「何故に僕たちは生きる 暗闇走る様に愛さえ見失う」

アルバム『COSMOS』のタイトルナンバーは、櫻井敦司のお気に入りの楽曲で、
のちに重要なライヴでのラストナンバーとして、観衆との掛け合いに使用されるが、
中でもこの『SWEET STRANGE LIVE』で披露された“アカペラ”ヴァージョンは有名で、
機材トラブルが原因で巻き起こった嬉しいハプニングになったが、
“負”を“正”に転換するエネルギーをこの時、櫻井敦司はカリスマがかった手法でやってのけた。

この映像は1998年5月9日公演でのものであるが、
事実、当初この日のセットリストに「COSMOS」はなく、完全なる櫻井のアドリヴであったのだ。

ちなみに、2日間設けてあったヴィデオ・シューティングの初日5月8日公演のセットリストは、
  SE: SEXY STREAM LINER
  1 ヒロイン
  2 喋喋
  3 迦陵頻伽
  4 囁き
  5 螺旋 虫
  6 Tight Rope
  7 キラメキの中で・・・
  8 love letter
  9 MY FUCKIN’ VALENTINE
  10 リザードスキンの少女
  11 無知の涙
  12 見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ
  13 キミガシン..ダラ
  14 Schizo幻想
  15 タナトス

アンコール
  16 キャンディ
  17 月世界

の曲順になっていて、当然2日目の5月9日もこの進行で実施される予定であった。

当日公演に参加した“Liao”さんのライヴ・レポートでは、
** BUCK-TICK **  “SEXTREAM LINER” 

そして、『Tight Rope』にいく前に、1回目のトラブル発生!!!
その時は、私はどういうトラブルなのかわかりませんでしたが、今井さんのギターの音が突然出なくなったようでした。
そして、あっちゃんは何か話して、間をつなぐように言われたのでしょう。 困ったあっちゃん!!(笑) もうスロープに寝ころんで準備していたのにね!
「事故ったか・・・」 これは、今井さんのギターのこと? それともhideちゃんのことかな? 私のこの時の精神状態は、何でもhideちゃんがらみで考えてしまうので、私はhideちゃんのことだと思いました。(ギターのことだったのでしょうが・・)
そしたら、照明があっちゃんに当たって、「照明を消してくれ、恥ずかしい・・・」とおっしゃった! 場内大歓声! あっちゃん、頑張って!!!
暗いステージの上で、今井さんの方に寄って行って、何か話していました。 暗い中で、二人くっついて話していたので、なんだかいけないことをしているよう・・・(笑)
そして、「オレは、しゃべることが苦手なんだよ~~」  「たいした話もなし!」
「では、まじめな話。 今日はビデオ撮影をしています。 いいビデオにしたいです! でも、この状況はカットされるでしょう・・・」とか言ってました。 かわいい!!!

 そして、まだギターが直らないのか、あっちゃんは、しばらく中央のマイクの前にたたずむと、突然、『COSMOS』をアカペラで、歌い出したのです!!!!!!!
こんなこと、もう2度とないかもしれません。 私には、hideちゃんがくれた贈り物のような気がしました。(本当にそういう精神状態だったのです。)
『COSMOS』は、素晴らしかった!!!!!! 曲の途中で、お客さんと掛け合いのようになって、演奏がない分、あっちゃんの伸びのある声が、武道館を包んでいました。
この曲、あっちゃんは、大好きなんですよね。 とても大切にしている曲。 前のアルバムのタイトルにもなっている曲で、最後に収録されています。 でも、私は、この時までそれほど好きではなかった・・・
1番が終わったら、間奏をハミングで歌って、2番まで歌ってくれました。 そして、途中のフレーズを、ゆっくり一言一言をていねいに、歌い上げてくれました。 本当に本当に、素晴らしかったです。 それに、この曲は、未来への愛の歌なんですよね。 ジワー・・・と涙が出て来ました。 

