980年代に入り萩原欽一の元、
それまでのシリアスなイメージを打ち破る弾けたコメディエンヌぶりで人気が爆発。
演技力、カンの良さ、トークの切れが高く評価されることになった。

音楽番組との関係は、1986年10月放送開始の「ミュージックステーション」(テレビ朝日)に、
初代メイン司会者の関口宏と共にパートナーとして、司会進行役を務めた。
その半年後の1987年4月からは、二代目メイン司会者がタモリとなり、
タモリのパートナーとして務めていたが、
半年後の1987年9月に中原理恵は同番組で1年間務めた司会進行役を降板となる。
(その頃、BUCk-TICKもマスメディアに登場し出した)

その後はマイペースに、女優業(ドラマ出演等)を主に活動していた彼女であるが、

「BUCK-TICKのメンバーは、いったい何着て寝てるのかしら?」

とは、彼女らしい個性的な質問であった。

また、そこから「彼女には何を着て一緒に寝たいか?」という質問に繋げるあたりは、
天然なのかもしれないが、女性ファンの心理をよく掴んだ質問だったろう。

真剣に考える櫻井敦司は、何を想像したのか一人ほくそ笑み、
ヤガミトールの「ネグリジェ着た人と寝たことないので、…一回くらい…」
という返答も面白い。

記憶が正しければ、放映時の番組では、
確かこの他に、櫻井敦司の顔がナターシャ・キンスキーに似てるといって、
櫻井敦司に

「ああ、よく言われます。他にもコマネチに似てると言われます」

と答えさせたり、

『SWEET STRANGE LIVE FILM』の映像を見て、

「あの“舞い”は、どこかで習ったんですか?」

と櫻井敦司に質問して、

「我流です」

と答えられていたような気がする。


普通に司会者の質問であったら、メンバーも不快感を露わにしたかもしれないが、
中原理恵のキャラクターが逆に彼らを和ませて、リラックスした雰囲気で、
番組は終了したようだ。