「お・ま・え・と・ひ・と・つ・だ!」
1997年最新型の新曲「ヒロイン」のヴィデオ・クリップで、
地下下水路の中で、復活を遂げるヴァンパイアの如く“櫻井敦司”が立ち上がる。
新天地マーキュリーで、新たなる誕生を遂げるBUCK-TICKは、
あらゆる意味において、生まれ変わっていた。
ドラムン・ベースを始めとする打ち込みマシーンの大胆な導入と
ヤガミトール、樋口“U-TA”の繰り出す生のグルーヴが見事に融合を見せ、
今井寿、星野英彦のギター・コンビは、完全にギターという楽器の範疇ではなく、
制限なく楽曲への“音”すべてに細やかで正確な信号を送っている。
無機質なサウンドとは裏腹に、櫻井敦司の書く歌詞は、
硬質で文学的【ことば】に守られながら、日本ロック特有のウエットな感覚を醸し出し、
唯一無二な極上最新型のBUCK-TICK楽曲の完成を実現化したのだ。
恐らく、BUCK-TICK史上の中でも最も急激な進化を遂げた時期であり、
それまでのダークだけではない、フラッシーな輝きを放つ今後のBT楽曲のあらゆるファクターが、
すでに「ヒロイン」には満載されていたのだ。
またタイトルからしてドラッグを連想させる櫻井敦司のテクニックは
「キャンディ」「チョコレート」と続いてきた妄想を増幅させる最高のドラッグソングと言える。
かつて、「die」というストレートなタイトルをシングルカットし度肝を抜かれたが、
新レーベルでの第一弾!このスキャンダラスな曲名演出も挑戦的で、尖った鋭角的なセンスが光る。
頭の欠けてしまった(髪型!)今井寿によるどこを切り取っても高水準のサウンド構成と、
ゾクゾクするようなギターイントロのメロディを聴くだけで、
まさしく新たなる時代の幕開けに相応しい楽曲となった。
「(さあ)め・を・と・じ・て!!」

『000386bx』
ヒロイン
(作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿 / 編曲:BUCK-TICK)
天国を探そう 天使達の星を
純白のヒロイン 限りない旅に出よう
おまえとひとつだ
何処までも飛べる 白い影を引いて
純白のヒロイン 終わらない旅に出よう
目を閉じて・・・・・
あなたの瞼に光る銀のしぶき
サソリと十字を抱いて夜の果てへ
蓮華の花びら 君が咲いた彼岸
サヨウナラ夢よ ふたりなら飛べるはずさ
目を閉じて・・・・・
カルマの雲裂き走る銀のしぶき
流れるアクエリアス抱いて夜の果てへ
目を閉じて・・・・・
あなたの瞼に光る銀のしぶき
サソリと十字を抱いて夜の果てへ
カルマの雲裂き走る銀のしぶき
流れるアクエリアス抱いて夜の果てへ