 そして、ギターも復活して、『Tight Rope』。 この曲も心にしみました。
涙がはらはらとこぼれた・・・ BUCK-TICKのライブを見て、泣くとは自分でも思っていなかったのですが、自然に涙がこぼれてきました。 この曲は、あっちゃんのボーカルとしての力量が最もよく出る曲なのではないかと思います。 それに、綱渡りをするような仕草をして歌うあっちゃんが、衣裳のせいもあるかもしれませんが、とてもはかなげで美しく、泣けてきました。
それに、歌詞に、「死のにおいだけが、たよ~り・・、ゆらゆらゆらら・・・・・」というのがあって、この時の私の心に触れるものがありました。

 その後に続く、盛り上がり系の曲も、完璧です!!! 『キラメキの中で』の前のMCは、「パパ、ママ、パパ、ママ・・・・」という絶叫でした。 この曲も、このライブで聞いて、好きになりました。
「今井が、とっておきの曲をやります。」と言って、、『My Fuckin’-』
この曲の時だったかな・・ 今井さんは動けないので、あっちゃんが、コードレスのマイクを駆使して左右に動き回っていました。 スピードスケートの中継で使われる動いている映像をとるカメラがステージの前にうごうごしていて、あっちゃんが動くと、それも一緒に動くので、あっちゃんが不思議そうにそれをのぞいたりしていて、すごくかわいかったです!!!

 そして、『誤解』。 昨日も、この曲がとても印象に残っているのですが、この武道館の2日間では、この曲がとても心にしみました。 演奏も歌もすごかったです。

 ライブの途中で気づいたのですが、よく女の子二人でライブに来ている子達は、曲の間に感想などを話していることが多いのですが、この日は、あまりそういうのを見かけなかったです。 ほとんど誰も何も話さず、次の曲を待ってる・・・ それだけすごいライブだったということでしょう。 誰もがのめり込めるライブでした。


以上、引用、抜粋、本文のまま。
ファンサイト「遼~Liao~のページ 」より。

また、このサイトの管理人Liaoさんは、BUCK-TICKとhideのファンであり、
このトラブル時、hideがBTメンバーに別れを告げに日本武道館に訪れたのでないか?
と語っている。
そう考える、いかにもhideがしそうな“いたずら”であり、
(機材トラブルなどは完全にミュージシャンの発想)
事実、ヴィデオ・シューティングで最終日であった当日のスタッフの調整は完璧に近かったはずである。
にも関わらず、機材トラブルが発生し、その恩恵で普通では絶対に見ることが出来ない
櫻井敦司の“アカペラ”による「COSMOS」が披露されたとなると、
hideの別れの贈り物がこの楽曲であったするこの説に、
信憑性はともかく、信じたいという気持ちと説得力が先に立つのである。

“真実”が例えどうであろうと、人間の思念こそが現実化するとすれば、
まさに“見えない物を見ようとする誤解 全て誤解”であり、
真実は「感じるかい僕の声 感じてるそれは愛 」ということだ。

「コスモスが咲き乱れる この世界の果てに
 血にまみれた 愛だけがそこにある」




COSMOS
 (作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)


僕を狂わせて欲しい 小さな手の平には永遠の様な世界
何故に僕たちは生きる 暗闇走る様に愛さえ見失う

感じるかい僕の声 感じてるそれは愛

コスモスが咲き乱れる この世界の果てに
血にまみれた 愛だけがそこにある
見えるかい子供達よ 歌 唄いながら
君に似てる 愛だけがそこにある

六日目の朝に出合った 白へ匕が見る夢は全て消えた世界
感じるかい僕の声 感じてるそれが愛

コスモスが咲き乱れる この世界の果てに
血にまみれた 愛だけがそこにある
見えるかい子供達よ 歌 唄いながら
君に似てる 愛だけがそこにある

コスモスが咲き乱れる この世界の果てに
血にまみれた 愛だけがそこにある
見えるかい子供達よ 歌 唄いながら
君に似てる 愛だけはそこにある